書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

プロの読み手による書評ブログ

『紛争と国家形成-アフリカ・中東からの視角-』佐藤章編(アジア経済研究所)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書は、「「国家形成」という視座のもとで、綿密な実証的記述という地域研究の方法論を最大限に活かしつつ、社会学、政治学、国際関係論などの理論研究と歴史研究の成果も取り入れながら、紛争という現象の持つ意義を国家との…

『戦後史の解放Ⅰ 歴史認識とは何か 日露戦争からアジア太平洋戦争まで』細谷雄一(新潮選書)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書は、サザンオールスターの「桑田佳祐の嘆き」からはじまる。「ピースとハイライト」のなかの歌詞、「教科書は現代史を やる前に時間切れ そこが一番知りたいのに 何でそうなっちゃうの?」が紹介されているが、現代史云々の…

『ハーバード大学は「音楽」で人を育てる』菅野恵理子(アルテスパブリッシング)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「音楽とリベラル・アーツを考える」 アメリカには、ジュリアード音楽院のようなプロの演奏家を育成する教育機関とは別に、有名大学に音楽学科や音楽学校が存在している。本書(菅野恵理子著『ハーバード大学は「音楽」で人を育…

『右傾化する日本政治』中野晃一(岩波新書)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書のねらいは、「自由主義的な国際協調主義の高まりで幕を開けた新右派転換の動きが、いかにして偏狭な歴史修正主義を振りかざす寡頭支配へと帰着してしまったのか」、その政治プロセスを解き明かすことである。 「序章 自由…

『世界を動かす海賊』竹田いさみ(ちくま新書)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 映画のタイトルにもなるように、「海賊」ということばからロマンと冒険をイメージする人がいるかもしれない。だが、その被害に遭うと考えると、そのようなイメージは吹き飛んでしまう。海賊の被害は国益に影響し、わたしたちの…

『宇沢弘文のメッセージ』大塚信一(集英社)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「編集者のみた宇沢弘文」 著者は岩波書店の元社長で、長い間、同社の著作物の編集に携わってきたが、とくに経済学者の中では世界的な数理経済学者だった宇沢弘文(1928-2014)と懇意にしてきたひとである。宇沢氏の主要著作は…

『「歴史認識」とは何か-対立の構図を超えて』大沼保昭著、聞き手江川紹子(中公新書)

→紀伊國屋ウェブストアで購入 たまに電話取材が入る。自信がないので、参考文献をあげて、それを「読んでからあらためてお電話ください」と言う。たいていは、あらためて電話はかかってこない。かかってきたときは、丁寧に対応することにしている。自信がな…