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絵のない絵本/アンデルセン

絵のない絵本
アンデルセン

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7/5/2013 0:07:54
人間科学部人間科学科
3年生・女性

あなたが誰かに贈りたい本はありますか?その本の名前と著者名をお書きください。

絵のない絵本/アンデルセン

その本をどんな人に贈りたいですか?

将来の自分の子どもに

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定などをお書きください。

月が毎晩貧しい絵描きに語りかける、きらきらと輝く情景—インド、中国、ヨーロッパ、アフリカ。三十三夜、繰り広げられるおはなしは、空想の翼を羽ばたかせ、海を渡り、空を飛ぶ。童話詩人アンデルセンが自身の創作意欲を結実させた至極の一冊。柔らかな文体で豊かな感情と爽やかなユーモアを描いたこの作品は、世代を問わず心に染み入る。「絵のない絵本」とは上手く言ったものだ、と読んだ者は誰しも思うだろう。今夜も月はあなたに語りかける—「私はある町を見下ろしました」

あなたはその本と、どのようにして出会いましたか?

高校の頃、しばしば勉強をサボるため図書室の司書さんとお喋りしていた。夏の暑い日、「なんだか疲れた」という夏バテ気味の私に手渡してくれた一冊。全部一度に読んでしまうのが惜しくて、一話ずつ寝る前に読んでいた。本を読み切るまでの一ヶ月、学校からの帰り道、月が一段と大きく見えた。

その本を受け取った人に、どのように思ってほしいですか?

自分の想像力で遊んでほしい。自由奔放に飛んでいくイメージを必死で追いかけてほしい。絵が表せること、文字が表せること、声が表せること、そのどれもがそれぞれにしか出せない色がある。「絵のない絵本」を読んだとき、一番に思ったのは「この本には挿絵をつけちゃいけないんだ」であった。文章だからこそ描ける色を五感をフルに使って存分に味わってほしい。そして、絵や文字、声、音、そのどれもが自分の内でのみ気付けることに気付いてほしい。