「あなたの図書館をみつけて。」
忘れもしない、小学校1年生のとき。
実家から歩いて5分もかからないところに、図書館ができた。
嬉しかった。
年子でひとつ下の妹と、ひたすら通った。
夏休みは朝ごはんを食べたらでかけ、
お昼になったら家に帰り、
昼ごはんを食べたらまたでかけ、
「ゆうやけこやけ」の音楽がまちに流れるまで読み、
ひとり3冊ずつ選んでかり、
寝るまでにあわせて6冊の本を読み、
また、次の朝、返しにいくのだった。
長い長い夏休み、そうやって毎日すごしたことを
今でもよく覚えている。
1階が子ども室になっていて、ステキな司書さんがいた。
丸いめがねをかけていて、みつあみのおさげをしていた。
偶然、母の友達だとわかり、
ますます図書館通いが楽しくなった。
私たちは、安心して自分の世界に没頭できる時間を
図書館ですごすことができた。
ずっと本ばかり読んでいたわけではない。
いれかわりたちかわりやってくる友達と会う場所。
そこへいけば誰かがいる、とみんな知っていた。
やさしくておもしろい司書のお姉さんとのおしゃべり。
ちょっと手が空いているときにねだって、
紙芝居をよんでもらったり、
おすすめの本を教えてもらったり。
背表紙からカードをすっとだして、
返却日のハンコを押すのが、憧れだった。
混んで来ると、となりの公園で鬼ごっこ。
疲れたらもどってきて、
緑のじゅうたんが敷いてあるところでごろんとねっころがって
また、本を読んだ。
私にとっての最初の「居場所」は
図書館だったんだな、
この絵本に出会って、確信した。
ライオンは、わたし。
今のこどもたちに
今の図書館に
こんな「居場所」が、
まだ、
あるだろうか?