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2009年09月30日

『日本の植民地建築――帝国に築かれたネットワーク』西澤泰彦(河出書房新社)

日本の植民地建築――帝国に築かれたネットワーク →bookwebで購入

「河出ブックス」の創刊ラインナップ紹介、最後の6点目は、西澤泰彦さんの『日本の植民地建築――帝国に築かれたネットワーク』です。

西澤さんは、名古屋大学大学院環境学研究科准教授。専攻は建築史。2009年日本建築学会賞(論文)を受賞されています。

今回の本は、日本帝国の植民地支配の背景にあった、人・物・情報のネットワークに着目。建築を鍵として、支配の実態と深度を問い直してゆきます。タブーが解けつつあるなか植民地文化研究が活発化していますが、そうした文脈においても注目の一冊です。

西澤さんから読者のみなさんへのメッセージです。

「20世紀前半に日本が支配した地域に建てられた建築を通して、日本の支配を実感してほしい。また、植民地建築をとりまく変化を通して、建築に対する複眼的、総合的な評価の重要性を考えてほしい。地球環境や居住環境の破壊の元凶となってきたスクラップ・アンド・ビルドの発想から脱却する鍵がそこにあると思う。」

目次(章タイトル)は以下のとおりです。

はじめに
序章 なぜ植民地建築を語るのか
第1章 植民地建築
第2章 支配機関の建築組織と建築家
第3章 植民地建築を支えた物
第4章 植民地建築を支えた情報
第5章 植民地建築とネットワーク
終章 植民地建築のその後
あとがき

*****

西澤泰彦の、「この〈選書〉がすごい!」

①岡本哲志『銀座四百年――都市空間の歴史』講談社選書メチエ、2006年
日本を代表する商業地銀座の歴史を都市空間や建築の変遷を題材に語っていること、江戸時代と明治時代以降についても断絶なく語っていること、の2点によって、銀座の歴史と街としての特徴がよくわかる。また、街区や個々の敷地の変遷の具体例、建物の具体例、雨宿り場所として存在した庇地の所有の曖昧さの具体例を示して、都市の変化を3次元的な都市空間の変化として示した点が優れている。そして、その結果を基に銀座の未来を語ろうとする点も重要である。抽象的で空虚な都市論を語る評論家や政治家にぜひ読ませたい本でもある。帯の言葉を借りれば「銀座の空気」がよくわかる本。

②山室信一『憲法9条の思想水脈』朝日選書、2007年
法思想史を専門とする著者が、平和憲法の根幹である日本国憲法第9条法を支える思想が成立した背景(思想水脈)を説明し、その思想の重要性を訴えた本。現行の日本国憲法をGHQの押しつけであるとする主張に対して、非戦、不戦の思想が西洋だけでなく、日本においても幕末から連綿と存在してきたことを示すことで、「押し付け論」を明快に排除している。また、法を裏打ちする思想の重要さを示すことで、法を単なる規程として扱うのではなく、社会規範として扱い、それを通して、平和を希求する思想の普遍性を訴えているところに共感を覚える。

③原田勝正『鉄道と近代化』歴史文化ライブラリー(吉川弘文館)1998年
鉄道という社会基盤施設が、日本の社会・文化の近代化に果たした役割を論じた本。鉄道を単なるモノとして扱うのではなく、鉄道が有する政治性、経済性、社会性、文化性に着目し、鉄道と国家権力との関係、鉄道建設による社会の変化と鉄道建設の技術が示す社会の近代化を論じたところが大いに参考になった。また、鉄道というモノが社会と文化を示すという視点は、拙著『図説満鉄』(河出書房新社、2000年)執筆のヒントのひとつとなった。



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2009年09月27日

『脳科学の真実――脳研究者は何を考えているか』坂井克之(河出書房新社)

脳科学の真実――脳研究者は何を考えているか →bookwebで購入

「河出ブックス」の創刊ラインナップ紹介、5点目は坂井克之さんの『脳科学の真実――脳研究者は何を考えているか』です。

坂井さんは、東京大学大学院医学系研究科准教授。専攻は認知神経科学。ヒトの心の働きの脳内メカニズムを脳画像を用いて研究されています。

近年すっかりお茶の間に浸透した観のある「脳科学」。そのブームに潜む危うさに、第一線の脳研究者が迫ります。しかし、単にあら探しをするのではなく、脳研究の現状をフェアに見つめている点が読みどころです。

坂井さんから読者のみなさんへのメッセージです。

「最近、同じ業界の人たちによく言われるんです。『今、巷であやしい脳科学がいっぱい出回ってるよね。黙って見てるだけでいいの?』
これに対して『もうすぐ本を出すから待ってて』と私が言い続けてきた本がこちらです。これは脳研究の現場にいる人間として、今、書かなければいけない本なのです。皆さんが今、読まなければいけない、とは申しません。でも読んでくださるとうれしいです。」

目次(章タイトル)は以下のとおりです。

はじめに メジャー化した脳科学
第一章 脳科学ブームの立役者
第二章 未来技術としての読脳術
第三章 リアリティーのある研究成果
第四章 脳科学のレトリック
第五章 研究者のダークサイド
第六章 ちいさなマニフェスト
あとがき
 
「お茶の間の脳科学」と「脳研究の現場」とのあいだの、近くて遠い距離感がよくわかる一冊です。

*****

坂井克之の、「この〈選書〉がすごい!」

①伊藤正男『脳の設計図』自然選書(中央公論社)1980年 
私が大学生のときに何度も繰り返して読んだ本です。ずいぶん前に出されたものですし、内容も選書というよりは専門書に近いものです。専門外の人にはとっつきにくいように感じられるかもしれません。でも、この本を読んでいたころ、私は脳に多少の興味を持ってはいましたが、将来は外科医になろうと思っていました。この意味では当時の私にとっても専門外の本だったわけです。それでも腰をすえて読み進めると、途中で本を置くことができなくなってしまいました。今、試しに読み返してみると、また途中で本を置くことができなくなってしまいました。おかげで事務書類の提出が間に合わなくなりそうです。どうしてくれる! 最近の脳研究の発展により(この過程で伊藤先生の超人的な努力があったわけですが)、この本が書かれた当時に比べてはるかに多くのことがわかってきています。それでもなお、強力な磁力を持っている本です。脳の仕組みについてわかっている事実を、いたずらに誇張することなく淡々と、しかし堅牢な論理で積み重ねてゆくことの凄み、この本はそれを感じさせてくれます。

②杉山直『宇宙 その始まりから終わりへ』朝日選書、2003年
暗黒物質、暗黒エネルギー。SFの世界のようなこれらの用語が、現在の宇宙物理学の最先端のホットトピックであることを、杉山さんに教えてもらいました。E=mc2、ニュートリノ、超ひも理論といった言葉は聞いたことがあるものの、それについて書かれた解説を読んでもすぐになんのことやらわからなくなり、途方にくれてしまうのがしばしばでした。でも杉山さんのこの本にはついてゆけます。宇宙のはじまり、宇宙の果て、宇宙の構造といったテーマについての杉山さんの語りは、バッハのバイオリン・ソナタのように緩急に富んだ心地よさを感じさせるとともに、ぐいぐい読む者を引き込んでゆきます。ふと気づくと10のマイナス25乗秒から137億年までの世界、そして10のマイナス15乗ミリメートルから4000万光年までの世界へ旅しているのです。わかりやすい本とは言葉遣いの平易さではなく、読む人の身になって書くという心遣いによるものだと私は思います。この本は選書としてのあるべき姿を見せてくれます。


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2009年09月25日

『検閲と文学――1920年代の攻防』紅野謙介(河出書房新社)

検閲と文学――1920年代の攻防 →bookwebで購入

「河出ブックス」の創刊ラインナップ紹介を続けていきます。紅野謙介さんの『検閲と文学――1920年代の攻防』です。

紅野さんは、日本大学文理学部教授。専攻は日本近代文学。メディア環境や多様な文化のひろがりのなかで文学をとらえる試みを続けていらっしゃいます。

大正から昭和へと時代が移り変わる激動のさなか、検閲の嵐が文学を直撃するのですが、その渦中の人間ドラマを描いてゆくのが今回の本です。頻繁に検閲処分を受けた『改造』を中心に、円本(文学全集)誕生の経緯も交えながら、文学史の裏面に迫ります。

紅野さんから読者のみなさんへのメッセージです。

「本格的な言論統制の前夜、権力による検閲に対して文学者や出版人は政治的な立場をべつに、広範な抗議運動を展開しました。その顚末を追いかけた本書は大正末から昭和初期を背景にした日本近代文学史・検閲暗闘編のつもりです。」

目次(章タイトル)は以下のとおりです。

はじめに
第1章 検閲へのアプローチ
第2章 出版法と新聞紙法
第3章 山本實彦と雑誌『改造』創刊
第4章 「内閲」という慣行
第5章 二つの戯曲――藤森成吉「犠牲」と倉田百三「赤い霊魂」
第6章 一九二六年七月のミステリー
第7章 文藝家協会と発売禁止防止期成同盟
第8章 抗議運動の亀裂と円本の登場
第9章 中里介山『夢殿』と切取り削除
あとがき

第6章の「ミステリー」とは!?

*****

紅野謙介の、「この〈選書〉がすごい!」

「筑摩叢書や新潮選書もいいですが、網野善彦『無縁・公界・楽』や藤田省三『精神史的考察』、鶴見俊輔『太夫才蔵伝』など、それぞれの著者の代表作となっているものが並ぶ平凡社選書が企画と編集、それに応えた著者と三拍子そろって感嘆ものです。」

地に足のついた企画の数々は、わが河出ブックスも大いに見習いたいところです。


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2009年09月22日

『「格差」の戦後史――階級社会 日本の履歴書』橋本健二(河出書房新社)

「格差」の戦後史――階級社会 日本の履歴書 →bookwebで購入

「河出ブックス」の創刊ラインナップ紹介、続いては、橋本健二さんの『「格差」の戦後史――階級社会 日本の履歴書』です。

橋本さんは、武蔵大学社会学部教授。専攻は社会学。データを駆使して日本社会の階級構造を浮き彫りにする研究を積み重ねられており、また、趣味と研究を兼ねて「居酒屋考現学」を提唱されています。

今回の本は、近年活発になっている格差や貧困をめぐる論議に「戦後」という少し長いスパンの視点を与えると同時に、同じく近年活発になっている戦後史の問い直しという文脈には「格差」という切り口を与える、非常に参照のしがいのある日本社会論必携の一冊です。

橋本さんから読者のみなさんへのメッセージです。

「戦後復興期、高度成長期を経て現代にいたるまで、それぞれの時期にはその時代に特有の格差があり、これが政治や社会のあり方に大きな影響を与えてきました。本書は、格差という視点から戦後日本の全体像を描こうとしたもの。戦後史の概説書としても、楽しく読んでいただけると思います。」

目次(章タイトル)は以下のとおりです。

序 章 舞台装置は階級構造――「フィガロの結婚」と「天国と地獄」をめぐって
第1章 格差をどうとらえるか
第2章 格差縮小から格差拡大へ――戦後日本のメガトレンド
第3章 貧しさからの出発――敗戦から1950年まで
第4章 「もはや戦後ではない」――1950年代
第5章 青春時代の格差社会――1960年代
第6章 「一億総中流」のなかの格差――1970年代
第7章 格差拡大の始まり――1980年代
第8章 日本社会の再編成――1990年代
第9章 新しい階級社会の形成――2000年代

ぜひ押さえておきたいデータも満載です。

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橋本健二の、「この〈選書〉がすごい!」

①石井寛治『日本の産業革命――日清・日露戦争から考える』朝日選書、1997年
日本経済史の大家が、長年の研究成果を惜しげもなく詰め込んだ一冊。近現代史の、まさに必読書です。

②岡本哲志『銀座四百年――都市空間の歴史』講談社選書メチエ、2006年
著者がライフワークとする、銀座研究の成果をわかりやすくまとめたもの。豊富な地図や建物の図解は、文庫や新書には収められない精密なもので、選書ならではの企画です。


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2009年09月17日

『教養としての日本宗教事件史』島田裕巳(河出書房新社)

教養としての日本宗教事件史 →bookwebで購入

「河出ブックス」の創刊ラインナップを順次ご紹介しています。
〈選書〉という器全体が盛り上がってほしいという願いを込めて、各著者に「この〈選書〉がすごい!」という推薦の〈選書〉を挙げていただいていますので、そちらもお楽しみください。

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続いてのタイトルは、島田裕巳さんの『教養としての日本宗教事件史』です。

島田さんは、宗教学者・文筆家。新宗教教団の研究をはじめ、幅広い視野から現代社会のありようを問う著作を多数出されています。

執筆依頼に際しての私の関心事は、新宗教、すなわち比較的新しい時代の宗教の実像をわかりやすく解説してくれる島田さんが、日本の宗教史全体を書くとしたらどんなものになるだろう、という極めて素朴なものでした。
それを島田さんは、「宗教とは本来、スキャンダラスなものである」という、強力かつ魅力的な視点のもと、24章構成の「事件史」として編み上げてくださいました。

島田さんから読者のみなさんへのメッセージです。

「宗教は、相当にスキャンダラスなものだと思う。それも宗教が、人間のこころの底にある深い部分、闇の部分にとどくものだからだ。そうした観点から、日本の宗教の歴史を見直すとどうなるのか。今回の試みは、それを目的にしている。」

目次(章タイトル)は以下のとおりです。

まえがき
1 新しくやって来た仏教とそれを迎え撃つ神道との対決
2 大仏開眼という国際的イベントと環境破壊
3 命をかけて海を渡ってきた鑑真は本望をとげたのか
4 空海と最澄との戦いはけっきょくどちらが勝利したのか
5 往生への異様な情熱が時代を席捲する
6 日蓮の真の敵は空海だった
7 蓮如がいなかったら親鸞は生き残ったか
8 茶道はドラッグとして輸入された
9 禅寺で中国語が使われていた深いわけ
10 日本を一挙に近代化した織田信長の蛮行
11 キリシタンは日本をキリスト教化する可能性を持っていたのか
12 人を神として祀ることは冒涜ではないのか
13 出開帳という新しいビジネス・モデルの登場
14 宗教バブルとしてのお蔭参り
15 廃仏毀釈に飲み込まれた大寺院
16 宗教的原理主義の先駆けとしての明治政府
17 天理教は天皇制に対抗したのか
18 熱病のように広がった聖霊降臨
19 徹底して弾圧された大本の真の野望は
20 宗教国家としての満州国と日蓮主義
21 天皇の人間宣言は何を意味したのか
22 踊る宗教と戦う宗教が戦後日本を変える
23 地球温暖化と戦う明治神宮
24 お一人様宗教の時代
あとがき

さあ、どこから読みましょう?

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島田裕巳の、「この〈選書〉がすごい!」

①国末憲人『サルコジ――マーケティングで政治を変えた大統領』新潮選書、2009年
これからの政治家はいかにスキャンダラスな人間でなければならないのか。

②釈徹宗『不干斎ハビアン――神も仏も棄てた宗教者』新潮選書、2009年
仏教を捨てキリスト教を捨てた、それこそスキャンダラスな宗教家の生き方が。


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2009年09月15日

『読者はどこにいるのか――書物の中の私たち』石原千秋(河出書房新社)

読者はどこにいるのか――書物の中の私たち →bookwebで購入

これから「河出ブックス」の創刊ラインナップを順次ご紹介していきます。
今回の創刊に際して、勝手ながら、ひとり「河出ブックス」だけでなく、〈選書〉という器全体が盛り上がってほしいという願いを持っております。そこで、各著者に「この〈選書〉がすごい!」という推薦の〈選書〉を挙げていただくことにしました。こちらもお楽しみください。

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まずは、石原千秋さんの『読者はどこにいるのか――書物の中の私たち』です。

石原さんは、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専攻は日本近代文学。夏目漱石から村上春樹まで、小説の斬新な読解に定評があり、受験国語に関する著書も多数お持ちです。

今回の本は、石原さんの作品読解の肝である「読者論」のエッセンスをギュッと凝縮していただきました。一方では生身の人間でありながら、一方では作品テクスト内の一機能である「読者」。その奥深き世界に読者をいざなってくれます。

石原さんから読者のみなさんへのメッセージです。

「いま、私たち大衆にとっては黙読が自然な本の読み方ですが、そういう私たちは書物の中でどのように振る舞っているのか、あるいは振る舞えばいいのか。ふだんはあまり意識しない読者の振る舞いについて、なぜ「読者」がテーマとなったのかというところまで遡って書いてみました。」

目次(章タイトル)は以下のとおりです。

はじめに 
第一章 読者がいない読書
第二章 なぜ読者が問題となったのか
第三章 近代読者の誕生
第四章 リアリズム小説と読者
第五章 読者にできる仕事
第六章 語り手という代理人
第七章 性別のある読者
第八章 近代文学は終わらない
おわりに

どうぞご期待ください!

*****

石原千秋の、「この〈選書〉がすごい!」

①江藤淳『漱石とその時代 第一部・第二部』新潮選書、1970年
作品論全盛の時代に、時代の中に漱石を位置づける試みは画期的でした。これを超える「時代の中の漱石」は、私のライフワークとして遠くにあります。

②小島毅『近代日本の陽明学』講談社選書メチエ、2006年
ちょっとした雑書にも「生存競争」という言葉が出てくるように、近代日本は強烈な社会進化論パラダイムの中で成立しましたが、水戸学派の陽明学も近代成立に深く関わっていたというのです。虚をつかれたような本でした。

③菅野仁『ジンメル・つながりの哲学』NHKブックス、2003年
「社会学の基礎を築いたジンメル」を手がかりに、「ほんとうの私」について考えたり、「秘密」「闘争」「貨幣」というジンメル社会学のキーワードから現代的課題を考察したりしています。良質の社会学入門です。


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2009年09月12日

「河出ブックス」創刊記念トークセッションのご案内

ひとつご案内です。
10月15日に、創刊記念トークセッションを開催いたします!
もしよろしければ、お誘い合わせのうえ、お越しください。

パネラーは、
創刊ラインナップに加わってくださった、石原千秋さん、島田裕巳さん、
そして、目下、河出ブックス執筆中の、五十嵐太郎さん、永江朗さんの4人。

執筆依頼が絶えず、すぐれた新書の書き手でもあるみなさんが、新書ブームの功罪をどう捉えているのか、「選書」の可能性をどのように感じているのかはぜひ聞いてみたいところです。
ニューアカ以降の思想界の流れ、オウム事件の残したもの、村上春樹『1Q84』を含む最近の文学・批評の動向などなど、話題はきっと多岐にわたることでしょう。
それこそジャンルをまたいで連鎖する対話の化学反応にご期待ください。

* * *

第59回紀伊國屋サザンセミナー
「河出ブックス」創刊記念トークセッション

「いまこそ〈教養〉を編み直す
新書から選書へ――新たなフロンティアへの招待」

■出演 石原千秋 島田裕巳 五十嵐太郎 永江朗
■日時 10月15日(木) 19:00開演(18:30開場)
■会場 新宿・紀伊國屋サザンシアター(紀伊國屋書店 新宿南店7階)
■料金 1,000円(全席自由、税込)
■チケット前売所
キノチケットカウンター(新宿本店5階/受付時間10:00~18:30)
紀伊國屋サザンシアター(新宿南店7階/受付時間10:00~18:30)
■電話予約・お問合せ 紀伊國屋サザンシアター(TEL 03-5361-3321、10:00~18:30)
■共催 河出書房新社/紀伊國屋書店
■サイン会開催
当日、会場ロビーにて、石原千秋『読者はどこにいるのか』(河出書房新社、税込1,260円、2009年10月発売予定)、または、島田裕巳『教養としての日本宗教事件史』(河出書房新社、税込1,260円、2009年10月発売予定)をお買い上げの先着150名様に整理券を配布いたします。

■講師略歴
○石原千秋:1955年生。早稲田大学教育・総合科学学術院教授(日本近代文学)。『漱石と三人の読者』『教養としての大学受験国語』ほか。河出ブックスの創刊に『読者はどこにいるのか』を執筆。
○島田裕巳:1953年生。宗教学者。文筆家。『日本の10大新宗教』『創価学会』ほか。河出ブックスの創刊に『教養としての日本宗教事件史』を執筆。
○五十嵐太郎:1967年生。東北大学教授(建築史・建築評論)。『新編 新宗教と巨大建築』『現代建築に関する16章』ほか。河出ブックスでは『戦後日本建築家列伝(仮)』を執筆中。
○永江朗:1958年生。フリーライター・評論家。『批評の事情』『〈不良〉のための文章術』ほか。河出ブックスでは『タブーと発禁の出版文化史(仮)』を執筆中。


2009年09月10日

「河出ブックス」創刊まで、あと1ヶ月。

こんにちは。河出書房新社編集部の藤﨑と申します。
しばらくのあいだ、この書評空間にお邪魔することになりました。 どうぞよろしくお願いします。

さっそくですが、私ども河出書房新社では、10月10日、「河出ブックス」という新シリーズを創刊します!

いまや新書ブームは飽和状態をきたしていると言われます。生き方本やハウツー本、タレント本や政治家本にまで裾野は広がりましたが(選択肢が広がったこと自体は悪いことではないと思います)、もう少し歯ごたえのあるものを読んでいきたいという読者の方も多いことでしょう。

読み捨てられてしまう本が多いいまだからこそ、質を落としたり薄めたりせずに、しかし知的好奇心を刺激するテーマの本たちをそろえることで、読者の知への渇望に応えたい――河出ブックスは、そのようなねらいを持ったシリーズです。

河出ブックスはジャンルを限定しません。多角的に本をそろえることで、読者の「知りたい」が、ジャンルをまたいで次の「知りたい」に連鎖していくような場を理想としています。

判型はB6判。ソフトカバーです。俗に「選書」と呼ばれている器です。いわゆる選書は、新書と専門書の中間的な役割を果たしていると目されていますが、もっと脚光を浴びてよいポテンシャルを秘めていると思います。そのことを、河出ブックスのラインナップを通じて示していきたいと考えています。

創刊時には、以下の6点を一挙に刊行いたします(定価:各1260円[税込])。

●石原千秋『読者はどこにいるのか――書物の中の私たち』
●島田裕巳『教養としての日本宗教事件史』
●橋本健二『「格差」の戦後史――階級社会 日本の履歴書』
●紅野謙介『検閲と文学――1920年代の攻防』
●坂井克之『脳科学の真実――脳研究者は何を考えているか』
●西澤泰彦『日本の植民地建築――帝国に築かれたネットワーク』

今後、この創刊ラインナップから順次、紹介していきます。
河出が贈る、知の蓄積と新たな胎動にご期待ください。