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2010年07月20日

『人を助けて仕事を創る』山本繁(ティー・オーエンタテインメント)

人を助けて仕事を創る →bookwebで購入

「使える社会起業の指南書」

 NPO法人NEWVERY代表、山本繁さんの著作第二弾。いまもっとも注目すべき社会起業家の一人である。その彼が多忙な業務の合間をぬって書き上げた。
 若い起業家は、経験主義になりがちであり、自分の体験イコール成功パターン、と理解してしまうものだ。山本はその真逆の人間だ。きわめてロジカルに、本書を書き上げている。社会起業の理論、他業者のノウハウ、世界の潮流、自分たちの失敗経験をクールに分析してまとめている。前の著作は、社会起業家デビュー前夜の青春期であるとしたら、今回の著作は、若き社会起業家の実践書である。しかも、かなり使える実践書になっている。まだ30歳を過ぎたばかりなのに、使える社会起業指南書が書ける。これはすごいことだ。

 営利企業の生存率は起業後3年で4割未満、10年で1割未満。社会起業(ソーシャルビジネス)では、もっと厳しい数字になるだろう。
 もともと市場化に向かない、営利を生み出すことがきわめて困難なターゲットにむけてビジネスを仕掛けていくのが社会起業。その目的は社会問題の解決である。問題解決のためには、持続可能であることが必須。そのためのには利益を生みだす商品を提供していくことになる。営利企業よりも大胆で精密な事業計画と情熱が必要とされる。本書には、そのための必要な知恵がみっちり詰まっている。
 見開き2ページ。左ページに文章、右ページに概念図。自分が必要とする知識だけをさくっと読むことができるつくりになっている。丁寧な本作りだ。

 社会起業に興味をもっている若者には必読書である。本書を読むことで、無用な失敗と遠回りを避けることが可能だ。
 それから、民間の営利企業を経営している社長、勤務している社員にとっても、使える書籍である。この不況の時代、営利企業であるだけでは生存ができない経済環境になってきた。プラスアルファの価値を創出する企業人に生まれ変わりたい、という人にとっても参考となるヒントが見つかるはずだ。


山本繁さんのブログ
http://blog.kotolier.org/
ツイッター
http://twitter.com/YamamotoShigeru



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