ごあいさつ
五月祭で何か面白いことがしたいと思い、東大にふれてもらうという五月祭のコンセプトの中で人々に興味を持ってもらえることは何なのだろうと考えたとき、「本」と東大生というのは関わりの深いもので本を通して東大生の本質を捉えることができるのではないかと思い、この企画を行いました。
本を借りるとき、100人には単純に、「あなたのおすすめの本を貸してください。」としか言っていません。
そう言われたときに100人の東大生はいったいどんな本を差し出すのか、そこに一つの東大の縮図が見えるのではないかと思っています。
そんな企画を今回、書評空間内の1つのコーナーにすることができました。
100冊のリストとコメントを見て、少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。

東京大学 農学部 3年 賈 一丁

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2011年07月11日

『花腐し』松浦寿輝(講談社文庫)

花腐し
松浦寿輝

経済学部・男性

→bookwebで購入

花腐し

1.この本との出会いはいつですか?

大学1年のフランス語の授業中。

2.どんな内容の本ですか?

小説。卯の花腐しとは万葉集に出てくる表現で、ウツギの花が咲く頃の長雨のこと。にわか地上げ屋の栩谷と追い立てられる側の伊関とのやりとり、栩谷の心情描写が中心。

3.この本のどういうところが好きですか?
(抽象的にでも具体的にでもいいです)

日常ではひた隠しにされているが誰しも大学生までには経験するであろう、生と性、そのセットとしての死に対する衝動を、長雨に腐る花の馥(かお)りとカビの臭いが漂う世界に暴いているところ。かな。

4.この本からどのような影響を受けましたか?

一緒に鼻母音の発音練習をした先生がこんな小説を書くなんて、まずびっくり。映画論の講義を受けた今となってはそうでもないけれど。本屋さんでよく売れるような、何か日常ならぬ事件が起きる小説でも、読んだら幸せハッピーお花畑になれる小説でも、ドキドキハラハラミステリーでもないけれど、何度も読みたくなってしまう。今まで、アタリマエ、絶対だと信じていたものが相対的なものだとわかって、しかもそれを空白感の言い訳にしてしまうような頭デッカチの大学生は、一度手にとってみては。Twitterに死にたいなんてつぶやく前にね。以上、質問を無視した感想でした。

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