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2011年03月01日

ただいま準備中


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La littérature est une explosion!


coming soon...

2011年01月07日

『観光』フリーペーパー完成

こんにちは。
新年あけました。
今年もよろしくお願いします。

IMG_0532_1.JPG  IMG_0531_1.JPG

昨年8月に『観光』(ラッタウット・ラープチャルーンサップ著/古屋美登里訳・早川書房刊)が文庫化され、新宿本店ではいまだ好評を博しておりますが、この度、その魅力を更に掘り下げようとフリーペーパーを作成しました。

翻訳者の古屋美登里さんをはじめ、書評家の豊崎由美さん、『グローバリズム出づる処の殺人者より』などの翻訳を手がけている翻訳家の鈴木恵さんなどなど。様々な方から『観光』に対する熱い想いをお寄せ頂きました。

PICT0014.JPG

中は手に取ってからのお楽しみ。
1階文学カウンター、または2階文庫売場に設置しておりますので、ご来店の際はぜひお持ち下さい。

2010年09月06日

『観光』ポップパネル完成

ピクウィック・クラブ公式Twitterでつぶやき募集させていただいた『観光』(ラッタウット・ラープチャルーンサップ著/古屋美登里訳・早川書房刊)のポップパネルが二階文庫売り場に登場!!

訳者の古屋美登里さんもご来店いただき、一筆いただきました。

パネルはポップが増えるにしたがって、サイズ拡大。
現在は写真の状態よりちょっと縦に伸びてます。
そして、写真の場所からやや移動し、天井からぶら下げられています。
ご来店されましたら目線を少し上にして、二階文庫売り場話題書の台を探してみてください。

紀伊國屋書店限定帯もとっても好評!
水色と赤しましまの組み合わせがポップでなんとも可愛らしいです。

まだ未入手の方は二階文庫売り場まで、ご来店お待ちしております!

2010年08月11日

『観光』文庫化!!

皆様お久しぶりです。
「ワールド文学カップ」終了後、しばらく休んでいたピクウィック・クラブが本格的に再始動します。

そんなタイミングでビッグニュースが飛び込んで参りました。
五月の「ワールド文学カップ」ではたった一人での出場だったのにも関わらず、孤軍奮闘しMVPを獲得したタイの名選手、ラッタウット・ラープチャルーンサップの『観光』がこの夏ついに文庫化するとの事!詳細は早川書房さんのホームページでご確認ください。

さて、そこでピクウィック・クラブではこの『観光』の面白さをもっとたくさんの人に伝えたいと思い、ひとつ作戦をたてました。
それは「皆様の言葉をPOPにしちゃおう作戦」です。

『観光』を読んだ事がある人はもちろん、これから読んでみようと思っている人もピクウィック・クラブの公式Twitter宛につぶやきを下さい!『観光』のおもしろさを伝えるつぶやきなら何でも結構です。
たとえば……

「タイの舞台袖を覗いてみよう。そこではタイの人々が“観光”という舞台の出番に向けてあくせく動いている。観光客には決して見せないタイの人々の日常をそっと覗いてみよう。」

注意するのは一つだけです。それは、「個人情報を載せない」こと。
それだけです。ペンネームは入れて頂いて大歓迎です。
また、#pkankouを付けて下さると助かります。
そして、採用されたつぶやきはピクウィック・クラブが責任を持ってPOPに致します。
POPは『観光』が発売されたら紀伊國屋書店新宿本店にて掲示致します。

さぁ、どしどしつぶやいてください!

http://twitter.com/pickwick_club

2010年05月02日

Life×ワールド文学カップ

先日もご紹介したTBSラジオ番組、
「文化系トークラジオLife」の番外編にて、
ワールド文学カップを取り上げて頂きました!

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閉店後の紀伊國屋書店新宿本店にて収録頂いた音声が、
Lifeのホームページからダウンロード頂けます。

収録当日にお越し頂いたのはLifeファミリーの仲俣暁生さん(フリー編集者・文芸評論家)、速水健朗さん(ライター)、伊藤聡さん(空中キャンプ)、長谷川プロデューサー(黒幕)の他、中島京子さん(小説家)、宮本彩子さん(イラストレーター)、豊崎由美さん(書評家)、Xさん(元・小説家)と豪華すぎる布陣。ピクウィック・クラブからは蜷川と梅崎が参加致しました。

文学の話題で盛り上がる盛り上がる。

音声は以下のページからダウンロード頂けます。
それぞれの推薦書リストもこちらからご確認下さい。

Life×ワールド文学カップ Part1

Life×ワールド文学カップ Part2

ここで推薦されている書籍は全て、
ワールド文学カップ会場でご購入頂けます。
残りの開催期間はあと半月ほど。
皆様のご来店をお待ちしております。

2010年04月23日

円城塔先生がご来店!

紹介が大変遅くなってしまいましたが、
円城塔先生がワールド文学カップにご来店、
サイン本を大量に作って下さいました!

円城先生の作品は二作品が参戦中。
こちらは最新作の『後藤さんのこと』、
「Road to 2014現代日本」にエントリーしています。

文庫化されたばかりの『Self-Reference ENGINE』は
「日本文学代表選抜会」に参戦中!

ワールド文学カップに来て下さるお客様に向けての、
メッセージも頂戴致しました!

隅に描かれた前衛的な絵は、
拡大するとこんな感じ。
円城先生の「想像」が、
我々の感覚では測り得ないことを再確認しました。

さらにさらに。
ワールド文学カップ出場中の作品に絞って、
ベストイレブンを選出して頂きました!

■円城塔のベストイレブン

FW:アドルフォ・ビオイ・カサーレス『モレルの発明』
FW:ミルチャ・エリアーデ『ムントゥリャサ通りで』
FW:フリオ・リャマサーレス『狼たちの月』
MF:リチャード・パワーズ『舞踏会へ向かう三人の農夫』
MF:スティーヴ・エリクソン『黒い時計の旅』
MF:イタロ・カルヴィーノ『冬の夜ひとりの旅人が』
DF:ジャック・ルーボー『麗しのオルタンス』
DF:P・G・ウッドハウス『比類なきジーヴス』
DF:ミハイル・ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』
DF:スタニスワフ・レム『虚数』
GK:イスマイル・カダレ『死者の軍隊の将軍』

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ここに挙がっている作品は、
全てワールド文学カップ会場にて購入頂けます。
数量限定のサイン本をお求めの方は、
是非、これらの作品も合わせてご覧下さい。

円城先生、色々とわがままを聞いて下さり、
どうもありがとうございました。

2010年04月16日

「ディアスポラ文学フェア」開催中!

現在開催真っ最中のワールド文学カップですが、
連動企画として「ディアスポラ文学フェア」が行われています。


その開催場所とはなんと……お向かいのジュンク堂書店新宿店!

今回はTwitter上でも“ライバル書店同士の枠を超えた!”と話題になった
このジュンク堂書店新宿店の「ディアスポラ文学フェア」を
突撃取材してまいりました。

さて、7階で行われているということですが、どこだろう……

あ!ありました!

おおー!

「ディアスポラ」とは《国外離散/母国の外で 母語の外で 世界の〈あいだ〉で書きつづける人たち》のこと(フェアポップより)。国別になっているワールド文学カップではおさまりきらなかった文学の一面を、この「ディアスポラ」というキーワードによって掬い取っています。

中でもいちばんのおすすめは原章二著『二つの言葉の町 モントリオール──カナダ・ケベック文化紀行』(彩流社)だそうです。

フェアではワールド文学カップのブックレットも配布されていました。小出しにしないとすぐになくなってしまうそうで、「ここに来た人は多分ほとんど帰りにワールド文学カップ覗きにいってますよ」(担当者・阪根さん談)。

担当者の阪根正行さんは「ワールド文学カップを見たらとても面白かったので、もっと盛り上げたいと思いました。たくさんの人に見に行って貰いたい」と、独自にこのフェアを企画されたのだそうです。

同じ新宿地区の書店同士がつぶし合うのではなく、
刺激をし合ってこのような企画が生まれたことにほんとうに感激感動しました。
これも文学の力のひとつなのかもしれません。

「ディアスポラ文学フェア」はジュンク堂書店新宿店7階23番フェア棚にて、
4月30日(金)まで開催予定です。みなさまぜひ足をお運び下さい!

2010年04月15日

Lifeで紹介されました!

紀伊國屋書店は今月、
以前から一緒にイベントにやったり、
新宿本店常設棚「文化系書店紀伊國屋Life堂」でお世話になっている
TBSラジオ・月イチ深夜の生放送番組「文化系トークラジオLife」
のスポンサーになりました。

というわけでさっそく、LifeのWEBサイトでは、
3月末の放送後記動画つきでワールド文学カップの告知をして下さっています!!


2010年3月28日「ライブメディアの現在」~放送後記動画


Lifeは鈴木謙介さんをメインパーソナリティとする「文化系」ラジオ番組で、
仲俣暁生さんや佐々木敦さんなど文学に縁の深い方たちも出演する、
ピクウィック・クラブの強力なサポーターです。

Lifeの黒幕・長谷川プロデューサーとは只今、
「一緒に何かやろう!」と企画を練っています。
ピクウィック・クラブとLifeのコラボレーションにご期待下さい。

さあ、まずは今すぐ動画をチェック!

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◎Lifeのホームページへ◎

2010年04月01日

本日よりワールド文学カップ開催!

いよいよこの日がやってまいりました。
本日よりワールド文学カップがスタートします!

前日の3月31日は会場の設営作業。
会場の様子を作業風景とともに少しだけ公開いたします。
設営作業にはたくさんの方々が駆けつけて下さいました。
心より御礼申し上げます。


空っぽの棚。ここが数時間後、本で埋め尽くされます。

よーし、並べるぞー。

カラマーゾフも並べて、並べて……

うん、埋まってきました。

各国の棚には分かりやすいように国旗入りのポップがついています。

あ、忘れちゃいけない、
ピクウィック・クラブ公式Twitterもすぐに見られるように、
バーコードリーダーポスターも貼ってあります!
ボルヘスも後ろから見守り中。

数時間後……

!!

!!!(早川書房の山口さん、ポップ読み中!)

!!!!

ぎっしり!!!!!

世界各国の文学作品が皆様のお手に取られるのを今か今かと待ちわびております。
運命の出会いを期待しつつ、ぜひ会場へとお越し下さい。
文学の祭典、スタートです!

2010年03月26日

ピクウィック作業日誌

フェア開催まであと約一週間となりました。
およそ9,000冊の本たちが今か今かと出陣待機中。


どーん!

店頭に並べるためには、
いろいろとやらなければならないことがあります。
ひとまず、箱から出して出して、分けて分けて……

ばーん!

ずーん!

全作品に解説ポップをつけるために、
シュリンカーという機械で一冊一冊、ビニルに包んでいきます。
まず、ビニル袋に入れて、

じゃ、森茉莉いきまーす。

どきどき……

出た!

こんな感じでどんどん包んでいきます。
ビニル掛けが終わったものには、解説ポップを。

テープで貼って、貼って、貼りまくる!

どんどんいくぞー。

できました。このように、すべての作品に解説ポップがつきます。

フェア開催まであと少し、準備万端でお待ちしております。
どうぞ皆様、おたのしみに!

2010年03月24日

Twitterはじめました

またまた速報!


ピクウィック・クラブの公式Twitterを作成致しました!

こちらでは当ブログの更新情報や、
フェアに関する細かな話題などを掲載していく予定です。
ご期待下さい。

ハッシュタグ「#wbungaku」も併せて作成致しましたので、
4月1日以降に売場へのご意見・ご感想をTwitter上に書いて頂く際には
このタグを付けて頂けると嬉しいです。
皆様の好きな作家や作品を教えて下さい。

さあ、今すぐ公式Twitterへアクセス!

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◎公式Twitterを開く◎

2010年03月23日

Kinocastに紹介されました!

速報!!


新刊JP上のウェブラジオ番組Kinocastにて、
我々のフェア「ワールド文学カップ」が紹介されました!

ナビゲーターの丸本恵子さんと新刊JP編集部の山田さんが、
ピクウィック・クラブの肉声を小出しにしながら
次回フェアについて大いに語って下さっています。

新刊JP編集部の山田さんといえば
ピクウィック・クラブの隠しキャラ、
先日の記事でも取材をさせて頂いた8人目のメンバーです。
大江健三郎とガルシア=マルケスをこよなく愛するお兄さんが、
先日の取材の時と同様に、
今回も大変好意的に我々のことを紹介して下さいました。

ちなみに音声中に出てくる山田さんが担当して下さった書籍、
答えは「ブックレット掲載:第二回」のPDFの中にあります。
興味のある方は探してみて下さい。

さあ、今すぐKinocastへアクセス!

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◎Kinocastを開く◎

2010年03月04日

ピクウィック座談会(後編)

後編のテーマとなるのは残る二つのセクション、
「往年の名選手たち」と「日本文学代表選抜会」。
こちらは「ワールド文学カップ」とは異なり、
文庫本に限定してそれぞれ156冊を選び出したセクションです。
その選書にまつわる秘話の数々を、
ピクウィック・クラブの面々が語ります。


蜷川:あと、我々の使命としては、「往年の名選手たち」と「日本文学代表選抜会」について語らないと。「往年」の方はどうですか?
梅崎:「往年」は良い選手が本当にいっぱいいると思う。
蜷川:こっちの方で回収しないと。
梅崎:まず『ドン・キホーテ』がちゃんと入って良かった。
蜷川:『ドン・キホーテ』が入ったのは嬉しいよね、本当に。『ドン・キホーテ』の入っていないフェアなんて。あ、あと『カラマーゾフの兄弟』も全巻入ったから。
梅崎:ね、良かった。
黒澤:これは意識的に年代をばらけさせたんですか?
蜷川:まさか。
梅崎:偶然? 結構バラバラになってるけど。
黒澤:一年につき一作品くらいの間隔できてるから。
蜷川:それは結果的にそうなっただけです。
梅崎:偶然か。
蜷川:確かに、これで何年の代表選手なんてやっても面白かったかも。最後がカズオ・イシグロっていうのも面白い。『オイディプス王』に始まりカズオ・イシグロに終わる。
梅崎:あれ、マキューアンってワールド文学カップの方のどこかの国に入ってなかったっけ?
蜷川:マキューアンは「芸術と頽廃の国オランダ」に入ってて、「ロマンスの宝庫イングランド」にも入ってます。「往年」にも入ってるから、三つの枠に入ってる。
梅崎:三つ。すごいプレイヤーだなあ。
蜷川:彼はオールマイティですから。SFなんかが回収できたのも良かったですよ。いわゆるジャンル小説がなかなか入りづらい選書だったんで、SF・ミステリーが大活躍してるのが嬉しいです。詩集もそうだし。詩もなかなか難しいからね。
梅崎:詩は本当に難しい。入れるのが。
黒澤:1990年代の選書は往年の名選手っていうより、まだまだこれから新人だ、みたいな人もいますね。
蜷川:確かに。まあ、未だ評価の定まらない未来の古典たち、ということですね。
梅崎:お店に実際に来たとき、ここから選ぶのって大変じゃない? 自分がお客さんの立場になって考えると、「ワールド文学カップ」だと国単位で見ていけるけど、「往年」だと年代では見ないだろうから。圧倒される棚って感じがする。
黒澤:そうですね。何で見るんだろう?
蜷川:156冊が無造作に並んでるとね。
黒澤:年代順で並べるんですか?
蜷川:いや、『ドン・キホーテ』並べるくらいしか考えてないです。そのあたりも工夫が必要かもしれないですね。
梅崎:タイトル買いとかでもいいんじゃない。
蜷川:確かに。タイトル買いして欲しいですね。タイトルで買うとしたらどれ買います? 自分がお客さんだったら。
梅崎:なんだろうな。
蜷川:俺、『夜の果てへの旅』(笑)。
梅崎:あ、最高。すごい良いタイトル。
蜷川:『夜の果てへの旅』。本当に買っちゃいけない本を買いそう。
黒澤:タイトル買いか…。
蜷川:『地球の長い午後』なんかも良いですよね。
梅崎:あ、良いタイトル。
蜷川:あと自分で推したものなのであれですけど『閉じた本』。
梅崎:あ、それも良いタイトル。
黒澤:(注1)もあったけど『塵よりよみがえり』も良いですよ。
梅崎:『燃えるスカートの少女』も良いタイトルだな、と思う。
蜷川:ああ、良いですね。選んでもらえたら嬉しいですね。

蜷川:じゃあ日本文学の話をしましょうか。「日本文学代表選抜会」。
梅崎:まず選んだ基準だよね。156人しか選べないという苦しみ。
蜷川:156人しか選べないという苦しみ(笑)。「日本文学代表選抜会」は梅崎さんが中心となって選書をしたセクションです。
梅崎:苦しかったです、156作品。
蜷川:どういう基準で選んだんですか?
梅崎:外せない人はいるよね、絶対に。
蜷川:例えば? まあいくらでもいますけど。
梅崎:漱石はそうだし、安部公房とか...まあ、明治とかね、昭和初期とか、その辺の時代は外せない人が沢山いるじゃないですか。
蜷川:そうですね。
梅崎:その中でもどの作品を選ぶかっていうのがね。
蜷川:うん、悩みどころ。
梅崎:漱石だったら『夢十夜』が入ってるけど、その辺も迷った。
蜷川:こだわりを感じますよ、本当に。檀一雄も。上下巻だけど入ったっていう唯一の。
梅崎:檀一雄は売りたいからね。どうしても。入れたかった。
蜷川:本当に良いラインナップですよね。泉鏡花から伊藤計劃まで入って。
梅崎:でも最近の人はまだ未知数だから。さっきの「現代日本」もそうだけど。しかしかなり純文学寄りだね、このラインナップは。
蜷川:そうですね。飛浩隆とか今回は入らなかった。
梅崎:私の趣味が反映されてしまったような気がして。
蜷川:いや、いいっすよ。統一感があって、素晴らしいですよ。まあ俺が無駄に推してる江國香織も入ってるし。
梅崎:あ、私この中で好きな項目があって。「少年少女」っていう項目が非常に好きで。
蜷川:はいはいはい。「日本文学」の選書では156作品をさらにジャンルに分けて…。
梅崎:ジャンルというか。
蜷川:ジャンルというか、テーマに分類して展開しています。。
梅崎:うん、まあ何だろ、初めて棚を見た人は、本当に迷うでしょ。これだけいっぱいあったら。だから少しでも指針になるような軽い分け方。この分けるというのがまた非常に大変だったわけだけど。
蜷川:うんうん。
梅崎:というか分けられないね。文学は分けられない。分類できない。
蜷川:文学は分類できない。
梅崎:大変だったけど自分自身で見て「少年少女」アツいな、っていうのと、あと「表現」もアツいなって思った。好みの問題だけど。
黒澤:なんかでも今「156冊しか」って仰ってましたけど、これ見てると、日本だけでもう一回やってみたい感じがしますよね。
梅崎:オール日本。
蜷川:オール日本。650冊全部日本で?
黒澤:そう。
梅崎:すごい。
黒澤:結構面白いのが出来そうな気がしてきます。
蜷川:もっと細かく分けて。膨らまし膨らまし。
黒澤:なんか最初目がぱっと「ワールド文学カップ」の方に行きますけど。ちょっと話が逸れちゃいますが。
梅崎:日本がなんとなく地味に見えるんだよなあ。
蜷川:いやいや、見えない見えない(笑)。普通にど派手。
黒澤:これみんな作品凄い絞ってるじゃないですか、それぞれの作家さんで。だからもっと幅広くやっても面白いかな、っていう気が、これ見てるとしますね。
蜷川:そうですね。ところで、これいいな、って思ったのあります? 俺、俵万智とかすごい読みたくなった。
梅崎:短歌とか俳句とか詩歌系が、あまり文庫になってないから、もっと入れたかったけど入れられなかった。
蜷川:俵万智は本当にポップも良くて。
梅崎:あれ俵万智じゃないからね。
蜷川:え? 『三十一文字のパレット』?
梅崎:書いたのは俵万智だけど、ポップに使ってる短歌は俵万智の短歌じゃないから。
蜷川:ほお! なんすかその隠しネタ(笑)
梅崎:読めばわかるから。
蜷川:そうなんだ、すげえ。そんな話があったんだ。
梅崎:結構有名だと思うけどね。
蜷川:田川さんはどうですか? 日本文学のサポート役として頑張って頂いたんで。
田川:そうですね。この中だと、森見登美彦がよく話題になるんで気になりますね。
蜷川:確かに、ほとんど唯一と言っていい。村上春樹、森見登美彦くらいじゃないですか。最近話題になってる作家って。
田川:この森見登美彦がどう食い込んでくるかなって。
蜷川:面白いですね。でも逆にこれで森見登美彦が飛ぶように売れて他のが売れなかったらフェアとしては失敗ですからね。
田川:うーん。
梅崎:あ、売れそうだな、って思ったのどれ? 売りたいな、とか。私、高橋源一郎の『日本文学盛衰史』。売れればいいな、って思ってる。
蜷川:あー、売れそう、ポップ良かったし。俺、梅崎さんのポップ読んでてすげえ感動したのいっぱいあったんだよな。
梅崎:あと『プクプク』が、あ、間違えた、『クプクプ』がどこまで食い込むか、とか。
蜷川:『プクプク』(笑)
田川:いやあ、これも良いですよ。
梅崎:こうやって見ると「事件」が、推理小説がすっごい少ないね。
蜷川:本当ですね。じゃあちょっとテーマを紹介しましょうか。「食」、「性(セイ、サガ)」、「少年少女」、「事件」、そしてやたらある「幻想」。
梅崎:やたらある。やたらあるね「幻想」。
蜷川:「幻想」多すぎでしょ(笑)。
田川:「青春」「恋愛」「家族」。
梅崎:全部ちょっとずつかぶってるから、例えば「恋愛」と「性」とかテーマとして少しかぶるものもあるし。
蜷川:ただ「恋愛」という言葉を使うのと「性」という言葉を使うのは違うことですよね。
梅崎:最後まで迷ってしまったのは、詩人でした。伊東静雄とか、中原中也とか分けるのが特に難しかった。
蜷川:結構ばらけてましたよね、でも。
梅崎:宮沢賢治が、賢治が難しい。
蜷川:賢治は至るところに入ってましたよね。
梅崎:賢治は「賢治」っていうので作ろうかと思った、最初。
蜷川:中上も入れるんでしょ?(笑)
梅崎:「ケンジ」ってカタカナでね。あと「家族」小説って捉え方にもよるけど、少なく感じた。もっとあるかな、と思ってたけど。
蜷川:『流しのしたの骨』はこっちにあっても良かったかも。
梅崎:うん、そうだね。これの分け方は絶対なわけでは全然なくて、自分の頭の中をお見せしてしまった感じがして恥ずかしいところがあります。
田川:いや、いいですよ。
梅崎:ゼロからのスタートで見て、ちょっと分かれてると見やすいかな、と思ってつけただけなので。
蜷川:でもなかなかこういう風にはできないですからね。分類っていうとまた語弊があるけど。俺、山田詠美良かったと思いますよ。あの作品が入って、まさかのあのポップ。
梅崎:あのポップ、ちょっとやりすぎた。誤解を招きそうな...。
蜷川:やりすぎだよ(笑)。感動しました。
梅崎:黒澤さん、誰いきそうですかね?
黒澤:うーん。テーマではこの、さっき仰ってた「少年少女」から結構いけそうな気がしますね。
蜷川:結局、詩人は何人くらい入ったんでしたっけ? 十冊くらいは入りましたか?
梅崎:十冊くらいあるかも。俳句とか短歌入れたら。
黒澤:前回『あやめ 鰈 ひかがみ』とか結構売れましたからね。
蜷川:あれはやっぱブローティガンと並べてたからかな(注2)
梅崎:ああ、でも今回『あやめ』は飛び込みで最後に蘇ったんです。前回売れたので今回は逆に外してみようかと迷って。
黒澤:そうなんだ。
蜷川:いや、良いですね。文庫だけで縛るっていう、この、かなり限定された選書環境の中で156冊を選ぶ試み。
梅崎:世界文学がその奥に進むとあるわけじゃない、棚として。その入口だからね。
蜷川:ここから飛び立つんですよ。ここを通り抜けないと行けない。156冊本当に読まないと向こうに行けないってなったら、軽く二年くらいないと誰も辿りついてこないけど(笑)。全部読めなくても是非見に来て欲しいですね。

注1:作風の共通などをテーマにした前回フェア「対決! 共鳴し合う作家たち」における「ブラッドベリ vs ヴォネガット」を指す。テーマは「想像」。「もはやSFではない」というラディカルな文句が議論を呼び起こしました。
注2:「対決! 共鳴し合う作家たち」における「松浦寿輝 vs ブローティガン」を指す。テーマは「彼岸」。「季節だったら晩夏、映画ならエンドロール。どこか「際」を思わせる」。




今後はこのホームページを使って、
フェアに取り上げた作家や国の紹介や、
関連情報などを更新していきます。ご期待下さい。

2010年03月01日

ピクウィック座談会(前編)

4月1日開始の第二回フェア、その選書内容公開に先駆けて、
次回フェアについてメンバーで語った座談会を敢行致しました。
今度のフェアは、「ワールド文学カップ」、「往年の名選手たち」、
「日本文学代表選抜会」と大きく三つのセクションに分かれており、
ここでは会場の半分を占める「ワールド文学カップ」を取り上げます。

「ワールド文学カップ」はそれぞれ国ごとにテーマを設け、
それに準じて選書を行ったセクションです。
40冊の「諸外国の文学」を含めて、計53ヵ国が参加しています。
以下はその選書内容に事前に触れて頂くために、
ピクウィック・クラブが好き放題に語った優勝国予想の一部始終です。
(当日、小木曽・榎本は欠席でした)




蜷川:さあ、今日は座談会です。僕が進行役を務めさせて頂きます。まずは本来の担当や好きな作家など、簡単な自己紹介をお願いします。木村君から聞こうか。

木村:まず、担当は看護。看護書担当。好きな作家が、皆さんご存じの通りオコナーでしょ、ラシュディでしょ、で、日本人で中井英夫あたりを入れて。
蜷川:おお、彩りを添えて。じゃあ黒澤さん。
黒澤:黒澤です。好きな作家って…『本の雑誌』の時(注1)に何を挙げたか忘れちゃった。
梅崎:私も。
黒澤:カルヴィーノ、ヴォネガット…。大事な人を忘れてる気がする。
木村:サリンジャーじゃないですか?
黒澤:いやサリンジャーは好きっていうか…。
蜷川:カズオ・イシグロ。
黒澤:あ、カズオ・イシグロ好きかもしれないです。カルヴィーノ、ヴォネガット、カズオ・イシグロ…。あ、ブラッドベリ。
蜷川:多いな(笑)。
黒澤:そんなところです、はい。
蜷川:田川さん。
田川:はい、田川です。文庫売場で文庫担当してます。
蜷川:何の文庫ですか?
田川:東京創元社と徳間、ポプラ、ダ・ヴィンチ文庫、あと講談社現代新書です。で、好きな作家は、そうですね、まあ挙げても面白くないけど村上春樹。
蜷川:「挙げても面白くないけど」(笑)。
田川:村上春樹、中原中也、アントニオ・タブッキです。
蜷川:はい。梅崎先生。
梅崎:はい、私の担当は社会学、それからジェンダー。好きな作家は日本だと庄野潤三、武田百合子、小島信夫とか。ほかにもいっぱいいますけど。あと桐野夏生。新刊はもうゲットしました。
木村:え、新刊出たんですか?
梅崎:はい、『ナニカアル』っていう林芙美子を題材にしたのが出ました。
木村:あとで買いに行きます。
梅崎:ピンク色の表紙です。
木村:マジか。全然知らなかったな。買わなきゃ。
梅崎:あと海外だとウリポですね。クノー。
蜷川:ウリポ(笑)。
梅崎:ウリポが好きです。あと、まあイーユン・リー。イーユン・リーも新刊出ますんで。
木村:クレストですか?
梅崎:いや、違う。河出。
木村:河出!
梅崎:うん。河出から『さすらう者たち』という二作目が出ます。あと歌人と俳人たくさん。
蜷川:なげえ(笑)。
梅崎:以上です。
木村:俺も三人以上挙げた方がいいじゃん…。
蜷川:確かに(笑)。じゃあ僕は、洋書担当。つい先日洋書担当になって、好きな作家はクノー、ケストナー、チェーホフ、バタイユ。
黒澤:ケストナーは必ず入るんですね。
蜷川:ええ。

蜷川:優勝国予想ですよ、そんなことより。木村はどこが優勝すると思う?
木村:ええっと。俺が優勝国に挙げたのが、まず「開催国南アフリカ」
蜷川:南アフリカ!
木村:普通にいくとたぶん「ロマンスの宝庫イングランド」あたりが売れると思うんだけど、ダークホース的な意味で南アフリカ。
蜷川:ダークホース(笑)。いいね。
木村:あと、戦力が揃ってるのがイスラエル。「葛藤せめぎ合うイスラエル」
蜷川:戦力が揃ってる(笑)。
木村:ここは戦力が充実してる。で、戦力ダウンしたのがブックレットにも書いたとおりインドだから、「文明の衝突するインド」には頑張ってほしいね。
蜷川:うん。南アフリカは良いよね。南アフリカは本当に、木村が一人で頑張ったからかなり面白くなった。黒澤さんの優勝予想は?
黒澤:私はフランスですね。
梅崎:どのフランス?
黒澤:エロですね。
木村:「エロスの大国フランス」か(笑)。
黒澤:マンディアルグとモリオンの『閉ざされた城の中で語る英吉利人』が…。
木村:マンディアルグじゃん(笑)。
蜷川:どっちもマンディアルグです(笑)。
梅崎:なんだかんだみんなエロスが好きだからね。
黒澤:彼らがすごく得点を稼ぐと思うんですよ。
蜷川:確かに。ストライカーですからね。
黒澤:意外にこの辺が、なんだかんだいつの間にか売れてるみたいな感じで、どんどん行くんじゃないかと。あと対抗として、ドイツも結構良いと思いますよ。
蜷川:どのドイツですか?
黒澤:子ども。
蜷川:「子ども心の国ドイツ」。やっぱり。
黒澤:ここは年齢層も幅広いですよね。で、やっぱストライカーというか、もうフェアでやると毎回必ず売れるものが揃ってるので。
蜷川:エンデにケストナー。
黒澤:本当に、いかにも優勝予想なんですけれど。好き嫌い排して、もう「あ、ここはいくんじゃないか」と。
蜷川:じゃあ、一番売れて欲しいところはどこですか?
木村:ああ、「売れて欲しい」。それいいね。
黒澤:売れて欲しいところは、自分的には、どこだろう、カルヴィーノ。「カルヴィーノ万歳イタリア」がすごく売れたよ、ってなったら面白いですよね。あとインドも面白いんですけど、まあカルヴィーノですかね。うん、そんなところです。
蜷川:木村は? 南アフリカとイスラエルとインドはもう出てるよ。
木村:そうだね。それ以外で売れて欲しいのは、あれかな、うん、ナイジェリアだね。
田川:ナイジェリア(笑)
蜷川:お前、頭悪いんじゃないか(笑)
木村:「ザ・ルーツ ナイジェリア」は、これね、ンゴズィ・アディーチェ。これ売れて欲しいんだよ。ナイジェリアとかアルジェリアとか、なんかこう、マイナー国とか結構売れて欲しいよね。
蜷川:うん、確かに。そうだね。「欧阿の狭間でアルジェリア」とか、ね。頑張って欲しいよね。よし、じゃあ田川さんの優勝予想を聞きましょう。
田川:優勝予想。優勝予想は、うーん。なんか、気になる国で、中国。
木村:「酒と妖怪の国中国」
田川:全然未知数な感じが。今回のフェアでは漢詩とかではなく、現代文学を入れたから。
蜷川:うん、何冊か入りましたね。
田川:それが、どう食い込んでくるのかな、と。
蜷川:ダイ・シージエとイーユン・リーが。
梅崎:イーユン・リー頑張るよ。
蜷川:梅崎さん、イーユン・リー推すね(笑)。確かに中国は未知数だよね。飛ぶように売れるかもしれない。
田川:眠れる獅子。
梅崎:結構地味に見えるけどね。
蜷川:起こしてみたら猫だった、っていう風にならないように(笑)。
田川:他は南米。気になりますね。
木村:「驚異の2トップキューバ」は最強だよ。
蜷川:アルゼンチンの豊潤さにも、結構驚くものがある。
木村:アルゼンチンは二つあるじゃん。「フーリガンだらけアルゼンチン」
蜷川:そうそうそう。「バベルの図書館アルゼンチン」を除いてもこれだけアルゼンチンが揃ってる。
黒澤:こうやってみるとアルゼンチンって本当になんでこんなにあったんだろうって、びっくりしますね。
木村:あと「窒息する土地アメリカ南部」の3トップ、プラス、司令塔のフォレスト・カーター。
黒澤:司令塔弱くないですか(笑)
木村:これね、よく見たらすごいよ、これ。
蜷川:田川さんは他にはない?
田川:うーん、イラン。
蜷川:「郷愁を誘うイラン」。確かに、この辺は世界が広がる感じの、木村が頑張ったところだよね。木村すげえよ。引くよ、普通に。執拗なまでにイランを追い求めた男(笑)。
木村:サーデグ・ヘダーヤトとかね。
蜷川:じゃあそろそろ梅崎さん。
梅崎:はい。優勝はまあ、わかんないけど「魔法の右足コロンビア」なのではないかと。
蜷川:コロンビア!
木村:へえ。
梅崎:なぜなら、彼がいるから。
蜷川:「彼がいるから」。いいですね、天才ですね(笑)。
梅崎:注目してるってほうが多いかな。イスラエルとか、木村君が開拓したところに足を踏み入れてみたんだけど、結構これ読むのきつかった。「世界!」って感じがした。かなり。
蜷川:広がりますよね。
梅崎:イギリスとかフランスはこう、結構身近な感じがあるけど、アフリカとか、そういうのはまだ自分の中で身近な感じが生まれてないから。面白かった。
蜷川:このかけ離れた感じってすごいよね。振り切ってる。
梅崎:でも本当に全然違うんだなというか、自分を受け入れてもらえない感すらちょっとあったので。
蜷川:「自爆」って言葉が日常用語になってるとかね。
梅崎:あとウクライナですね。「すべりまくりウクライナ」。なぜなら、彼がいるから。
蜷川:「彼がいるから」(笑)。当然ブルガーコフでしょ?
梅崎:あとはゴーゴリ。「すべりまくり」、これ気になる。だってこれ褒めてる感じがしないよ。ここだけなんか変っていうか、「細く長くチリ」も変だけど。「すべりまくり」はちょっと質感が違うタイトルが付けられてる感じがしたので。
蜷川:確かに(笑)。
梅崎:ま、あと現代日本ですね。
蜷川:ああ、そうだね。梅崎さんにはそこを推してもらわないと。
木村:これは世界と戦えるラインナップなの? この「Road to 2014現代日本」は。
梅崎:どうなんだろうね。でもこの円城塔、『美術手帖』って雑誌あるでしょ? あそこの次号予告見たら「小説:円城塔」って書いてあって、なんで『美術手帖』に書くの? ってなんか不思議で。謎なんだよね、私の中で。この辺気になります。青木淳悟はなんかこう、誰だっけ、あの人。ああ、こんな時に名前をど忘れしたよ。ええと日本代表(注2)にも入ってるんだけど、あの人。『小説の自由』とか書いてる彼です。
蜷川:ああ、ええと、保坂和志。
梅崎:保坂和志! 保坂和志感。
蜷川:日常を書いてるってこと?
梅崎:うん、なんかこう、そういう感じがした。不思議な感じ。うん、現代日本、気になりますね。
木村:蜷川君は?
蜷川:俺ね、自分でやったもので強く推したいのが「悪女の巣窟フランス」
木村:これ、いいよね。
蜷川:これ、すごいぞ。自分で言うのもなんだけど、このラインナップとこの統一感。スタンダールとかフロベールは分厚いから売れないかもしれないけど、ピエール・ルイスとかに手が伸びたら、俺の勝ちだよね。あとは、「反逆の国アメリカ」
木村:ああ。
蜷川:挙げたラインナップが木村と全部被ったっていうのが。
木村:そうだね。
梅崎:そんなに。揺るぎないんだね。
蜷川:揺るぎない統一感。これ以上はない。いや、ダイベック入ったのが嬉しいよね。あと木村も挙げてた南アフリカ。これには僕もかなり興奮してまして。
木村:興奮してますか(笑)。
蜷川:いや、ノーベル文学賞作家がいるからね。ま、それを言ったらポルトガルもそうだけど。
木村:いや、それを言ったらアメリカ南部、二人いるからね。あ、待って。南アフリカも二人だ。
蜷川:え、彼そうなの?
木村:彼女と彼がそうなの。
蜷川:彼女? 女の人なのこいつ?
木村:そうだよ。素敵な貴婦人って感じの人。
蜷川:素敵な貴婦人って感じの人? マジ?
木村:こういう小説書かなさそうな人。
蜷川:そうなんだ。てか、みすず書房から出てる小説なんてなかなか手に取らないよね。
梅崎:うん、評論のイメージが強いから。
木村:評論とかの、そういうイメージが強い人かもしれない。
蜷川:あとね、「言語の国ハンガリー」が、かなり。アゴタ・クリストフがちょっと多すぎるのはあるんだけど、それ以外の三人がね、すごいぞ。英傑揃い。
梅崎:『エペペ』ってタイトルが良いね。
蜷川:エベベ、エペペ、エテテテテ(笑)。それと最後に、アイルランド。サミュエル・ベケットが入らなかったのが本当に心残りだけど、「短篇小説ランドアイルランド」を推したのは大正解だったと思う。このラインナップはかなり良いよ。
梅崎:結構散らばったね。
蜷川:散らばりましたね。
梅崎:私、一人とかしか出場してない国が気になって。優勝とか関係ないんだけど。全然世界を知らないものとしては、なんとかドバゴ。
蜷川:トリニダード・トバゴ。アール・ラヴレイスは最強ですよ。あいつは。
梅崎:一人しかいない国、頑張って欲しい。
木村:セネガル、コンゴ、モロッコ、エジプト、沢山ある。
梅崎:エジプトって! って感じはあるよね。
木村:エルサルバドル。
蜷川:エルサルバドル(笑)。あとグアテマラね。忘れちゃいけない。
梅崎:当たり前なことのはずなのに、こう、そこで小説が書かれてるってことを忘れていた感じがある。
蜷川:うん、確かに。ベトナムとかも入ったし。
木村:ベトナムね。
蜷川:良かったよ。ニュージーランドとかも。
木村:ニュージーランドは良い小説だった。

蜷川:こんなにあるんだね。
梅崎:何人か挙げたのってやっぱり南アフリカ?
蜷川:南アフリカ。良いよ、これ。クッツェーの評価っていうのは、もっと上げないといけないからね。
木村:上げないといけない(笑)
蜷川:いま必要なものはクッツェーだ。
黒澤:使命を帯びている(笑)。
木村:じゃあ私はこの辺で抜けるので。盛り上がって下さい。

(木村、私用に付き退席)

田川:日本は島国だから違うけど、ヨーロッパは国と国とが隣接しているのに、偶然こうなったのか必然的にこうなったのか、こんなにも国毎にヴァリエーションが出るのが面白いですよね。
黒澤:元々その国に対して持ってたイメージとは全然違う傾向になるときがありますよ。アイルランドって自分の中では結構ポップなんですけど、これだと暗い感じが(笑)。
蜷川:まあね、ジョイスとマクガハンが入ってる時点でおしまいですよ(笑)。
黒澤:「あれ?」っていう感じがあるんで。
蜷川:いや、ベケット入れたらもっとひどいことになってましたよ(笑)。
黒澤:一番行ってみたい国がアイルランドなんですけど、なんか行きたくなくなってきた(笑)。
梅崎:みんな読んでるときって「この作家はここの国の人だ」って意識してるの?
蜷川:全然してない。全くしてない。
梅崎:分類したときに「この人この国の人なんだ」っていうのがすごく沢山あった。
蜷川:そう。調べ直して愕然として(笑)。外さなきゃいけない作家が出たりして。
黒澤:フランスだけフランスっぽいなって気がしますね。国を意識することで今までにない感じが出ましたね。
蜷川:なかなかこういう風に並べられることってないですからね。やっぱイングランド、フランス、ドイツ、ロシア、アメリカ、以外の国に目を向けてみて欲しいですよね。

注1:ピクウィック・クラブは本の雑誌社発行の『本の雑誌』2009年9月号に「偏愛作家ベスト209 めくるめく文学談義」と題した座談会を寄稿している。
注2:後編にて語られる「日本文学代表選抜会」を指す。




後編へつづく…

2010年02月18日

ワールド文学カップ開催の辞

世界文学。この言葉に秘められている奇跡めいた響きにお気付きでしょうか。例えば世界が一つの大陸であったなら、例えば人々が皆同じ言葉を話していたなら、例えば人々の肌の色が皆同じであったなら、例えば人類が文字を扱うことを知らなかったなら、文学というものがこんなにも広がりを持ち、多彩になることが果たして可能であったでしょうか。

世界文学。この言葉の包含する奇跡は、人々の笑顔、涙、怒号、その他書き表せないほど様々な感情が、同じくらい様々な言語のかたちをとって迸ることで生まれたものです。国も時代も異なるのに違う言葉で同じことを書いている作家たちもいれば、誰も想像したことのなかった物語を世界に突きつけた作家もいます。これほどまでに多くの声が、これほどまでに多くの地域から上がる。そう、世界は一つになれなかった。だからこそ、世界はその胸の内に、決して画一化されることのない無限の芸術を抱くこととなったのです。

そして今、世界のあらゆる場所で産声を挙げたこれらの文学が一堂に集結致します。地図を眺めているだけでは決して知ることのできないものを、ここで必ずや見つけることが出来るでしょう。採りあげる650点の文学作品全点に、担当者それぞれが精読した上での推薦コメントをご用意致しました。あなたがこれまで知らなかった世界の一面も、きっとそこにあるはず。

さあ、いよいよ世界53ヵ国の代表たちによる、文学の祭典の始まりです。


会期:2010年4月1日~5月17日
企画:紀伊國屋書店ピクウィック・クラブ


Coming soon…