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洋書編「世界の言葉の「トリビア」集」

Balderdash & Piffle

→紀伊國屋書店で購入

Balderdash & Piffle』(A.Games、BBC Books)


Eats, Shoots & Leaves』(L.Truss、Profile Books) 
The Meaning of Tingo』(A.Jacot de Boinod、Penguin Books)

いま世間では「日本語ブーム」と言われているが、海外でも身近な「言葉」に対する関心は非常に高い。雑学的な知識のタネ本としても使える珠玉の「言葉のトリビア」集を紹介しよう。

1冊目)標題の2つの単語は「無意味な言葉」や「他愛もない話」という意味。本書は様々な英語の単語を取り上げて、その語源や変遷を歴史的にたどるという内容。英語の語彙には非常に多くの「外来語」が取り込まれているという記述自体は決して新しくない。むしろ今日では英語を母語としない人を含めると7億人もの人々が英語を操っており、ノン・ネイティブな人によっても言葉の変化が促されているという指摘が興味深い。より開かれた国際語として、ますます英語は多様化しているのだ。

2冊目)ふだんあまり注意を払わずに使ってしまいがちな「,」(コンマ)や「‘」(アポストロフィ)に焦点を当て,その使い方を誤ると伝わる意味も大きく変わってしまうというのが本書の主題。標題の一文は「(パンダは)小枝や葉を食べる」とするつもりなのだが,「,」(コンマ)の誤用によって、「食べて、銃を放ち、そして立ち去る」と読めてしまう。英語版「シンダイシャタノム」。ユーモア書としてだけではなく、文章の書き方にも通じる指摘は新しい。

3冊目)こちらは世界の言葉の「トリビア」集。「tingo」とはイースター島の言葉で「友人宅から家の物がなくなるまで運び出して借りること」だそうだ。世界の言葉に目を向けると、個々の単語の面白さもさることながら、言葉が切り取る世界観や文化も実に多様であることがよくわかる。日本語の「赤の他人」「黄色い声」と言った比喩的表現も、改めて考えると少し不思議な使い方である。そんな指摘から軽いカルチャーショックを受けてみるのも楽しいものだ。【洋書部・桜】