書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

『「からゆきさん」-海外<出稼ぎ>女性の近代』嶽本新奈(共栄書房)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「本書の大きな目的のひとつは、この「からゆきさん」と呼ばれる、しかし生き様は様々であった女性たちを取り巻く言説とまなざしの変容を、時代を追って検討していくことにある」。 さらに詳しく、同じく「序章」で、著者嶽本新…

『近代日本社会と公娼制度-民衆史と国際関係史の視点から-』小野沢あかね(吉川弘文館)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「男たちの放蕩や「家」の没落を招いた遊郭。女たちの勤倹貯蓄精神や修養意欲は、どう公娼制度批判へ発展したのか。また、東アジアに拡大した日本の公娼制度政策の特徴を国際関係史的視点から解明。慰安婦問題の歴史的前提にも…

『日本のコモンズ思想』秋道智彌編著(岩波書店)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 参院選の「一票の格差」を是正する選挙制度改革で、隣り合う人口の少ない県を統合して新たな選挙区をつくる「合区」をめぐって、県連を中心に反対意見が出ている。県境越えの選挙区のどこに問題があるのだろうか。本書の「コモ…

『海の国の記憶 五島列島:時空をこえた旅へ』杉山正明(平凡社)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「神州極西の孤島」といえば、辺境や離島のイメージがあるかもしれない。だが、本書を読めば、五島列島は大陸、朝鮮半島とのgateway (出入口)で、日本の最先端であったことがわかる。 五島列島を「辺境」にしてしまったのは、…

『阿姑とからゆきさん:シンガポールの買売春社会 1870-1940年』ジェームズ・フランシス・ワレン著、蔡史君・早瀬晋三監訳、藤沢邦子訳(法政大学出版局)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「娼婦の生活史から日本とアジアの近代を問いなおす」「イギリス植民都市シンガポールの形成過程のなかで、性を生業にする日本と中国の女性たちはいかに生き、死んでいったか。近代という時代に翻弄されながらも懸命に生きた人…

『帝国日本のアジア研究-総力戦体制・経済リアリズム・民主社会主義』辛島理人(明石書店)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 日本のアジア研究は、現在問題となっている歴史認識など近隣諸国との関係改善・強化に、あまり貢献していないようにみえる。それはなぜなのか、戦前・戦中からの連続性、非連続性をもって語らなければ、わからないのではないか…

『もうひとつの「王様と私」』石井米雄著、飯島明子解説(めこん)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 6月7日、アメリカ演劇界最高の栄誉とされる「トニー賞」の授賞式がおこなわれた。ミュージカル部門主演男優賞に「王様と私」の王様役で渡辺謙がノミネートされたことから、日本で大きく報道された。「私」役が主演女優賞を受賞…