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プロの読み手による書評ブログ

練木繁夫(ねりき・しげお)

練木繁夫
1976年ツーソンピアノコンクール、78年ピッツバーグピアノコンクールなどで第1位。76年より、チェロの巨匠ヤーノシュ・シュタルケルとともに世界各地を公演、絶賛を浴びている。国内外のメジャーオーケストラのソリストとしても活躍し、テレビ、ラジオ等にも数多く出演。
93年第24回サントリー音楽賞を受賞。90年シュタルケルと収録したD.ポッパーの作品のCDが、グラミー賞のソリスト部門にノミネートされ、97年にはオール・シューマンプログラムの「パピヨン」が、文化庁芸術祭賞作品賞を受賞。
03年秋、「Aをください」を春秋社より出版。
現在、インディアナ州立大学教授、桐朋学園特任教授、国立音楽大学招聘教授、相愛学園大学客員教授、エリザベート音楽大学非常勤講師、霧島国際音楽祭企画委員。

『孤高のピアニスト梶原完』久保田慶一(ショパン)

→紀伊國屋書店で購入 「日本初のヴィルトゥオーゾ」 現在では、世界で活躍する東洋人の音楽家は珍しくない。もはや世界は東洋人の活躍なしに存在しない。1950年代に渡欧し、ただちにヨーロッパ各地で本格的な演奏活動ができた日本人は珍しい。本書は、昭…

『明治の音』内藤 高(中公新書)

→紀伊國屋書店で購入 「西洋人が聴いた日本の文化」 1853年7月、久里浜に上陸したペリー提督に伴って、軍服に身を包んだ軍楽隊が上陸行進の中にいた。このとき日本人たちが初めて眼にした金管楽器や打楽器は、さぞかし煌びやかに映ったであろう。日本初…

『お父さんはやっていない』矢田部孝司 矢田部あつ子(太田書房)

→紀伊國屋書店で購入 「この人、痴漢です。」という一言がすべてを変えてしまう。今まで築いてきた名誉、信用、家庭、すべてにその一言が亀裂を入れてしまうのである。 「お父さんはやっていない」は、通勤途中で痴漢冤罪に会った人間が無実を証明するまでの…

『小沢昭一的新宿末廣亭十夜』小沢昭一(講談社)

→紀伊國屋書店で購入 「末廣亭の奇跡」 新宿末廣亭は昭和二十一年に建てられた寄席である。中に入ると高座に向かって左右に細長い畳席があり、それに挟まれて椅子席が設けられている。2階もあるが1階が満員にならない限りは開いたことがない。何年か前まで…

『オーケストラ楽器別人間学』茂木大輔(新潮文庫)

→紀伊國屋書店で購入 「楽器に潜む人間性」 我々の使う楽器には、それぞれの異なる性格が潜んでいる。その楽器と長く共に生きていれば、不思議と演奏家の性格は楽器の持つ性格に似てくる。 ピアノはメロディーと伴奏が同時に弾けるだけではなく、これさえあ…

『田中希代子』萩谷由喜子(ショパン)

→紀伊國屋書店で購入 「ピアニストの星」 現在の若いピアニストは幸運である。アジア全体の音楽レヴェルが欧米で認められ、どこの音楽院、音楽大学でも東洋からの生徒は歓迎される。アジアからの生徒を持つことは、その国での知名度に繋がる。良い教えをすれ…

『ことばの由来』堀井令以知(岩波新書)

→紀伊國屋書店で購入 「どっこいしょとは何?」 私のアメリカ生活は35年になろうとしている。英語中心の生活に慣れたとは言え、ときには単語の意味は判っても、何を意味するのかが判らないイディオム(慣用語句)に出会うことはある。例えば、「Tongue in …

『名前の漢字学』阿辻哲次(青春新書)

→紀伊國屋書店で購入 「日本人の名前の由来をひも解く」 私は仕事上、外国との行き来が多い。住んでいるのがアメリカだから正確には、「日本との行き来が多い」と書くべきである。飛行時間は14時間ほどだが、乗り換えがうまく行かないときには18時間近く…