書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

朱野帰子(あけの・かえるこ)

『昭和ちびっこ未来画報—ぼくらの21世紀』初見健一(青幻舎 )

→紀伊國屋書店で購入 「未来の子供たちはこんな道具で遊んでるんだ!」ドラえもんはよく言います。ものすごい技術を集結してつくられたはずの「タケコプター」も「どこでもドア」も22世紀では子供の遊び道具。未来ってすごいなあ! 1980年代に子供時代を過ご…

『竜の学校は山の上 — 九井諒子作品集』九井諒子(イ−スト・プレス )

→紀伊國屋書店で購入 「勇者」という言葉を、私たちの世代に広めたのは、1986年に第1作が発売されたRPGゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズではなかったでしょうか。このゲームが瞬く間に全国の小学生を魅了したのは、単にゲームとして完成度が高かったから…

『いちばんやさしい地球変動の話』巽好幸(河出書房新社)

→紀伊國屋書店で購入 去年の3月に大きな震災が起きて以来、呼吸が浅くなっている気がします。「○ヶ月以内に大地震が起きる可能性が○%と専門家が言っている」「富士山が噴火するらしい」「浜辺に鯨が打ち上げられた」「大地震の予知夢を見た」…。不穏な情報…

『深海のパイロット—六五〇〇mの海底に何を見たか』藤崎慎吾/田代省三/藤岡換太郎(光文社)

→紀伊國屋書店で購入 謎めいた人物ネモ船長が主人公たちを連れて世界中の深海を旅する物語「海底二万里」を知らない人はいないでしょう。庵野秀明監督の「ふしぎの海のナディア」の原作であり、宮崎駿監督の「天空の城のラピュタ」の原案でもあり、その他、…

『潜水調査船が観た深海生物 — 深海生物研究の現在』藤倉克則/奥谷喬司 (東海大学出版会)

→紀伊國屋書店で購入 私事で恐縮ですが、このたび、新刊を出しました。「海に降る」(朱野帰子/幻冬舎)。女性初の有人調査潜水船パイロットを目指す主人公が海に棲む未確認巨大生物を探しに行く、という深海冒険小説です。物語の舞台は国内随一の海洋研究…

『ブラック・ジャック創作(秘)話 〜手塚治虫の仕事場から〜』原作・宮崎克 漫画・吉本浩二(秋田書店)

→紀伊國屋書店で購入 かつて七日間で世界を灼きつくしたと伝えられる巨神兵のように、莫大なエネルギーを以て創作に打ち込む天才。誰もついていけない、いや、一緒にいるだけでうっかり一緒に灼かれてしまいそうな危険な存在。そんな人を私はモンスターと呼…

『ミステリーの書き方』日本推理作家協会編著(幻冬舎)

→紀伊國屋書店で購入 小説家ってどうやって小説を書いているのでしょう。私には未だにわかりません。大学では文芸を専攻し、小説の学校にも通いましたが、そういうところには作家という肩書きの先生方はいても、リアルタイムで作品を書き生き馬の目を抜く出…

『東京都北区赤羽』清野とおる(Bbmfマガジン)

→紀伊國屋書店で購入 「最近の若者は海外に興味がなさすぎる!」と、息巻いているコメンテーターをテレビで時々見かけます。中高年の男性が多いですね。「最近の若者は海外旅行しない。留学もしない。車にも乗らない。酒も飲まない。だから日本が駄目になる…

『ジブリの哲学—変わるものと変わらないもの』鈴木敏夫(岩波書店)

→紀伊國屋書店で購入 「マイケル・ジャクソンが趣味だ」という知人がいます。「帰宅してビールを飲みながらマイケルの記事をチェックする。バード・ウォッチングならぬマイケル・ウォッチングをするのが好き」なのだそうです。なるほどなあと思いました。誰…

『進撃の巨人』諌山創(講談社)

→紀伊國屋書店で購入 強大な怪物。宇宙人。自然災害。大事故。ある日突然人類を襲う災厄。私はパニック映画が大好きです。抗うすべもなく逃げ惑う登場人物たちがむかえる残酷な行方をじっと観察するのが好きなのです。悪趣味でしょうか。しかし私は知りたい…

『羆嵐』吉村昭(新潮社)

→紀伊國屋書店で購入 札幌市の住宅街にヒグマが現われました。テレビで報道されたのでご存知の方も多いでしょう。付近の公園や自然歩道は閉鎖されたそうです。札幌市中央区役所のホームページでも「クマやクマの足跡などを見つけたらすぐに110番通報しましょ…

『アオイホノオ』島本和彦(小学館)

→紀伊國屋書店で購入 「才能ある人間と、自分は、何が違うのだろう」誰でも一度は考えたことがあるでしょう。私も毎日考えてしまいます。私は書店が大好きです。心臓をガシッとつかまれて、激しく揺さぶられるような面白い本に出会いたい。平台の上を見るた…