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2007年07月22日

『研究計画書の考え方 大学院を目指す人のために』 妹尾堅一郎(ダイヤモンド社)

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「論文を書いたことがない人にも、分かりやすく丁寧な解説書」

まずは、日本電子出版協会(JEPA)第一回電子出版賞の部門賞、
オリジナル・サービス賞の受賞を祝って。

《書評空間》のスタッフの皆さん、そして評者の先生方、
おめでとうございます。

前回、ご紹介した京都新聞の『折れない葦』といい、
ここのところ、身近な関係者の吉報が相次ぐので、
まるで自分が、何か良い兆候をもたらす使者のような、
誇らしい気持ちになってくる。
他人の成功まで、自分のおかげだと思える私は、
苦労性の人たちには申し訳ないが、お得な性格かもしれない。

そういえば、

うちの大学院、
立命館大学大学院先端総合学術研究科も、
グローバルCOEに当たりました。

これもまた、有能でハートフルな先生たちを
叱咤激励して働かせた私(たち)のおかげだと
内心、素直に喜んだ私だ。

プロジェクト名は、「生存学創生拠点」
指導教員の立岩真也氏が、応募書類を書くために
昨年末頃から相当エンジンかかっていたのは、よく知っている。

病気や障害の当事者が大勢集まってくるこの研究科において、
「障老病異と共に暮らす世界の創造」とは、すなわち、
<障害者>と<老人>と<病人>と<異形の者>の
自由と平等のための研究を志すことである。
しかし、別の見方をすれば、
貧乏な院生たちの「生存」のために、研究というお仕事を創出し、
「院生と共に暮らせる大学院を創造」したいから、
先生たちが頑張った、という涙ぐましい側面もある。

明日は、大阪でうちの大学院の入試説明会が催されるそうだ。
ここのところ、私みたいな中年大学院生は珍しくもないが、
大学院側にとっては、就職指導の手間も省ける、よい客筋であろう。
でもまさかこの齢になって、自分が大学院に進学するとは、
立岩先生にお声かけていただくまでは思ってもみなかった。

というのも、私が大学生だった頃、1980年代は、
フツウのオンナの人生は、短大や大学の卒業時が最初の分岐点で、
大企業に就職してよい人を見つけて身を固め、良妻賢母のフリをするか、
あるいは、当時流行だった「とんでるオンナ」、そして「結婚しない女」になって
キャリアを目指すフリをするか。そのどちらかの選択肢しか私にはなく、
大学院に進学できるなどは、よほどの秀才か、金持ちの娘だった。
私の父は、いつか嫁にやる娘の学費こそ、出し渋っていたので
義務教育以降のアカデミズムは、贅沢品だった。
だから、二者択一ならば、私は前者の仁義を切り、
22歳、大学を卒業した年に結婚をして、足立区は北千住のアパートに住み、
初めて親元を離れる自由を獲得した。

さて、今回は書評というよりも、大学院を目指す人に良書を紹介する。
ALSの社会学的研究などは、一種のキワモノ研究なので、珍しがられて、
たぶん、何を書いても通してもらえるとは思ったのだが、
自己推薦枠のトライアルではあっても、一通りの研究報告書が
書けるようになりたいと思って、参考にした本がある。

そしたら、後になってわかったのだが、他の院生もその本が役に立ったと
言っていた。だから、たぶんこの手の本では秀逸な一冊である。

先端研に入院して4年、どちらかといえば、先生たちを大学の外で
引き摺り回して、運動の拡大に成功した。
おかげさまで、今年は国から当事者参加型アクションリサーチのために、
たくさんの研究費をいただいた。
先生はじめ関係者の皆さん、
私の研究対象になってくれた母に感謝。
これも受賞といえば、受賞のようなものではある。

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