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第23位 『光ってみえるもの、あれは』 川上弘美

光ってみえるもの、あれは

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中央公論新社/税込1,575円)


本を読んでいると音楽が流れてくる。そんな本はあるものだと思う。この本を読んでいて流れてきたのは、ブルーハーツの「夕暮れ」だった。登場してくる人達1人1人がそれぞれバランスをとりながら毎日を過している。不安定な中をそれでも歩いているのだ。そして主人公の翠は最後に「光ってみえるもの」を見るのだ。読んだ後に「はっきりさせなくてもいい…。」というメロディーが浮かんでくる。そんな淡い物語である。

〔札幌本店・伊藤〕

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