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2005年06月29日

『双子座ピアニストは二重人格?』(音楽之友社)

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いつもながら、青柳の文章を読むとスカッとする。状況に応じた単語の選択と表現のセンスが秀逸なのだ。言わんとすることの雰囲気がストレートに感じられる。文章のリズム感も絶妙だ。この本にはこうした爽快さが満載されている上に、多岐にわたる音楽シーンを堪能できる、というのがたまらなく嬉しい。

そもそも音楽を言葉で説明するのは難しい。言葉にできないからこそ、音に託すと伝わる、というのも真だろう。音楽教師の能力は、この曖昧模糊としたものをいかに言葉によって明快に説明できるか、ということによっても評価できよう。

音楽について書かれた文章は、およそ名曲解説のように無表情で難解な文脈によって、音楽を理解しようと努力する人々を音楽嫌いにしたり、褒めたいのかけなしたいのかわからないのらりくらりとした批評家の“迷文”がいたずらに演奏家の不安感をあおったり、まっとうでないものが少なくない。そんな時に青柳の文章に接すると、「あ〜今日は、酒も、メシも、実にうまいッ」と高揚した気分になれるのだ。

文章の切れ味だけではない。その内容も貴重である。修士論文のテーマを捜している音楽専攻の大学院生に青柳のエッセイを読ませると「ああ、こういう切り口もあったのか」と示唆されることが多い。

ところで青柳の本業は文筆家ではなくピアニストである。それともその逆??

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2005年06月14日

『完全禁煙マニュアル』(PHP研究所)

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見てわかるとおり、これは音楽の本ではない。タバコをやめたい、と思っている人へのガイドブックだ。タバコはもはや“個人の嗜好”として片づけられる問題ではない世の中である。

このマニュアルはインターネットを通じてサポートする「禁煙マラソン」という禁煙システムの提唱者である医師の高橋と、マラソン事務局長の三浦によってまとめられた「禁煙のコツ」のコンデンスである。何を言う、この私がこの方法でタバコをやめられたのだから、自信を持って声高らかに「これはいい!」と叫びたい。

私がいたずらでこっそりタバコに火をつけてみたのは小学生の時だった。あの煙を吸い込むとは思いもつかず、タバコに息を吹き込んで火を絶やさないようにしたのを覚えている。その後15歳で「お、吸い込むのか」と理解し、親には内緒ながら16歳から本式にスタートした。日本ではまだ法律違反の年齢だが、留学地として選んだウィーンでは合法だった。それ以来だから、筋金入りのスモーカーだったとも言える。葉巻もやったし、パイプもやった。ライターにもそれなりの金をかけた。

それでもやめられたのだ。やめてよかった、と本心思う。過去の自分は棚に上げて、喫煙者の臭さにへきえきしている今日この頃である。「やめてみようかな」でも良い。決断は先送りするとして、とりあえずこの本をぜひ読んでいただきたい。

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