2011年01月20日

第1位『いちばんここに似合う人』ミランダ・ジュライ/岸本佐知子・訳

第1位『いちばんここに似合う人』ミランダ・ジュライ/岸本佐知子・訳 →bookwebで購入

(新潮社/1,995円)

「さみしい」という孤独な四文字のことばに、嘘ややましさ、なにかごちゃごちゃとしたどぎつくカラフルなもの、たくさんの不純物を混ぜてこねると、この小説が生まれる気がします。もちろんその「さみしい」はとてもヘンな形をしているのですが、だからこそ愛おしく、大切だと思えるのです。

〔新宿本店・梅﨑実奈〕


洗面器で水泳を教える女性、玄関から27歩以上歩けない女性、この本に登場する人々は少し滑稽だけれど、愛すべき人々。彼らは人を愛しては孤独になる。でも、さめざめと嘆いたりしない。それぞれの、新たなひとりぼっちの場所を見つけてゆく。それは、間違いなく希望の場所なのだ。

〔本町店・萩本愛子〕


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キノベス!2010 第1位に輝いた
ミランダ・ジュライさん
メールインタビュー


----Your book has been very well-received in Japan. Did you have other countries in mind when you wrote the stories? Do you think there are elements in the stories that may cross over to other cultures?


I don't think about this specifically when I'm writing, but I am of course hoping that strangers of all kinds will find some resonance in the words. It is always uncertain what a work will mean in another country. But, having been to Japan a few times and having a few Japanese friends, my guess is that my nervous, isolated, fantasizing characters will find a home with you guys. Perhaps more so than, say, Italy, where people might be too much at peace to understand me. I am making huge generalizations here, for fun, not because I know.

----Which story is your favorite in No One Belongs Here More Than You? Please tell us why.

I don't have a favorite, but the last story in the book "How To Tell Stories To Children" was the last one I wrote and so for me it points towards the future, towards all the things I have yet to write. Writers are always afraid that they'll never be able to write anything again, and reminiscing about past glories makes me feel particularly sure I won't.

----I understand your parents were publishers; did you enjoy reading a lot of books growing up? Was there a favorite? Do you have any words of encouragement to booksellers, or thoughts on books in general?

I loved to read when I was growing up, it was a big, huge part of my childhood. When I was around 9 or 10 my mom would drop me off at ballet class and then go to the library. When she picked me up she'd have a donut and stack of new library books waiting. Nothing will ever be as plentiful and perfect as those two things together. I loved The Secret Garden, and similar but less famous book called Mandy (which was also my nickname at the time.) I know it is hard times for book lovers on Earth. But remember that we are all in this together, even if reading is something we do alone.

thank you,
mj

――――あなたの短編集は日本で大変好評です。執筆の際、アメリカ以外の海外の読者も
念頭にありましたか?またあなたの作品の中に、他の国の人にも通じる要素があると思われますか?

具体的にほかの国をイメージして執筆する事はありませんが、もちろんいろんなタイプの読者の心に響くような文章になるといいな、と思いながら書きます。作品が海外でどういう風に受け取られるかは未知数ですから。でも何度か日本を訪れたり日本人の友人をもった経験から想像するに、私の小説の中にいる神経質で、孤独で、妄想が激しい主人公たちは、日本の読者たちに親しみを持って受け入れられやすいんじゃないかな。例えば、イタリア人のように自分を疑うことを知らない人たちよりは、ずっと。でもこれは一般論に当てはめた私の想像なので、実際とは違うかも知れませんね。

――――「いちばんここに似合う人」でお気に入りの短編はありますか? その理由も教えて下さい。

特にお気に入りはないけれど、本の最後にある「子供にお話を聞かせる方法」は最後に書いた話で、そういう意味でこれから先の未来、つまり今後生まれる作品に繋がるようなイメージを持っています。作家というのは常にもう創作が出来ないんじゃないかという恐れを抱えていて、過去の栄光を思い出していると特にそんな気分になってしまうわ。

――――あなたのご両親は出版社を設立なさったんですよね?(注:North Atlantic Booksという実用やスピリチュアルな本を出す中堅出版社) 子供のころはやはり読書好きでしたか? お気に入りの本は? また、本についてのお考えや書店員へのメッセージがあればどうぞ。

本を読むのは子供のころから大好きで、当時の思い出の多くを占めています。例えば9~10歳のころ、ママは私をバレエのレッスンに送り届けたあとに図書館に寄ったものでした。レッスンの後のお迎えの時には、ドーナッツと新しく借りてきた本の山が私を待っていたのよ。ドーナッツと本、あれほど完璧に豊かな気持ちになる組み合わせはなかったわ。好きだったのはバーネットの「秘密の花園」とそれに似ている「マンディ」というもう少し有名じゃない本(当時マンディは私のニックネームでもありました)。
この世の本好きにとって今はつらい時だと確かに思います。けれど、読書という行為は一人一人でするものだけど、私たちはみんなどこかで繋がっていることを忘れないで欲しいと思います。


(翻訳・紀伊國屋書店洋書部)


Miranda July(ミランダ・ジュライ)
映画製作、アート、文筆など様々な分野で活動。手がけたパフォーマンス・アートなどの作品はニューヨークの現代美術館やグッゲンハイム美術館に展示され、横浜トリエンナーレに出展された「廊下」も高い評価を得た。長編映画「君とボクの虹色の世界」では脚本、監督、主演をつとめ、サンダンス映画祭での特別審査員賞、カンヌ映画祭では新人監督に贈られるカメラ・ドール賞含む4部門で受賞してデビューを飾った。作家としては雑誌ニューヨーカーやHarper'sなどで頭角を現し、短編集「いちばんここに似合う人」はフランク・オコナー国際短編賞を受賞、20か国で翻訳出版されるほど人気となった。ジュライ氏とHarrell Fletcher氏が企画したアートプロジェクト「Learning To Love You More」はサンフランシスコ現代美術館に展示され、Prestel社から書籍化もされている。また「Eleven Heavy Things」と題した立像のコレクションが2009年ヴェネツィアビエンナーレで発表され、2010年夏にはニューヨークのユニオンスクエアに巡回された。
カリフォルニア州バークレーで育ち、現在はロサンゼルス在住。新作映画「The Future」はサンダンスおよびベルリン映画祭でのプレミア上映が決まっている。




『親戚のおばちゃんより、口上』

 キノベス!2010 第1位『いちばんここに似合う人』
 翻訳者・岸本佐知子さん特別寄稿


 本を読んで「面白かった」と感じるのに、私の場合は三つの段階があります。第一段階では、本を閉じて「ああ面白かった・・・・・」としみじみ幸せな余韻に浸る。第二段階だと、本を閉じたあとしばらくは放心し、何か打撃を受けたように動けなくなる。そして第三段階ともなると、もうじっとしていられずがばと立ち上がり、「どがあ」などと意味不明のことを叫びながらそのへんを走り回らずにいられなくなる。

 『いちばんここに似合う人』の原書No One Belongs Here More Than You.を初めて読んだときの私が、まさにそのレベル3でした。二篇めの「水泳チーム」あたりですでに完全ノックアウト、最後の「子供にお話を聞かせる方法」を待たずに走り出していました。ミランダ、あんたすげえよ。走りながら思いました。これ訳したい、訳せなかったら死ぬ。そこまで思いました。
 その願いがかなって一冊まるごと翻訳することができただけでも訳者としては幸せすぎるのですが、これほど「愛されている感」がじかに伝わってきた本というのも、ちょっと今までになかったように思います。

 本が一冊形になると、そこから先その本がどうなっていくのかは、本当のところ、うまく想像がつきません。本屋さんに本が並んでいるのを見ても、読んだ方の感想を目にしても、実際にその本を誰かが手にとって読んでくれているという実感は、なかなかわきません。でもこの本にかぎっては、そのへんのライブ感がすごくあった気がします。出版社、書店、読者をつなぐ道筋がくっきり見えて、みんなの声がすごく近く聞こえてくる、というか。それもやっぱり、みんなに声を上げるよう誘ってくるような、ミランダ・ジュライの作品のもつ不思議な力と無関係でないような気がします。

 私がこの場でお礼を言うのは、本当はお門違いなんだろうと思います。だって私は書いてあるとおりに訳しただけなんですから。なので、ありがとうございますと、これは作者になりかわって申し上げます。でも小さい声でアリガトウゴザイマスと、やっぱり私からも言いたいです。親戚のおばちゃんの気分で。


岸本佐知子(きしもと・さちこ)
1960年生まれ。上智大学文学部英文科卒業。訳書にN・ベイカー『中二階』、S・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、J・ウィンターソン『灯台守の話』(以上白水社)、T・ジョーンズ『拳闘士の休息』(河出文庫)、J・バドニッツ『空中スキップ』(マガジンハウス)、L・デイヴィス『話の終わり』(作品社)他多数。著書に『気になる部分』(白水Uブックス)、『ねにもつタイプ』(ちくま文庫)がある。



第2位『切りとれ、あの祈る手を』佐々木中

第2位『切りとれ、あの祈る手を』佐々木中 →bookwebで購入

(河出書房新社/2,100円)

歴史が終わった。文学が、藝術が終わった。一体いつから言われているだろう。でも僕たちは今も本を読み、書き、音楽やアート、ファッションを愛して生きている。読むこと、語ること、作ることにある“革命の力”。終わらない世界を生きてゆくために。あまりにも語られてこなかった、僕たちの希望。

〔CRM推進室・須賀喬巳〕


巻末近くで、なぜだか涙があふれた。〝その夜に、ふと開いた本の一行の微かな助けによって、変革が可能になるかもしれない。その極小の、しかしゼロには絶対にならない可能性に賭け続けること〟真冬の空にひときわ輝く北極星のような本を読んだ、と思う。

〔梅田本店・星真一〕


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第3位『シューマンの指』奥泉光

第3位『シューマンの指』奥泉光 →bookwebで購入

(講談社/1,680円)

幸福の絶頂にあってさえ「喜びがそのまま悲しみであるような」音楽を書いた、悲劇の天才作曲家。その危険な美に魅入られた美少年天才ピアニストの運命もまた?!音楽の美しさと怖ろしさがあますことなく表現された、極上の音楽ミステリー小説。この作者ならではの、アイデンティティーを揺さぶる驚愕のトリックにも釘付け。

〔洋書部・野間健司〕


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第4位『流跡』朝吹真理子

第4位『流跡』朝吹真理子 →bookwebで購入

(新潮社/1,365円)

自意識のえぐみがない水のような文体を豊穣な言葉が流れ、時も空間もさまざまなイメージが翻る。物語のための言葉を携えて生まれてきた新人。デビュー作からこんなものを書いて、どんなところへ行くのだろうと畏怖と期待を持って読んだ。この作家の流れる跡をずっと追ってゆきたい。

〔新宿本店・今井麻夕美〕


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第5位『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』ジェレミー・マーサー/市川恵里・訳

第5位『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』ジェレミー・マーサー/市川恵里・訳 →bookwebで購入

(河出書房新社/2,730円)

「寝食を忘れて読む」というのを久し振りに味わった。ラストシーンはもったいなくて、左手でページを隠しながら読んだ。驚くべきはこれが良くできたフィクションではなく、実際にパリの片隅で起こった(そして今も起こっている)ということだ。これを読んだら、パリに飛んで行って、この素晴らしい書店に足を踏み入れずにはいられない。

〔新宿南店・田中文恵〕


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第6位『ツリーハウス』角田光代

第6位『ツリーハウス』角田光代 →bookwebで購入

(文藝春秋/1,699円)

武勇伝はもういい。悲惨な場面は見たくない。苦労話も聞きたくない。でも、歴史は繰り返す。だから、歴史は語り継がれる必要がある。教科書では語られない、けれど、無数にある、あった戦中戦後史がここにある。

〔新宿本店・市川房丸〕


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第7位『煙滅』ジョルジュ・ペレック/塩塚秀一郎・訳

第7位『煙滅』ジョルジュ・ペレック/塩塚秀一郎・訳 →bookwebで購入

(水声社/3,360円)

フランス語で「e」の文字を使わずに書かれた20世紀最高に酔狂な小説を「イ」段の文字「イ・キ・シ・チ・ニ・ヒ・ミ・リ」を使わずに翻訳した21世紀最高に酔狂な1冊。「イ・キ・シ・チ・ニ・ヒ・ミ・リ」使わずに会話できます?私は無理でした・・・

〔西神店・川村学〕


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第7位『絶叫委員会』穂村弘

第7位『絶叫委員会』穂村弘 →bookwebで購入

(筑摩書房/1,470円)

「歌人の本」というと上品でおカタそうなイメージですが、実はそうじゃない。日常、電車の中や街角で目に耳に飛び込んでくる「なんでやねん!」な言葉たちに、読者のかわりにツッコみ、叫んでくれる。それがこの本。絶妙(?)な言い回しをこれだけ見つけられるのはやっぱり言葉を扱う人の感性の鋭さなのでしょうか。さあ一緒に、ちょっぴり可笑しくて、でも「あるある!」な言葉の世界を楽しみましょう!

〔梅田本店・黒田紗穂〕


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第9位『ふがいない僕は空を見た』窪美澄

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(新潮社/1,470円)

この本を読んだ時のことは忘れない。なんだかよくわからない熱いものがこみあげてきて、何度も涙がにじんだ。厄介なことから生まれて厄介なことを抱えて生きていく、きれいごとでは終わらない存在。だからこそ人間はいとおしい。新人だし、この書き出しだし・・・なんて躊躇してたらもったいない! いい小説です。保証します。

〔新宿本店・今井麻夕美〕


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第10位『桐島、部活やめるってよ』朝井リョウ

第10位『桐島、部活やめるってよ』朝井リョウ →bookwebで購入

(集英社/1,260円)

この小説、瑞々しさで破裂しそう!今の自分にはない、登場人物たちの若々しさに嫉妬さえ覚えた。それがありありと書ける、作家の表現力にも感服。高校時代をもう一度味わいたければ、ぜひこの小説を!

〔新宿本店・白井恵美子〕


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第11位『これからの「正義」の話をしよう』マイケル・サンデル/鬼澤忍・訳

第11位『これからの「正義」の話をしよう』マイケル・サンデル/鬼澤忍・訳 →bookwebで購入

(早川書房/2,415円)

複雑多様化する現代社会で「これが正義だ!」と胸を張って主張できるものが、一体どれだけ残されているのでしょうか。「正義」と「独善」の曖昧な境界線を、今こそはっきりさせようじゃないか。というマイケル・サンデル教授の熱意が伝わってきます。

〔入間丸広店・岡本亜希子〕


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第12位『女ぎらい』上野千鶴子

第12位『女ぎらい』上野千鶴子 →bookwebで購入

(紀伊國屋書店/1,575円)

頭上にたらいが落ちてきたほどの強い衝撃のなかで読んだ一冊。男は女を嫌い、女は女である自分を嫌悪する。誰もが内に抱えるミソジニーを見事に射抜いているがゆえに、読まずにいることのほうが恐ろしい。

〔梅田本店・山﨑均〕


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第13位『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』万城目学

第13位『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』万城目学 →bookwebで購入

(筑摩書房/903円)

小学校にあがったばかりのかのこちゃん。雷雨によって出会うマドレーヌ夫人と玄三郎。かのこちゃんのフンケーの友、すずちゃん。みんながみんな大切な人のことをおもう、考える。真剣に。やさしい気持ちとしずかな興フンでみちみちなこの世界を心から愛しくおもう。

〔新宿本店・木村葉子〕


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第14位『ピストルズ』阿部和重

第14位『ピストルズ』阿部和重 →bookwebで購入

(講談社/1,995円)

わかりやすい狂気も、あからさまな暴力も、そこそこの混沌ももう飽きた!・・・・・とでも言うのか、阿部和重は淡々と、ですます調で、魔法を操る一族の奇想天外な歴史を語ります。静かに、端正に、丁寧に構築された、しかし何かがおかしい小説。それが何なのかが未だにわかりません。

〔新宿本店・藤本浩介〕


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第14位『メイスン&ディクスン』トマス・ピンチョン/柴田元幸・訳

第14位『メイスン&ディクスン〈上〉』トマス・ピンチョン/柴田元幸・訳
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第14位『メイスン&ディクスン〈下〉』トマス・ピンチョン/柴田元幸・訳
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(新潮社/各3,780円)

これはまさに今年の重大事件。ピンチョンの作品を現代の訳で読むことができるなんて。3,780円×2と時間を費やす以上の価値がここにはあると断言できます。ピンチョンって、そんなに難しくないよと声を大にして言いたい。構えないで、是非読んでみて欲しい。

〔福岡本店・吉野達也〕


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第16位『地を這う祈り』石井光太

第16位『地を這う祈り』石井光太 →bookwebで購入

(徳間書店/1,680円)

知りたくなかった・・・見るんじゃなかった・・・ そう感じるほど衝撃的なむき出しの写真とエッセイ。だが同時にそこから目を背けさせない力もある。目を背けることが、無関心がこの現状を生み続けるのだと伝わり、響く。すごいメッセージ性だ。

〔梅田本店・生武正基〕


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第17位『星座から見た地球』福永信

第17位『星座から見た地球』福永信 →bookwebで購入

(新潮社/1,575円)

美しい物語を読んだ。これは小説なのかなどと野暮なことを訊いてはいけない。何が言いたいのかわからないなどと些細なことを嘆いてもいけない。ただ書かれてある言葉の連なりに身をゆだねる。もっと深く潜っていく。きらめく宝石箱のふたがそこに開く。

〔梅田本店・星真一〕


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第18位『マリアビートル』伊坂幸太郎

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(角川書店/1,680円)

元・殺し屋「木村」&狡猾な中学生「王子」、腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」、ツキのない殺し屋「七尾」&彼と電話でつながる「真莉亜」、一つのトランクをめぐり、物騒な3組が北へ向かう東北新幹線を舞台に〝隠す。〟〝探す。〟〝逃げる。〟〝戦う。〟そして〝騙す。〟  物語の最後にはあの伏線が決して期待を裏切ることなく大どんでん返しとして浮かび上がる! スリリングな展開だけでなく、伊坂小説ならではの親子愛・仲間愛もしっかりとちりばめられたこの一冊、間違いなく「サイコー!!」です。

〔クレド岡山店・林久美子〕


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第19位『うんこ!』サトシン・文/西村敏雄・絵

第19位『うんこ!』サトシン・文/西村敏雄・絵 →bookwebで購入

(文渓堂/1,365円)

数えてみました。この絵本を読み聞かせすると「うんこ」18回、「くっそー」4回、「ふん」18回、「うん」を5回も声に出して言うことに(笑)。そこがお子様に大人気! くっさーいと言われてもなんのその! たくましいうんこのお話です。

〔大津店・馬渕宏美〕


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第20位『悪の教典』貴志祐介

第20位『悪の教典〈上〉』貴志祐介
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第20位『悪の教典〈下〉』貴志祐介
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(文藝春秋/各1,799円)

殺人鬼のハスミンに惚れてしまった。そんな自分がサイコパスなのではないかと心配になった。誰もが抱いている心の闇の部分を鋭くえぐる問題作。

〔京橋店・此川裕子〕


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第21位『コミュニケーションするロボットは創れるか』谷口忠大

第21位『コミュニケーションするロボットは創れるか』谷口忠大 →bookwebで購入

(NTT出版/2,730円)

「俺のいっている意味、本当に分かっているか?」「分かるわけないじゃない! あなたの頭の中を覗けるわけじゃないし!」その通りだ。ではいったい「コミュニケーション」とはどのように成り立つのか? 今話題の「ビブリオバトル」の創案者・たにちゅーが、「自律適応型ロボット」を創る独自のアプローチを通して、知能やコミュニケーション能力の「身体性」に根差したダイナミックな本質に迫る。野心に満ちた知の挑戦。

〔電子商品営業部・林信弘〕


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第21位『日本辺境論』内田樹

第21位『日本辺境論』内田樹 →bookwebで購入

(新潮社/777円)

おもわず頷く。とにかく面白い。そうか、こういう見方/考え方があったのか。内容には賛否両論あるだろうし、必ずしも100%正しいわけじゃないだろうが、これほど説得力があって引き込まれる日本論は久しぶり。白眉。

〔ゆめタウン博多店・春日善郎〕


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第23位『異邦の香り』野崎歓

第23位『異邦の香り』野崎歓 →bookwebで購入

(講談社/2,940円)

異邦について書かれた文章を読む内、すっかりその地に魅了される。でもそんな土地はもう失われたも同然だという事実に最後で気づかされ、魅了から解き放たれた後、ハテ私は夢でも見てたのかな、と思わず周囲を見回してしまった。

〔大津店・岩内健太〕


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第23位『さすらう者たち』イ-ユン・リ-/篠森ゆりこ・訳

第23位『さすらう者たち』イ-ユン・リ-/篠森ゆりこ・訳 →bookwebで購入

(河出書房新社/2,310円)

戦争や革命のさなかにある市井の人々というと、イコール善良な人々、として描かれることが多いけれど、この小説はそのような綺麗事に唾を吐きかける。騙したり憎んだり、邪な心をもつ人々、そして食い物にされる愚かな人々、その人々を含めたすべてで世の中は動いていく。「歴史」が「かつての現実」であることを強く感じさせる鮮烈さがここにはある。

〔新宿本店・梅﨑実奈〕


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第25位『ペンギン・ハイウェイ』森見登美彦

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(角川書店/1,680円)

よちよちペンギン! 小4の少年! 探検と地図づくりと夏休みと研究ノートと仲間たち、ジャイアン、歯医者の受付のおねえさん! この最強の組み合わせに、かわいいーと鼻息も荒く読み進んでいた私を、一気にセンチメンタルの海へと放りこんでくれたラストの切なさときたら! 賢き少年は、泣かずに伝え切れなかった想いを胸に前に進んでいくのだ。

〔北千住マルイ店・平野千恵子〕


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第26位『おべんとうの時間』阿部了・写真/阿部直美・文

第26位『おべんとうの時間』阿部了・写真/阿部直美・文 →bookwebで購入

(木楽舎/1,470円)

ふたを開けるようにぱっと開くと、左ページにおべんとう、右ページにそのおべんとうを食べる人の笑顔があります。形も中身も開ける場所も人それぞれ。おべんとうについて語れば、いつの間にかその人の生き方が語られています。幼い頃の思い出、家族との絆、仕事への思い、将来のこと。この小さな箱には、ごはんと一緒に愛情や優しさや願いや人生が、ぎゅっと詰められているのです。優しくてあたたかくて美味しいいくつものおべんとうと物語に、なぜだか泣けてしまうのです。

〔札幌本店・魚井伸香〕


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第27位『味写入門』天久聖一

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(アスペクト/1,050円)

立派な一眼レフじゃなくても神がかり的な写真は撮れるのだっ!! プロの写真家には撮れない、セミプロだって撮れないであろう、絶妙な一枚を、捨てずにとっておいた(たまたまのこっていた・・・?)素晴らしきご家庭に爆笑しながら感謝します。

〔札幌本店・伊達明子〕


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第28位『漂砂のうたう』木内昇

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(集英社/1,785円)

なんてかっこいいんだろう! 小説やっぱりこうでなくちゃ! 時代に取り残された遊郭の華やかさとわびしさ、変わらずに在る人と変われずにいる人の迷いや息苦しさが行間から立ちのぼります。ああ、巧いなあ。古くからの独特な言いまわしにあふれているので、そのあたりもじっくり味わって! 個人的には落語好きな方、本格ミステリー好きな方にもおすすめしたい本。何故かって?――それはあなたが読み終えてから、一緒に語りましょう。

〔新宿本店・小出和代〕


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第29位『隻眼の少女』麻耶雄嵩

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(文藝春秋/1,995円)

主役は、有能な美少女探偵と、秘密を抱える冴えない助手。探偵が有能なら、助手なんかいらないだろうって?――いいえ、確かに必要とされているのです。 何度も訪れる、「えええええ」と声が出てしまう瞬間。それらはなんとも、麻耶雄嵩らしい驚きに満ちています。

〔新宿本店・勇真里子〕


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第30位『一週間』井上ひさし

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(新潮社/1,995円)

昭和21年 ハバロフスク収容所に移送されてきた日本人捕虜小松修吉は、あることをきっかけに、たった一人で北の大国に立ち向かう。描かれる「一週間」のスリル溢れる出来事はフィクションでも、その「時代の背景」は決して作られたものではないことを、巻末に掲げられた膨大な参考資料が物語っています。どうか手にとってみてください。かつてニッポン人が、ニッポン人に対して何をしたのかを知るために。常にユーモアをちりばめながらも、過去に日本が犯した過ちから決して目を逸らさず、「庶民の怒り」を持ち続けた、井上ひさしという偉大なる作家の足跡に触れるために。

〔秘書室・兵頭佳美〕


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2011年01月19日

番外編 ゼロ年代のベストコミック
 『ONE PIECE』尾田栄一郎(集英社)

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子供も大好き、大人も大好き!! いわずと知れた大ヒットコミック。萌えアニメもいいと思うけど、アニメやマンガをそろそろ子どもにかえしてあげてほしい。友情・努力・勝利の王道少年まんが。まんがからおしえてもらうことだってたくさんある。そんな原点にかえりたい気持ちを込めてえらびます。夢と希望がつまった作品だと思います。

〔熊本はません店・船越加奈子〕


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番外編 ゼロ年代のベストコミック
 『よつばと!』あずまきよひこ(アスキ-・メディアワ-クス)

番外編 ゼロ年代のベストコミック<br> 『よつばと!』あずまきよひこ(アスキ-・メディアワ-クス) →bookwebで購入

今さら、お薦めするまでもありませんが、お薦めせずにはいられません。“よつば”と、“とーちゃん”、その周りの人々とのなにげない日常を描いたマンガです。よつばの無邪気な姿にキュンとして、癒されます。最近、こんなに無邪気な子っているのかな。大人も余裕がなくなって、こんな無邪気な子供を見守ってあげることが出来なくなっている気がします。ギスギスしたこの世の中だからこそ、よつばのような子を温かく見守ってあげられる大人でいたいと思います。

〔MOVIX京都店・西尾祥子〕


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番外編 ゼロ年代のベストコミック
 『宇宙兄弟』小山宙哉(講談社)

番外編 ゼロ年代のベストコミック<br> 『宇宙兄弟』小山宙哉(講談社) →bookwebで購入

「夢は宇宙飛行士」 幼い頃にそう約束した兄弟六太と日々人。夢の大きさなんて関係ない。夢を追いかける姿がちょっとダサかったり、熱かったり、そこがまたかっこよかったり。いつも2番手だった兄六太にそろそろ1番が見えてきた。がんばれおにいちゃん!

〔ゆめタウン博多店・森田智佳〕


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番外編 ゼロ年代のベストコミック
 『鋼の錬金術師』荒川弘(スクウェア・エニックス)

番外編 ゼロ年代のベストコミック<br> 『鋼の錬金術師』荒川弘(スクウェア・エニックス) →bookwebで購入

喜び 悲しみ 夢 愛 希望 絶望 後悔 勇気 強さ 弱さ 軽蔑 嫉妬 欲望 友情 尊敬 思いやり 生きるということ  人生で様々な人とかかわることで感じる感情が全部つまっている。どのキャラクターも信念を持って生きている。本当に読んで良かった1冊。

〔阪急32番街店・柴田裕紀子〕


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番外編 ゼロ年代のベストコミック
 『きのう何食べた?』よしながふみ(講談社)

番外編 ゼロ年代のベストコミック<br> 『きのう何食べた?』よしながふみ(講談社) →bookwebで購入

ゼロ年代に良質な作品を多く生み出し、認知度を大きく上げた作家の代表格がよしながふみではなかろうかと思い、推す。作品を選ぶのは難しいが、自分の食生活にも影響を与えた『きのう何食べた?』に票を。作ってみたくなるだけでなく、自分の手持ちレパートリーに加えたくなる料理、という絶妙なさじ加減が良いです。

〔富山店・朝加昌良〕


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番外編 ゼロ年代のベストコミック
 『大阪ハムレット』森下裕美(双葉社)

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子どもの世界ってどんなやったっけと思って、自分が昔子どもだったことを忘れているのに気づく。大阪ハムレットの世界では子どもが大人みたいな顔をしている、だけど確かに昔こんな世界を見ていたような気がする、過去と今をつなぐゼロ年代のコミック。

〔福岡本店・溝辺阿由利〕


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番外編 ゼロ年代のベストコミック
 『毎日かあさん』西原理恵子(毎日新聞社)

番外編 ゼロ年代のベストコミック<br> 『毎日かあさん』西原理恵子(毎日新聞社) →bookwebで購入

この10年でこれほど立場の変わったマンガ家は彼女しかいないのではないだろうか。映画化も目白押しの今一番“泣かせる”作家。だが、独身時代の通り名は狂犬。作風は変わらないのに世間の評価は180度変わった、正に時代を象徴する作家。

〔洋書部・瀬部貴行〕


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番外編 ゼロ年代のベストコミック
 『虫と歌』市川春子(講談社)

番外編 ゼロ年代のベストコミック<br> 『虫と歌』市川春子(講談社) →bookwebで購入

なんと美しく、驚きに満ちた物語たちなんだろうか。ゼロ年代の最後の最後にあらわれたこの漫画家が、これからのテン年代にどんな世界を描いてくれるのか、楽しみでなりません。

〔北海道営業部・原元太〕


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番外編 ゼロ年代のベストコミック
 『プラネテス』幸村誠(講談社)

番外編 ゼロ年代のベストコミック<br> 『プラネテス』幸村誠(講談社) →bookwebで購入

ありとあらゆる犠牲を払ってでも、世界中の人からどんな非難を受けようとも、人がやった事がない事をしたり人が行ったことがない場所へ行こうとする『力』。それこそが人の持つ一番強い力だ!! そう信じて疑わない主人公の「ハチマキ」。彼は次第に大きな壁にぶちあたる。それは、どんなに進化してもどんなにすごい事をしても、「人は死ぬ」という事。どうせ皆死んでしまうというのに何故悲しい? 何故挑む? 何故生きる? それは「愛」の力だと力説する後輩の「田辺」。全てが死で満たされた空間=スペースで、死を知り、愛を知り、それでも未到へ向かった「ハチマキ」がラストで木星から全人類に向けて贈るメッセージに心が震えます。

〔久留米店・花田吉隆〕


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番外編 ゼロ年代のベストコミック
 『7SEEDS』田村由美(小学館)

番外編 ゼロ年代のベストコミック<br> 『7SEEDS』田村由美(小学館) →bookwebで購入

極限状態で生き残るのは善良な人でも最優秀な人でもなく、ともかくも生き残ってしまった人はその人なりの生き延び方をするしかなく・・・。SFというより限界状況の心理劇として、有無を云わせないリアルさが素晴らしい。

〔販売促進部・今井太郎〕


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番外編 ゼロ年代のベストコミック
 『おやすみプンプン』浅野いにお(小学館)

番外編 ゼロ年代のベストコミック<br> 『おやすみプンプン』浅野いにお(小学館) →bookwebで購入

振り切れてしまっている登場人物たちに慄きもするけれど、子供視点からだと大人世界ってえらくグロテスクに見えるものかもしれなくて、いつかの自分もこんな風に下らなくて、えぐくて、不可解な生き物を見ていたかもしれないと思う。ゼロ年代という文脈から自由になって欲しい本だけど、やっぱり、推します。

〔梅田本店・大矢靖之〕


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