2012年01月20日

第1位『舟を編む』三浦しをん

第1位『舟を編む』三浦しをん →bookwebで購入

(光文社/1,575円)

熱い。とにかく熱い!! 舞台は出版社、出てくるのはいい大人ばかり。けれどもこの作品は青春小説と言って良いのではないでしょうか。すごいアクションがあるわけでも激しい言葉のやりとりがあるわけでもない。だけども熱量過多。例えるなら、青い炎の様な。そう、熱い魂がビシビシ伝わってくる作品なんです。『だれかの情熱に、情熱で応えること』 自分もそんな風に生きてみよう。力強く前向きな気持ちをくれる、三浦しをん先生の最高傑作です!

〔新宿本店・梅田武典〕


読みはじめて数ページで夢中になり、一気に読みきってしまいました。1冊の辞書をつくりあげる。その編集部に関わる魅力的な登場人物達の葛藤や熱意、言葉を紡ぐようにつながっていく人間模様に、じんわり心があたたまります。言葉という生きた広い海、そこから言葉を掬いあげて辞書という舟をつくりあげていく。地味なようで壮大なこのお話を読み終わった時には、きっと日本語がもっと好きになっていると思います。読んで良かった。自信を持って言える素敵な1冊です。

〔千歳店・愛澤典子〕


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三浦しをんさん特別寄稿
『辞書は「言葉」という希望を乗せた舟 』

 キノベス!2012 第1位『舟を編む』


「いままで生きてきたなかで、『第1位』という事態を経験したことあったっけな」と考えてみたのですが、該当する記憶がまったくありませんでした。脳内の空白地帯を埋めてやろうというシナプスの粋なはからいなのか、徒競走で万年ビリだった映像がよぎりだす始末。これが噂に聞く走馬灯? だとしても、その記憶は再生してくれなくていいから。はじめての事態に直面し、緊張と動転のためか現在腹具合が悪いです。

『舟を編む』は、辞書を作ろうと奮闘する人々の物語です。読者と本との仲を取りもつ最前線にいらっしゃる書店員のかたが、辞書と言葉にまつわる『舟を編む』を「オススメしたい」と思ってくださったこと、とても光栄でうれしく、我が腹なぞいくらでもピーピー言うがよい、という心境です。本当にどうもありがとうございます。

 作中では話がややこしくなるので、電子辞書については触れませんでした。しかし実際は、電子辞書の中身も、紙の辞書があるからこそ成り立っています。だらだらと単語を費やしてもいいのなら、言葉の意味を説明するのは比較的容易です。けれど、できるだけたくさんの言葉の意味を、いかに簡潔に、正確に、紙という有限のスペースのなかに凝縮させていくか。そこに辞書づくりの技と苦悩と楽しさがあり、辞書の魅力もそこから生まれているのではないかと思います。

 紙の辞書はもちろんのこと、それをもとにした電子辞書にも、「辞書」という書物の魅力、個性は息づいています。

 もし本書をお読みになって、辞書への興味を抱いてくださるかた、言葉の持つ力に思いを馳せてくださるかたがいらしたとしたら、これ以上の喜びはありません。


三浦しをん(みうら・しをん)
1976年生まれ、東京都出身。2000年、『格闘する者に○』でデビュー。2006年、『まほろ駅前多田便利軒』で第135回直木賞受賞。小説作品に『風が強く吹いている』『神去なあなあ日常』『まほろ駅前番外地』『天国旅行』『木暮荘物語』『舟を編む』などがある。エッセイ作品に『あやつられ文楽鑑賞』『ふむふむ おしえて、お仕事!』ほか多数。最新刊はエッセイ『黄金の丘で君と転げまわりたいのだ―—進め マイワイン道!』(岡元麻理恵さんとの共著)。


第2位『コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる』山崎亮

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(学芸出版社/1,890円)

読み終わった後、希望で胸が熱くなった。人のつながりって、素晴らしい。人がつながり協力し合えば、困難な状況も必ず好転させることができるんだ。コミュニティの力を確信する著者の活動の記録には、社会の課題を解決するためのヒントがたくさんつまっている。震災後の今こそ、必読の本だと思う。

〔大阪営業部・中川志穂〕


これからの日本社会の在り方、私たちの生き方を体現しているような人、山﨑亮氏。3・11東日本大震災が起こり私たちは改めて考えさせられた。人と人とのつながりが持つ力を!! コミュニティが街を社会をつくる。この力を信じたい。今こそ多くの人に読んでほしい一冊。

〔本町店・高澤敦子〕


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山崎亮さん特別寄稿

 キノベス!2012 第2位『コミュニティデザイン』

設計事務所に勤務しているときも、独立して仕事を始めてからも、最寄りの書店は紀伊國屋書店(梅田本店)でした。本が必要になればいつも駆け込んでいた書店です。このたび、愛着ある紀伊國屋書店の「キノベス!」に『コミュニティデザイン』が選ばれたとの知らせを受けました。とても嬉しいことです。紀伊國屋書店に通い続ける私を店員のみなさんが見ていて、「そろそろ選んでやろうぜ」という話になったのかもしれません。この受賞を期にコミュニティデザインという考え方がさらに広がり、つながりが求められる時代において各地で新たな取り組みが生まれることを願っています。次の本がまた「キノベス!」に選ばれるよう、これからも紀伊國屋書店に通い続けようと思います。このたびはどうもありがとうございました。


山崎亮(やまざき・りょう)
1973年愛知県生まれ。studio‐L代表、京都造形芸術大学教授。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、建築やランドスケープのデザインなどに関するプロジェクトが多い。「海士町総合振興計画」「マルヤガーデンズ」「震災+design」でグッドデザイン賞、「こどものシアワセをカタチにする」でキッズデザイン賞、「ホヅプロ工房」でSDレビュー、「いえしまプロジェクト」でオーライ!ニッポン大賞審査委員会長賞を受賞。


第3位『アライバル』ショーン・タン

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(河出書房新社/2,625円)

なんの先入観もなく、まず手に取ってページを捲ってほしい絵本。これほどまでにイマジネーションを掻き立てられる「本」に出会ったのは多分初めてだと思う。絵の素晴らしさはもちろん、文章が無い、新しいタイプの本。あえて絵本ではなく「小説」と言わせてもらいたい本。どんなに想像力の乏しい人でも思わずストーリーが頭の中に浮かんでくるはず。現実とかけ離れた空想世界の下地がありつつも、トーンの淡い人間味あふれる画風のおかげで、押しつけがましくならない不思議な世界が繰り広げられます。一度読み終えても、何度も繰り返し「見て」その都度違った「話」を楽しめそう。

〔札幌本店・池田朋子〕


旅立つ父。見送る家族。上空にしのび寄る不気味な影…。この本を最初に手にしたのは、3月11日からまだ数日後。まさに目の前で起きようとしている現実が描かれている!?と、震えが止まらなかった。住み慣れた地を離れる不安と孤独。そして新しい出逢い。言葉のない絵本。だのに、深く静かに大人の心をしめつける。主人公同様、今なお困難な状況におられる方々が、一日も早く笑顔を取り戻されんことを願ってやまない。

〔クレド岡山店・小倉みゆき〕


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第4位『困ってるひと』大野更紗

第4位『困ってるひと』大野更紗 →bookwebで購入

(ポプラ社/1,470円)

『困ってるひと』は、難病にあっても好奇心を失くさない「知りたがるひと」で、すぐに「行動するひと」でもある。やがて弊害にぶちあたった時には、はっきりおかしいといえる「疑問を持つひと」であり、八方塞がりの状況でも自分らしく生きたいと「闘ってるひと」なのである。知性とユーモアに満ちた文章がずば抜けている。笑って読めるのに、流せない。生きることはこんなにも大変だけど、それだけの価値があるものなのかも。

〔新宿本店・今井麻夕美〕


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第5位『犯罪』フェルディナント・フォン・シーラッハ

第5位『犯罪』フェルディナント・フォン・シーラッハ →bookwebで購入

(東京創元社/1,890円)

犯罪があるところには当然犯罪者があるわけで、つまりは犯罪を書くことは人を書くことであり、そしてここに書かれる人々はなんとも魅惑的。「『犯罪』って、いいね」なんて会話にすると誤解を生みそうなタイトルだけと、ぜひ会話にしたい作品。

〔ゆめタウン徳島店・朝加昌良〕


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第6位『人質の朗読会』小川洋子

第6位『人質の朗読会』小川洋子 →bookwebで購入

(中央公論新社/1,470円)

昨年2月に刊行された小説だが、震災後の心にそっと寄り添ってくれる一冊だった。遠く地球の裏側で囚われた人々が、それぞれの記憶を語る。ささやかだけれど確固とした、時に美しい営みの証を。どんな人の内側にも物語は隠れていて、人質たちにとっても、命を諦めず生を繋ぎとめる縁となったはずだ。小川さんは、そんな各々が持つ小さな物語の力を知っている。だから例えようもない大きな出来事のあとでも、この小説はびくともしない。そのままの価値できらめいている。そして囁く。日々紡ぐ物語は私達の宝だ。祈りだ。ここにいること、そのものである、と。

〔新宿本店・今井麻夕美〕


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第7位『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』ジュノ・ディアズ

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(新潮社/2,520円)

オスカー・ワオは、そしてその家族たちは、どんなに困難な状況でも、己と周囲を傷だらけにしながら、愛を願い求める。これは遠い国、少し昔の時代の物語だけれど、彼らとぼくらにそう大きな違いはない。ドミニカ史やオタク文化といったことがらに怯むことなく、本のなかからあふれてくる魂の叫びに触れてほしい。きっとあなたは打ちのめされる。

〔北海道営業部・原元太〕


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第8位『中国化する日本』與那覇潤

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(文藝春秋/1,575円)

32歳の気鋭の日本近代史家によるまったく新しい日本通史。「源平合戦は中国化勢力と反中国化勢力の争いだった」「戦国時代最大の闘いは関が原の闘いではなく石山戦争(織田信長VS本願寺)である」「じつは日本人は明治維新が嫌い」とか、とにかく抜群に面白い。ボクは第4章以降、目から落ちたウロコの数をかぞえるのを止めました。

〔梅田本店・浅山太一〕


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第9位『計画と無計画のあいだ―「自由が丘のほがらかな出版社」の話』三島邦弘

第9位『計画と無計画のあいだ―「自由が丘のほがらかな出版社」の話』三島邦弘 →bookwebで購入

(河出書房新社/1,575円)

一冊一冊の本へのあたたかい思いが溢れていて、話を伺っているこちらもグッと胸がアツくなり、いつもお互いに感極まってしまう、それが社長・三島さんをはじめとするミシマ社の人たちと、そんな人たちから発信される「本」たち。そう、そう、そうなんです! 私たちこんなに「本」がすきなんです。そう思わせてくれるまっすぐな一冊です。

〔本町店・高澤敦子〕


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第10位『笑い三年、泣き三月。』木内昇

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(文藝春秋/1,680円)

数多くの傑作があった昨年。でも「2011年」という年に出会えてよかったと思えたのは、この小説でした。戦後の浅草、見世物小屋「ミリオン座」に集う、命のほかはすべてを失くした5人。生き残ったことに罪悪感を抱える少年、笑い第一の芸人、生を謳歌する踊り子・・・彼らの体臭や饐えた空気、埃っぽい街の雰囲気が立ち上ってくるかのように、木内さんの筆は混乱の時代を鮮やかに描き出します。あまりにも素晴らしい作品で、だからこそPOP作りに悩みました。でも、この本に美辞麗句は必要ない、胸に残るいくつかの台詞を書けばいいだけと気付きました。「人間、笑いたいときに笑えて、泣きたいときに泣けたら、だあれも映画や実演なんか観ようと思わないのよ」。哀しみを飲み込んだ人間の言葉はなんと力強いことか。失って打ちのめされて、前を向いた瞬間に挫折して、それでもなんとかなるさと生きていた彼らが、いまも世界のどこかに暮らしていてほしいと願わずにはいられません。

〔新宿本店・今井麻夕美〕


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第11位『一般意志2.0―ルソー、フロイト、グーグル』東浩紀

第11位『一般意志2.0―ルソー、フロイト、グーグル』東浩紀 →bookwebで購入

(講談社/1,890円)

いまさら「がんばろう」と声をあげずとも、日本はずっとがんばってきた。理想の政治と国をめざして。なのにうまくゆかなくてみなが疲れきっている。この本はそんな日本のための、諦めと冷静さに支えられた処方箋だ。もし日本の将来を選ぶことができるのなら、ぼくはこの本で描かれた未来を生きたい。

〔北海道営業部・原元太〕


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第12位『ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち』三上延

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(アスキー・メディアワークス/619円)

子供の時、初めて読んだ小説は、知らない言葉であふれていた。その言葉を辞書で調べて、意味を小説にメモして、ようやく読み切った。もしも大人になってそのなつかしい小説のなつかしいメモを見つけた時、あなたはどんな感情を、記憶を呼び起こすだろうか? ビブリアは、そんな小説である。

〔新宿本店・岡田充広〕


古書ものにハズレなし。読書を愛する親父たちへ。手に取りづらい気持ちはわかる。だが、表紙の絵に敬遠するなかれ。メディアワークスという名前を毛嫌いするなかれ。著者紹介のデビュー作タイトルは無視してくれ。

〔前橋店・橋本耕一郎〕


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第13位『すべて真夜中の恋人たち』川上未映子

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(講談社/1,680円)

世間から見向きもされない透明な存在だった冬子は、自分が孤独であることを引き受けることによって、確固たる一個人の尊厳を手に入れた。たとえ暗闇の中にも光はある。それは、孤独な自分に気づくことでようやく見つけられるのだ。その光に、なま温かい温度や癒しはないけれど、その粒子は確実に未来を照らす。こんなどこか素っ気ないかもしれないメッセージに私はどうしても感動してしまう。昨年、多くの人が孤独をひしひしと恐れ、また孤独にならざるを得なかった中、半端な癒しなどどうにもならないことを痛感した私たちにとって、これほど明解で勇気づけられるメッセージはあるだろうか。

〔大学第二営業部・香川増美〕


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第14位『暇と退屈の倫理学』國分功一郎

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(朝日出版社/1,890円)

「人生は死ぬまでの暇つぶし」という言葉があるけれど、そもそも“暇と退屈”がなければ読書の時間だってありえない。あまりにありふれているのに誰もが逃れられない“暇と退屈”論。でも読みすすめるとタイトルには似つかわしくない熱が迸っていることに気づく。まったく退屈しないから暇じゃなくても読んでほしい! 明日からの“暇と退屈”が、つまり人生が変わります。

〔販売促進部・須賀喬巳〕


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第15位『これはペンです』円城塔

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(新潮社/1,470円)

叔父は文字だ文字通り。叔父から届く手紙、それは文章自動生成装置で書かれていたり、DNAや磁石なんかで書かれていたりで、これを読み解こうとする姪は中華鍋を焦がす程炒めてみたり、公安部から呼び出しを喰らったりといちいち大変だ! 叔父とは?文字とは?書くこととは? 頭の中に???をたくさん浮かべながら読んだこの作品。二つの物語が一つにつながる瞬間が、とても心地良いのである。

〔本町店・桝谷佳代〕


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第16位『私のいない高校』青木淳悟

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(講談社/1,680円)

わからない。小説なのかわからない。誰が語っているのかわからない。色々わからない。でも、わからないことが楽しい。なにより、こんな小説が生まれてしまったことが楽しい。―――青木さんは、日本文学界における突然変異型の特殊小説家、だと思いました。この本を読んで、小説の概念がぶっ壊れました。そして、日本語で書いてあるのになんだか掴みきれない感じが日本文学というより外国文学のような距離感で、ほんとうに不思議な小説です。

〔新宿本店・今井麻夕美〕


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第17位『ソーラー』イアン・マキューアン

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(新潮社/2,415円)

世の中に氾濫している能天気な「エコ」という文字が全部「エゴ」と書かれているように見えてきた。地球温暖化問題をめぐる様々な取組みは人類の叡智の結集!…ではなくて、まさかまさかの総勢70億人による茶番劇だったのか?! 読者はただ、笑いながらたじろぐしかない…

〔店売推進本部・藤崎久美子〕


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第18位『和子の部屋―小説家のための人生相談』阿部和重

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(朝日新聞出版/1,785円)

ワタクシ事ですが、インターネットでよく見かける「いいね!」というボタンがどうしても押せません。なぜなら「いいねえ…」と思ったり、「いいわあ!」と感じていたりするからです。何が違うのかって? いや、違うんです全然違うんです絶対違うんです…このような微妙なニュアンスにさえ躓いてしまう「ことばの病」にかかっている方、必読です。今までこんな本、なかった!

〔新宿本店・梅﨑実奈〕


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第19位『ミステリウム』エリック・マコーマック

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(国書刊行会/2,520円)

ミステリ好きだったら、一度マコーマックを読んで頭の中のミステリの概念をひっくり返されたらいいと思います。いや、ホンマに。きれいに解けた謎をもう一回きれいにひっくり返す、人を小バカにしたマコーマック・マジック!! 読み終わった後、ニヤリとするか本を叩きつけるか。

〔泉北店・川村学〕


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第20位『円卓』西加奈子

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(文藝春秋/1,299円)

西さんを育んできた愛情、西さんが育んできた愛情。そういうものが全部詰め込まれたこの作品には、夕餉のお味噌汁のような安心感がある。「3月11日」という日があって、誰もが一番に探し求めたもの、一番に見つけたかったものは、この「円卓」のような“日常”だったに違いない。

〔新宿南店・竹田勇生〕


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第21位『たとへば君―四十年の恋歌』河野裕子・永田和宏

第21位『たとへば君―四十年の恋歌』河野裕子・永田和宏 →bookwebで購入

(文藝春秋/1,470円)

たった31文字が伝えようとする思いはあまりにも深い。彼女は絶筆となった歌にどれほどの想いをこめたのか。呼吸するように、けれど己を見つめてみつめて紡がれるがゆえに、歌が私たちの心をとらえるのは当たり前なのかもしれない。歌に愛され、家族に愛されたひとりの歌人の人生が、それを証明してくれる。

〔本町店・酒井和美〕


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第22位『未来ちゃん』川島小鳥

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(ナナロク社/2,100円)

未来ちゃん、ブルータスの表紙をひと目見た瞬間からメロメロです。キュートなだけじゃなく、大人をドキッとさせるその瞳はズルイ。未来に期待いっぱいの未来ちゃんに連られて自分の未来も明るくなりそうな予感…。

〔本町店・塚本美恵〕


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第23位『ワーカーズ・ダイジェスト』津村記久子

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(集英社/1,260円)

理不尽な仕打ちにじっと耐え、腑に落ちない命令にも黙々と従い、合わない同僚とも極力波風立てずに。しんどいけれど、働くってそういうこと。おしごと男女あるある満載。みんな頑張ってんだよな、と思えば、明日もどうにかやりすごせそうだ。

〔松戸伊勢丹店・小嶋早英子〕


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第24位『大人の流儀』伊集院静

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(講談社/979円)

一般的な常識マニュアルにあらず、大人の男の本音が烈しく突き刺さる。「大人の流儀」、いや、伊集院静の流儀がここにある。大胆かつ潔い人生哲学。スポーツ、酒、ギャンブル… 「遊びだからこそ、いい加減にしない!」「空気を読むな、流れを読め!」などなど、心にしみる言葉が満載。一番のメインとも言うべき、最終章「愛する人との別れ~妻、夏目雅子と暮らした日々」 初めて語られた、出会いから別れまでのエピソード。たった14ページとは見えない、充実感がある。

〔札幌本店・大高和枝〕


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第25位『紙の民』サルバドール・プラセンシア

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(白水社/3,570円)

「土星が俺たちを監視してる」「土星と戦争する」 何だそれ! 突っ込んだ時にはもう負けてます。引き込まれてます。SFなのか、SFという枠にすらはまらないのか、怪物新人出現!!

〔泉北店・川村学〕


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第26位『かんさい絵ことば辞典』ニシワキタダシ

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(ピエ・ブックス/997円)

ほんまにこの本はうまいこと出来てます。ありえないシチュエーションの中で個性豊かなキャラクターが関西弁を巧みに使い、一瞬で笑いを取る… 笑いを愛する関西の醍醐味がきゅっと凝縮されてます。また、話が終わったのかと思いきや少し離れたページでその後の話として続いていたり、著者の発想力の豊かさにただただ脱帽です。本をひらけば心がほっこりあたたまる、いつまでもそばに置いておきたい1冊です。

〔堺北花田店・道越保江〕


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第27位『銀の匙①』荒川弘

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(小学館/439円)

北海道出身で、あの『鋼の錬金術師』の著者がおくる農業高校を舞台とした青春学園漫画。だがしかし、ただの「青春学園」とは訳が違う。「農業」という過酷な職業がコミカルにまたはシリアスに描かれている。これは、酪農家生まれの著者だからこそ描ける作品であろう。TPPや、放射能問題で、右往左往している今だからこそ、この作品を読むべきなのだ。

〔札幌本店・千葉泰広〕


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第28位『コケはともだち』藤井久子

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(リトルモア/1,575円)

私は苔になりたい。そう思える程、これまでの苔のイメージをくつがえす、素敵なコケの性質がかわいらしい挿絵つきで解説された一冊です。生息する場所を選ばず、どこででも生きられるが、他生物に迷惑をかけることもない。つつましく、しかし、したたかに生きている苔の生き様からは世界平和のヒントすら伺えるような気がする。コケとともだちになりに行く際に持参できるビニールカバー付です。

〔札幌本店・才松愛〕


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第29位『でんせつのきょだいあんまんをはこべ』サトシン・作/よしながこうたく・絵

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(講談社/1,470円)

巨大プロジェクトに挑む熱いアリたちの物語! 脳内BGMはモチロン「地上の星」で。行間のさまざまな苦労を思うと、涙が止まりません。

〔流山おおたかの森店・小田山桂子〕


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第30位『イスラームから見た「世界史」』タミム・アンサーリー

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(紀伊國屋書店/3,570円)

作者曰く、世界史とは「私たち」が「現在の状況」にどのようにして行き着いたかを知るためのもの。そしてこの「私たち」と「現在の状況」は様々なカタチがある。そう、西洋や東洋からみた世界史は無数にある視点の一つにすぎない。この本は私にとってイスラームを学ぶだけでなく、新たな視点獲得のための一冊だった。

〔梅田本店・生武正基〕


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