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2010年11月04日

紀伊國屋書店新宿本店 フェア諸相「紀伊國屋カルチャー・トリップ-今読みたいSF100」号外/「と!RAVEL Book Fair -異界探訪編-」

こんにちは。ちょうどひと月ぶりの更新です。
今回の内容は大きくふたつ。いずれも以前このブログで取り上げたフェアのその後の展開についてです。
好評のうちに幕を閉じました「紀伊國屋カルチャー・トリップ-今読みたいSF100」の結果発表と、紀行文フェア第二弾「と!RAVEL Book Fair -異界探訪編-」の紹介をさせていただきます。


「紀伊國屋カルチャー・トリップ-今読みたいSF100」

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さてこちらのSFフェア、当初は10月中頃までの開催予定だったところ会期を延長しての開催となりまして、つい先日10月いっぱいをもって終了いたしました。これまでのテーマを上回る人気に話題性もあったらしく、これもひとえに皆様のおかげです。たくさんのご来場ありがとうございました。

そして只今手元にあるのが、
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このフェアの売り上げを記した極秘資料です。
既に紀伊國屋新宿本店公式twitterアカウントにて、売り上げランキングが発表されましたので、ここでは各担当者から頂いたコメントと合わせて、簡単にフェアを振り返ってみたく思います。

ではランキングから。

 1位  伊藤計劃「ハーモニー」
 2位  マイクル・コーニィ「ハローサマー・グッドバイ」
 3位  円城塔「Self-Reference ENGINE」
 4位  伊藤計劃「虐殺器官」
 5位  伊藤計劃「メタルギアソリッド ガンズオブザパトリオット」
 6位  ジョン・クロウリー「エンジン・サマー」
 7位  カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」
 8位  小松左京・谷甲州「日本沈没第二部 上」
      小松左京・谷甲州「日本沈没第二部 下」
 9位  ナンシー・クレス「ベガーズ・イン・スペイン」
 10位 テッド・チャン「あなたの人生の物語」

エポックメイカー伊藤・円城は言うに及ばず。海外勢ではコーニィとクロウリーが競っていたところがまたなんとも。日本沈没の第二部が上下巻ともに揃って売れていたところも、きちんと読まれる方へ渡ったのだと印象深いものがあります。

次点では、

 トマス・ピンチョン「競売ナンバ-49の叫び」
 青木淳悟「四十日と四十夜のメルヘン」
 平山夢明「独白するユニバ-サル横メルカトル」
 エイミー・ベンダー「私自身の見えない徴」
 ホルヘ・ルイス・ボルヘス「創造者」
 大森望編「NOVA 書き下ろし日本SFコレクション 2」
 恩田陸「ねじの回転-Februarymoment 上」
 恩田陸「ねじの回転-Februarymoment 下」
 桜坂洋「スラムオンライン」

と若干文学色が強い感じに。さまざまなお客様に来ていただいた証左と思えます。

各担当者にはこんな質問をしてみました。
 1.一番のオススメ本はどれでしょう。
 2.売り上げを見てどうですか。
 3.フェア全体を振り返ってなにかあれば。

主催者F
1.お勧め本はジーン・ウルフ2冊。
ジーン・ウルフ「デス博士の島その他の物語」
ジーン・ウルフ「ケルベロス第五の首」
2.やはり伊藤・円城は強かった。しかし全体的には決して偏っているわけではなく、いろいろなものがちゃんと売れている印象。あと決してメジャー作家ではないコーニィの「ハローサマー・グッドバイ」がすごく売れているのが嬉しい。
3.今回のフェアは批判も含めツイッター上での反響が圧倒的に多い。SFというジャンルとツイッターの親和性の高さを確認した。そして反響や売行きからも、SFというジャンルが盛り上がっているという感触をやはり感じる。

担当K
1.津原泰水「バレエ・メカニック」
2.マルドゥック入れとけば良かった。
冲方丁「マルドゥック・スクランブル‐The 1st Compression‐圧縮 完全版」
冲方丁「マルドゥック・スクランブル‐The 2nd Combustion‐燃焼 完全版」
冲方丁「マルドゥック・スクランブル‐The 3rd Exhaust‐排気 完全版」
 →文庫版、全三巻。
冲方丁「マルドゥック・スクランブル(改訂新版)」
 →ハードカバー版、全一巻。
3.伊藤、円城の次を見つけたい。

このフェアでは選書の時点で2000年以降刊行という縛りがあり、選んでいる時点では深く考えていなかったのですが、終えてみればジャンルの盛り上がりを受けての総決算的な意味合いのあるフェアになっていたと思います。
となればやはり、次に誰か来るのかというのが気になるところ。そんな方へ向けたアンソロジーが多数刊行されており、つい先日にも以下の二冊が発売されました。

大森望編「ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成<S>」
大森望編「逃げゆく物語の話 ゼロ年代日本SFベスト集成<F>」

もう手に取られた方はお気づきかも知れませんが、実はこのアンソロジーの後書きにて、カルチャー・トリップのSFフェアについて言及され、開催の辞の掲載もされています。
このように出版社・書店・読者が繋がって、SFは一層盛り上がりを見せていくでしょう。あとがきも含めこちらも手に取ってみてはいかがでしょうか。

紀伊國屋カルチャー・トリップは今回で第二期を終え、いったんの完結を見ています。
バックナンバーはこちらのページにて常時公開中です。webでの注文はもちろん、各テーマ毎に用意された開催の辞も読めますので、買われなかった方も来られなかった方も是非一度ご覧下さい。
またいつの日かカルチャー・トリップが催されることを個人的にも期待しています。重ねて、フェアを盛り上げてくださった皆様に心より御礼申し上げます。


「と!RAVEL Book Fair -異界探訪編-」

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花園神社からこんにちは。
ここからは地下一階地図ガイド売場の紀行文フェア第二弾「と!RAVEL Book Fair -異界探訪編-」の紹介になります。
今回もポスターのキャッチコピーを引きつつ、フェアを覗いててみましょう。

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3連続紀行文フェア第2弾、出帆!
B1地図ガイド売場にて、紀行文フェア継続中。
異界をテーマに各ジャンルから本を取り揃えました。

皆様もう地下一階の地図ガイド売場は覚えていただけたでしょうか?
フェアは売場右出入り口から入り、山岳棚を抜けた奥の壁棚でこぢんまりと開催中です。

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夢と現の狭間の旅へ。24冊に凝縮された情景の数々
向かうは地獄、霊峰、深海、路地、理想郷、仮想現実――
なお旅先でのいかなる損害も当店は関知しかねますのでご了承下さい。

今回はいろはがるたふうのポップに、ことわざや名言をもじった内容紹介を付けてみました。
ポップを読み札、本を取り札に見立てて遊ぶこともできるかもしれません。一式揃えてお正月にどうでしょうか。

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左の画像、今回も絶版本を一冊紹介しています。
右は無料配布中のペーパーで、ブックリストとかるたが両面に載っています。ご自由にお持ち下さい。

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開催期間は1ヶ月。ご来店の際は是非お立ち寄りを。
引き続き来月には第三弾を予定しています。
次回《時空放逐編》まで、ゆるりとお楽しみ下さい。

開催期間は11月いっぱいです。
カルチャー・トリップが終わり、その代わりは到底務まりませんが、新たな本との出会いを求める方、気が向きましたら地下へと足を向けてみてください。


以下、取り扱い書籍を売場の読み札になぞらえて掲載します。
リンク先はbookwebとなっていますので、webでご覧の方もご利用下さい。

い.一見は百代にしかず
ろ.路地が変われば飯変わる
は.旅籠はかずがい
ほ.本より娼婦
と.東京に横道あり
り.理科室が辺境を生む
か.かわいい子にはイタリアを見せよ
た.旅は道連れホビットが憐れ 上 
そ.ゾーンに入りてはネジに従え
な.難破にキノコ
う.嘘から出たマルコ・ポーロ
く.くじら取りがくじらになる
ま.マンハッタンを歩けばビルに当たる
ふ.袋とじを開ける者、一切の高望みを捨てよ
こ.高度に発達したサービスは善意と見分けがつかない
て.天は盲目
あ.愛は赤より出でて赤より愛し
 さ.酒は飲んでも飲んでも飲んでも飲んでも――(絶版紹介)
   ヴェネディクト・エロフェーエフ『酔いどれ列車、モスクワ発ペトゥシキ行』
き.来た、見た、狩っ……
ゆ.雪は食っても高楊枝
し.新宿へ出よう。本屋にも来てね
ひ.人は餌なり
も.亡者の口に戸は立てられぬ
す.すべての道はザナドゥーへ続くかも