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第5位 『家守綺譚』 梨木香歩

家守綺譚

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(新潮社/税込1,470円)


駅近、庭・池・電燈付二階屋。家守求む。ただし人にあらざるもの千客万来。私はこの家に住みたい。今はなかなか感じることの出来ない、四季折々の自然がこんなに様々な姿でむこうからやって来てくれるなら、多少の怪異は我慢できると思うのです。

〔本町店・酒井和美〕


100年ほど前の日本を舞台にした物語。物書きの綿貫の許には様々な精霊・妖怪が訪れる。サルスベリは恋をし、河童は犬と仲良くなる。亡き友は掛け軸の向こうから舟をギコギコ漕いでやって来る。淡々とした日常にふと混ざりあう異界が静かに美しい。四季折々の情景、日本語の美しさと共にたっぷり堪能してください。すぅ――と引き込まれます。

〔横浜店・保良公美〕

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