2005年11月25日

第1位 『サウスバウンド』奥田英朗

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(角川書店/1,785円/4048736116)

 「やはり活動家・上原一郎は只者ではなかった!」息子の二郎ならずともそう叫びたくなる父の破天荒ぶりには脱帽する。だがラストシーンは「やはり父・上原一郎は偉大だった」と言わしめるくらいの男気と家族愛が強く私の胸を打ちつけた。
【吉田 稔・新宿南店】

 「父は元過激派だ。」それが自分の父親だったら?そんなのは絶対にイヤだ!でも友達の父親だったらすごくイイ!東京、そして西表島を舞台に友情と家族愛を綴りつつ、著者お得意のドタバタ(喜!?)劇も健在。読後に古い友人に手紙でも書こうかと思わせる一冊。
【森 弘光・西神店】

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第2位 『東京タワー』リリー・フランキー

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(扶桑社/1,575円/4594049664)

 何の為に生きるのか?愛する為に生きている。どこにでもいるフツーのオカンの話です。誰よりも、自分よりも子を愛し、守り、育てる母という存在。ああ、根っこの話だなあ、読み終わってそう思いました。大人になっても、どこにいても何をしていても自分を支えてくれる根っこの部分はきっと子供の頃に作られる。後半はただただ号泣でした。
【平野千恵子・新宿本店】

 読んだ後、深夜2時だったにも関わらず、離れて暮らす「オカン」に電話してしまいました。熟睡中を無理やり起こしてしまい、随分うっとうしがられましたが、機嫌の悪いその声さえも「ずっと聞いていたい声」に感じました。いつか必ず、聞けなくなる時が来るから。そのこと、その時をこんなにも正直に丁寧に描いているこの小説は、普段「オカン」をなんとなく面倒くさいと思っている人にこそ読んで欲しい。涙で何も言い訳出来なくなります。そして、寝ている「オカン」を起こさずにはいられなくなるはずです。
【萩本愛子・本町店】

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第3位 『死神の精度』伊坂幸太郎

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(文藝春秋/1,500円/4163239804)

 晴天を知らない、超雨男。こよなくミュージックを愛する男。名前は「千葉」。その職業「死神」。死を目前にした人間の調査のため、死ぬことを知るはずもない本人と過ごす、7日間の奇妙な交流。微妙にリンクする、6つの命の物語。
【岩切美弥・熊本店】。

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第4位 『告白』町田 康

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(中央公論新社/1,995円/4120036219)

 河内弁で語られる呪われた魂の記録。思弁的な思考大系をもちながら、実際の言動が伴わず、その不一致に悩む主人公、熊太郎が殺人者になるまでの道程を圧倒的な言葉の渦で描く。現代日本に落とされたパンク爆弾。町田康版「罪と罰」とでもいうべき傑作。
【西野宏明・新宿本店】

 「おそらく今後十年、日本文学界にこれをこえる作品は現れまい…」なんて評論家口調で語りたい衝動に駆られました。パンクかつ文学の王道。今年度の必読書。最後に、読むと踊りたくなること請け合いです。
【松下陽一郎・新潟店】

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第5位 『東京大学のアルバート・アイラー』菊地成孔・大谷能生

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(メディア総合研究所/1,680円/4944124198)

 今年さらに4冊単行本を出しさらに大ブレイクの鬼才菊地成孔!あちこちの雑誌などに記事が掲載されたので、名前を見て、気になった人も多いのでは?名前の読み方はキクチナルヨシ。この本は、ジャズの歴史を東京大学教養学部で非常勤講師として行った講義録ですが、毎回モングラー(モグリ学生)も含め東大生を爆笑の渦に巻き込み満員御礼。もし、音楽が好きで、ちょっとジャズを知りたいな~、でもとっつきにくいな~、という人は菊地先生に習ってみよう!まじめにつぼを押さえて教授しつつ、脱線脱線エピソードがめちゃめちゃ笑えます。山下洋輔(師匠)以後、日本のジャズ言論方面は菊地成孔にお任せ!これぞジャズ史の新たなスタンダード。音楽家としての彼の演奏ももちろん最高です。
【和泉仁士・新宿本店】

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第6位 『ベルカ、吠えないのか?』古川日出男

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(文藝春秋/1,800円/4163239103)

 四頭の軍用犬から始まる「20世紀」という物語。イヌの視点で語られる「もうひとつの現代史」物語の緊密度と独創性において「世界文学」レベルに到達した史上最強の犬小説。
【相澤哲洋・新宿本店】

 戦争には常に犬がいた事をご存知でしょうか。時には兵隊として、時には兵器として…。人間に翻弄され続けてきた犬たちが、本能に目覚めた時、全世界の犬が立ち上がり、世界をひっくり返す!!『ベルカ・・・吠えないのか?』
【今須陽子・札幌本店】

 カブロン、ギター、ストレルカ、ベルカ。太平洋戦下、無人島に置き去りにされた千頭の軍用犬の系譜を通して20世紀の冷戦構造史を描く物語です。「イヌよ、イヌよ、おまえたちはどこにいる?」淡々と問いかける文章にぐいぐいとひきこまれます。
【門脇かおり・福岡天神店】

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第7位 『ナラタージュ』島本理生

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(角川書店/1,470円/404873590X)

 生涯に1度だけ1人だけ、そんな恋。「やっべぇなぁ…」と生涯の恋に既に出会ってしまっている方はこの本を読むと共感しまくってはまりまくってしまうので要注意です。「そんな人にはまだ出会ってないんですケド」という方はラッキー♪とばかりに物語世界を楽しんで下され。切なくてやりきれない…。
【長島千尋・宇都宮店】

 どうして葉山先生じゃなきゃダメなんだろう。たとえ世界中を敵にしたとしてもどうすることもできない「好き」という感情。今となりにいる人よりも好きな人がいる方にぜひ読んでいただきたいです。あなたはその切なさと一生付き合っていけますか?
【林 貴子・大学第一営業部】

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第8位 『その日のまえに』重松 清

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(文藝春秋/1,500円/4163242104)

 本書は愛する人の死に遭遇することで幸せの意味を発見するという短編連作作品です。感動と涙なしにはとても読めません。“その日”とは死を迎える日のことを云いますが、“そのまえ”は死を宣告された時の絶望感を考えると自分を鼓舞してその日を如何に迎えるか、周りの人はどの様に接するか非常に計り知れない心の苦闘が痛感させられる。当然“その日のあと”も残された人々の心の中に愛する人の魂が生き続ける。
【乙津宜男・店売総本部】

 この本に出会えて本当に良かった!ありがとう。消えゆく命の前で送る側の準備のあり方、逝く側の心の持ち方……。心して読んで下さい。不意に心がゆさぶられます。
【鶴見百代・クレド岡山店】

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第9位 『厭世フレーバー』三羽省吾

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(文藝春秋/1,680円/4163242007)

 うわあぁぁ・・・この小説応援したいぃぃ!!! よくある家族小説と思うことなかれ! 近頃女性作家の家族ものが傑作続きだったけど、それらとはまた違う身体性がここにある。家出した父親が最後まで帰ってきたりしないトコがいい。そう簡単に癒されたり救われたりは必要ないのだ。よーするにジリジリと疾走せずにはいられない青春文学でもあるのだ。
【平野千恵子・新宿本店】

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第10位 『失踪日記』吾妻ひでお

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(イースト・プレス/1,197円/4872575334)

 失踪からホームレス2回、アルコール依存症による強制入院1回。赤裸々な告白日記。「自分には関係ない」と思っているあなた。「関係ないけど、読めば効く」と思ってください。何に効くか、と言うと、人間関係、極限下での過ごし方、元の生活へのさりげない復帰方法などが分かるようになっています。再度言います。自分には関係ない、と思っている人ほど繰り返し読む本になるでしょう。
【伊藤雅之・札幌本店】

 吾妻ひでお失踪時代の全部実話!原稿が描けず失踪、林に住み、ゴミを漁る。野宿の朝に迎える雪景色(詩情あふれる名シーン)。配管工になるも(この間、社内報にマンガを投稿?!)、やがてアル中で強制入院。痛烈なギャグに潜む「虚無」。秀逸・無比の文学!
【佐藤高廣・営業企画部】

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第10位 『アースダイバー』中沢新一

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(講談社/1,890円/4062128519)

 ゴジラやモスラは何故、東京タワーをめざすのか?縄文の「死霊の王国」跡に立つ「タナトスの塔」だからだ!縄文から続く無意識が東京をつくる。ホンマかいな?と思いつつ、散歩の仕方、街の見方が革命的に変わります。カラー写真・地図付き。ホントにお得!
【佐藤高廣・営業企画部】

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第12位 『さくら』西加奈子

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(小学館/1,470円/4093861471)

 世界は、家族は、美しくて、貴い。こんなに温かくて優しくて切ない物語を私は読んだことがない。笑ってしまうほど不器用で、涙が出るほど真摯で、あきれてしまうほどまっすぐな、そんな家族の物語。私の胸はこれまでにないほど熱くなり、最後まで読んだ時とても幸せ疲れしていた。
【野口亜希子・新宿本店】

 思わず叫びだしてしまいそうになるほどの切なさと、その場に崩れ落ちてしまいそうになる程の感動が同居する、なんて酷い、なんて美しい物語なのか。仕事中に装丁が目につくたびにため息をついてしまう、こんな小説ばかりなら仕事が手につかないでしょう。この作品を読んで泣かない人に今まで会ったことがありません。是非、泣いてください。
【百々典孝・本町店】

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第13位 『古道具中野商店』川上弘美

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(新潮社/1,470円/410441204X)

 川上弘美の文章を読んでいると日本語の美しさを実感できる。古い言葉の言いまわしを丁寧に使用しているところがとても好きだ。この本の個性あふれる1人1人がとてもチャーミングで読み終わった後静かな充実感と幸福感を味あわせてくれた・・そんな1冊です。
【火口直子・クレド岡山店】

 ようこそ川上ワールドへ。あなたを不思議に心地よい穏やかな時間の流れる世界へお招きいたします。中野商店に集う“なんか変”な人たちの人間模様に、だんだんと読んでいくうちに染みこんでいって、自分もすっかり中野商店の“一部”になった気分。「今すぐ地面に寝そべってぐうぐう眠ってしまいたいくらい気が重くなった。」ことがあるなら、是非読んでみてください。ほっこりしたい時、疲れた時にあなたを癒す1冊だと思います。 【岸田安見・本町店】

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第14位 『明日の記憶』荻原 浩

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(光文社/1,575円/4334924468)

 読み終わってからずっとタイトルの意味について考えている。若年性アルツハイマーに侵された主人公は忘れないようにメモをとる。妻の名前、娘の名前、孫の名前。どんなに辛く、悲しい作業だろう。それでも薄れていく記憶。そして… ラストは本当に希望にあふれているのか?私にはわからないし、タイトルの意味も答えを出せずにいる。これから主人公が、そして家族が直面する未来はきっと想像以上に辛いだろう。それでも私は思いたい。明日は必ず来るし、それは決して悲しいだけではないんだと。
【松野満帆・本町店】

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第15位 『夕凪の街 桜の国』こうの史代

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(双葉社/840円/4575297445)

 考えさせられます。ゆっくりと進む何気ない日常を描いた物語の中から、被爆者の忘れられないあの日の出来事。そして生きているというだけで感じてしまう罪悪感。やわらかく描いてあるからこそ、逆に原爆の恐ろしさがこみあげてきます。読むだけでは終わらない。読み終わってからも、いろいろな思いがかけめぐります。
【笹本麻由・札幌本店】

 60年前、ヒロシマの空の下で何があったのか、想像することしかできないわたしたち。この話の舞台は戦後の日本での何気ない日常ですが、主人公の女の子は色々なことを教えてくれます…。「お前がしあわせになんなきゃ姉ちゃんが泣くよ」
【岡部なおみ・札幌本店】

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第16位 『きょうの猫村さん 1』ほしよりこ

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(マガジンハウス/1,200円/4838715951)

 猫なのに家政婦の猫村さん。得意料理はネコムライス。今日も縦結びのエプロン姿で、外国へ行ってしまった坊ちゃんを想って頑張ります。1日ひとコマが積み重なって1冊の漫画になりました。猫好きな人も、そうじゃない人もけなげな猫村さんの今日を覗いて見ませんか?
【渡邊明子・ロフト名古屋店】

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第17位 『容疑者Xの献身』東野圭吾

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(文藝春秋/1,680円/4163238603)

 数字だけが生きがいだった男が、愛する女を守る為に完全犯罪を目論む。ラストにそれまでほとんど感情を表に出さなかった天才数学者が見せる情愛の心はまさに「献身」。誰もが一気読み確実で読者をつかんで離しません。東野ミステリー傑作品。
【M.Y.・MOVIX京都店】

 こんなに切ない愛情表現があるだろうか。数学にしか興味を示さない主人公の頭の回転の良さとは裏腹な純粋な恋愛感情。どんなに難解な公式は計算で解けても人の気持ちは計算通りにはいかないと痛感する1冊です。
【濱岡彩子・福岡本店】

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第17位 『となり町戦争』三崎亜記

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(集英社/1,470円/4087747409)

 日常生活の些細なことが町の中で積み重なり、世界を動かしている。僕があの道を歩いたせいで、見知らぬ誰かが死んだかもしれない。けれど、間接的なことの結果など知る由も無い。僕達は知らぬ間に歯車に組み込まれ加担しているのだ。
【牧野圭祐・新宿南店】

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第19位 『檸檬のころ』豊島ミホ

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(幻冬舎/1,470円/4344007476)

 私の中学、高校時代って普通だった。だけど今思えばちっぽけな事でも、当時は全然普通なんかじゃなく精一杯で一生懸命だった。恋愛だって部活だって勉強だって。地味でいたって普通だった私でも、胸が苦しくなる。そのころの檸檬のように酸っぱい思い出があふれてきた。誰だってそうだと思う。
【森川裕子・福岡本店】

 薦められて読んでみたのです。もう30歳もとうに過ぎてますし高校生の話なんてと思ってましたら・・・驚きです。高校生の時の私がいました。それは現在の私の性格の一部なのですが、恥ずかしくてどの短篇 かは言えません。私はフツーと思う方ぜひ読んでみて下さい。
【吉田裕美・梅田本店】

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第20位 『素数ゼミの謎』吉村 仁・石森愛彦

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(文藝春秋/1,500円/4163672303)

 素数ゼミ???大学のゼミの話やミステリーではありません。聞きなれない言葉ですが、アメリカで大発生するアノ『セミ』の話です。「なぜ13年と17年なのか?」「なぜこんなに長年かけて成虫になるのか?」「なぜこんなにいっぺんに同じ場所で大発生するのか?」この疑問に進化と数学から答えます。
【芝山 亘・福井店】

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第21位 『幸福な食卓』瀬尾まいこ

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(講談社/1,470円/4062126737)

 さり気ないユーモアあふれる文章が魅力です。淡々として読みやすいので気軽に読み進めていたのですが、いつしか大きく心を揺さぶられている自分に気が付きました。この著者の言葉の力はすごい!人と人のつながりの不思議さ、深さ、温かさを思い、勇気が湧いてくる1冊です。
【藤山恵里・梅田本店】

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第22位 『花まんま』朱川湊人

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(文藝春秋/1,650円/4163238409)

 「花まんま」を読んだ人は懐かしいと言う。20代も30代も40代も。パルナスを知っているひとも知らない人も。それは多分、レトロに作られた昭和の町並みを平成生まれの少年少女たちが懐かしいと感じる事に通じる。6つの引出しの中には懐かしさや切なさ、妹を思いやる兄や奇妙な生物、恐ろしい呪文が入っている。その全てに共通するのは「死」と言う重い言葉。しかし、読後は銭湯で飲むラムネのように爽やかだ。優しく耳に残る心地よい関西弁がその理由だと思う。
【松野満帆・本町店】

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第23位 『シリウスの道』藤原伊織

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(文藝春秋/1,799円/4163240209)

 「渾身の一冊」という言葉がこれほどぴったりくる小説はほかにないのでは?人と組織を描き切り、その鮮烈さと酷薄さで痛快で爽快な気分と哀しく切ない気持ちを同時に味わってしまった。
【秋田元二・福岡本店】

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第23位 『決断力』羽生善治

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(角川書店/720円/4047100080)

 棋士とは一体何を考えているのだろう。たとえば情け容赦なく飛車、角を切り捨てて敵陣に突っ込むという局面…これはもはや紛れもない「凶行」ではないか?羽生善治は超然と断言する。「意表を突かれることに驚いてはいけない」。恐ろしいが、将棋的発想への興味は増す。注目。
【柾谷大地・梅田本店】

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第23位 『HAPPY NEWS』日本新聞協会

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(マガジンハウス/1,000円/483871601X)

 「今日も日本のどこかでHAPPY生まれています。」感動っていうほど大げさなものではなく心の養分となりえる記事が結構載っているのです。その一部だけでも覗いてみませんか?それだけで少し心が温まりますよ。
【中山文子・本町店】

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第26位『あの戦争は何だったのか』保阪正康

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(新潮新書/756円/4106101254)

 衝撃的だった。戦後60年の今、世界中で戦争は行なわれ、テロの恐怖におびえている。この一触即発の混沌とした今こそ、あのトキ何があったのか、人々の目に何が映り、耳や心には何が響いたのか、知っておかなければならないように思える。歴史を知り、未来へつなげていくのは今を生きる私達だ。すべての年齢の人に読んでいただきたい1冊。あなたは答えられますか?「あの戦争は何だったのか。」
【高澤敦子・本町店】

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第26位 『希望格差社会』山田昌弘

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(筑摩書房/1,995円/4480863605)

 「宝くじでも当てるしか…」と思っているワタシももはや負け組なのでしょう。親の職業や収入で、子どもの将来はスタート時点で既に差がついている。頑張っても先が見えている今の日本社会を身も蓋もなく分析する一冊。
【齋藤一哉・弘前店】

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第26位 『沼地のある森を抜けて』梨木香歩

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(新潮社/1,890円/4104299057)

 ぬか床がうめく?ファンタジー?半信半疑で読み始めた。ところが、細胞、菌類、遺伝子、生物の授業で習った事が出てくる。読後、あまりに壮大な余韻に引きずり込まれてしまった。一番近い言葉で表わすなら、『感動』だ。人情的ではなく、今ある自分のいのちに感動!ああどこに連れて行ってくれるの?梨木さん!!
【上妻典子・福岡本店】

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第29位 『天使のナイフ』薬丸 岳

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(講談社/1,680円/4062130556)

 子供たちはみんな天使。そして、その天使達は、誰もが、心にナイフを持っている。被害者が、加害者に、そして、その加害者が、やがて被害者になる。少年の犯罪を、加害者と被害者の両面からよく見ていくと、ナイフを持てないズルイ大人達の横顔が…。
【大曽根康雄・MOVIX京都店】

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2005年11月24日

第30位 『本当はちがうんだ日記』穂村 弘

第30位 エッセイ 本当はちがうんだ日記 →bookwebで購入

(集英社/1,470円/4087747662)

 こんなにダメダメな俺は本当の俺じゃない!もっとカッコイイ自分―エスプレッソを心から美味しいと思い、風邪を引いた女の子のお見舞いに気のきいたオシャレな品をさらりと持っていけるデキル男としての人生の、今はリハーサルなのだ・・・。ダメダメな私もそう信じたい。こんな情けない人生は本当じゃないんだ、きっと!・・・で本番はいつ?
【富田静香・福岡本店】

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今年の特別賞!!『くうねるところすむところ』平安寿子

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今年の特別賞!!(文藝春秋/1,750円/4163239901)

 人生変えようと思うなら、これぐらいの力技が必要なのかもしれない。がけっぷちの女二人が、何も分からないのに土建屋の世界に飛び込んで、やっぱり奮闘、死闘の連続。なのに結局、あきれる程の前向きさ、勢い、そして様々な鬱憤のあわせ技で家一軒建ててしまうほどの凄さ。元気になるというよりは、なんだかすっきりする一冊(特に女性の皆様)。
【酒井和美・本町店】

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番外編(POP賞編) 『生きる意味』上田紀行

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(岩波書店/777円/400430931X)

 バブルの時代に土地や株を買ったわけでもなく、被害者でもなく、まして加害者でもなく、なのにこの言い知れぬ閉塞感は何なのだろう。それは 生きる意味の不況 だと著者は言う。幸せを求めることが、いつか絶望に変わらないように。これは今読んで欲しい熱い提言の書です。
【秋山 敬・松山店】

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番外編(POP賞編) 『帰ってきたもてない男』小谷野敦

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(筑摩書房/735円/4480062467)

 ひえ~、あのもてない男が帰ってきた!何!?しかも結婚したのか?え、でも3年で離婚したのか?なんだ、よかった~、やっぱりもてない男はそうでなくっちゃ(不謹慎でごめんなさい)。 で、結婚生活はどうだったの?と聞きたかったのに、「前妻が雇った弁護士から、書くな、書いたら訴える、と言われているから、書けない」ですって(笑)。今回も小谷野節全開!とにかく笑わせてくれます。
【和泉仁士・新宿本店】

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番外編(POP賞編) 『誤読日記』斎藤美奈子

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(朝日新聞社/1,575円/4022500328)

 「本は誤読してなんぼ」、「誤読術さえ身に付ければ、どんな本も無駄にはなりません」といって10箇条の「誤読方法」を紹介した上、ここ約五年間にわたる新刊本約175冊を紹介してます。そういえばこんな新刊あったなあ(今では「消えてしまった」)と思う本から、あのベストセラー書まで、あの斎藤氏独特の語り口調で切りまくるのがとにかく痛快です!抱腹絶倒、読み始めたらとまりません。超オススメです。
【吉田敏恵・新宿本店】

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番外編(POP賞編) 『家族と住まない家―血縁から“暮らし縁”へ』島村八重子・寺田和代

家族と住まない家―血縁から“暮らし縁”へ →bookwebで購入

(春秋社/1,785円/439333504X)

 築150年の古民家に異世代の男女7人が暮らす「松蔭コモンズ」をはじめ、あえて「家族と住まない」ことを選択した10人の住まいと個人史を紹介した本。他人と心地よく生活するための距離感やスキルは、家族との関係を風通しよくするのにも役立つはず。個人的には、20歳男性と60代女性のルームシェアでの暮らしぶりに、「こんなのもあり?」と目からウロコが落ち、ちょっぴり羨ましく思ったりもしたのでした。
【有馬由起子・出版部】

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番外編(POP賞編) 『ケプラー予想』ジョージ・G・スピーロ

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(新潮社/2,520円/4105454013)

 「船倉にもっとも効率よく丸い砲弾を積み込む方法とはどんなものだろう?」一見単純に見える問いであり、解答らしきものも誰が見ても納得できるものでした。しかし、その「解答らしきもの」は本当に正しいのか。それより効率よく積み込む方法がないということを証明できなければ、数学者たちはそれを「解答」とは認めず、それはただの予想に過ぎません。「予想」が「証明」されるまでの約400年のドラマを追った1冊。学生時代数学が苦手だった人、だいじょうぶです。かく言う私も根っからの文系人間ですが楽しめました。
【川村 学・西武大津店】

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番外編(POP賞編) 『踏切趣味』石田 千

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(筑摩書房/1,575円/4480816402)

 中央線と西武新宿線(池袋線でも可)、比べたらどっちが「勝ち」だろう。 知名度、人気度、沿線グルメ度、カルチャー度etc…。まあ、申し訳ないが10戦9勝ぐらいの割合で中央線の勝ちだろう。でもひとつだけ、たったひとつだけ西武線が中央線に絶対負けないものがある。それは「踏切」だ。踏切の数だとか利便性とかそういうことではない。踏切を渡る人、待つ人、そして踏切のすぐ脇から続く名もない商店街から漂うコロッケの匂いとか、その向かいの全然お洒落でない大衆酒場とか、そういうものどもが渾然一体となってつくりだす、いってみれば「踏切を取り巻く情緒」のことだ。踏切で待つこと。そんな状況がゆったりと楽しくなる一冊。
【酒井雄三・新宿本店】

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番外編(POP賞編) 『嗤う日本の「ナショナリズム」』北田暁大

嗤う日本の「ナショナリズム」 →bookwebで購入

(NHK出版/1,071円/4140910240)

 71年生まれの新進気鋭の社会学者による60‐00年代論。革命を夢見ることを世代的に許されず、コピーライターがこの世を皮肉る時代をリアルタイムで理解するには幼すぎ、「俺たちひょうきん族」にはかろうじて引っかかった筆者はかように若い。ついこの間のことと思っていたけれど、いよいよまじめに80年代以降が「回顧」されだした!
【奥平 亨・経理部】

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番外編(POP賞編) 『蜂起』森巣 博

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(金曜日/1,890円/4906605028)

 徹夜必至の、テロリズム推奨、娯楽とエロス満載の非国民小説。国家とか、国民とか、民族とか、セキュリティとか、ええい纏めて粉砕じゃあ、といわんばかりの『ナショナリズムの克服』実践篇。小泉首相じゃないけれど、テロだって「やればできる」のよ。
【松野享一・洋書部】

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番外編(POP賞編) 『ポーの話』いしいしんじ

ポーの話 →bookwebで購入

(新潮社/1,890円/4104363014)

 うなぎ女、ひまし油、メリーゴーランド、うみうし娘…。妖しい名を持つものたちとの交流の中で少年ポーは何を見、聞き、感じたか。清濁併せ呑む世界の中でポーは成長していく。世の中には色んな人間の色々な物語が存在し、その人だけの“たいせつなもの”がある。それは決して善悪だけでは図りきれない。この世界に生きている全てのものを愛しいと思うことが出来る1冊です。
【豊田夏絵・本町店】

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