« 2006年09月 | メイン | 2007年04月 »

2006年10月31日

『若者たち、三部作』
「若者たち」「若者はゆく」「若者の旗」
 森川時久【監督】田中邦衛【出演】
 (ジェネオンエンタテインメント)

若者たち、三部作 →bookwebで購入
BGM(Nickel Back/Silver Side Up:25周年記念スペシャル・エディション(2005))

「品(ひん)でしょうかね
 結局のところ
 品格の前の清潔清楚な品」


さよならはもう言った
もう何も言う事はない

小さな教会、小さな街
涙さえ流さず
俺が望んだものじゃない
何もかも大嫌いだ

俺の人生はずっと負け犬だった
この先変わる予定もない
この問題を扱える女なんか
この世にいるわけがない

何もかも
何もかも
全部大嫌いだ
(Nickel Back "Live at Home" から)

*****
私は何故何もやらないのだろう?
私はあれから結局は何もやっていない。何もやる気が起こらず、そして結局は何もやらず、そのまま人一倍、人十倍、人百倍働いて、それが何だという。つまりは病気で、偉くも何ともなく、要は要領が悪いだけの滑稽な人種なのか。強烈なストレスの間に、観えてくるものがあってもよさそうで、多分、座禅にも似た、トランス状態で観えてくるもの。
ノーベル賞を取る暇もなく、燃え尽き症候群になる暇もなく、その後者の方が切実で、全くやる気のない何もかも全部大嫌いな目覚めを、5分位の内に人一倍やる気に満ちた状態にしなければやってられない歯をくいしばる朝の3時4時5時、そして5時55分の前の数分間。強烈なストレスにいつ死んでもおかしくなくて、自分でも笑える。

こういう生活では自分自ら、それ以上のストレスを与えないと自分の存在価値 がなくなる。三島由紀夫もトレントレズナーも同じで、だから最低限トレセン以上そこそこハーフマラソン程度、そうでもしないと明日にでも今にでも自滅してしまいそうな自分がいて、アクセルを踏み抜いて壁に激突する自分が見えて、■■を見ると吐き気がして、なので自分に不条理な負荷を与えて苦しみを耐え抜く。シドニーだろうがプサンだろうが出張中で一番かさばる荷物はトレーニングシューズで、そうすれば3時か4時に起きても、そのままのストレスを皆殺しする感覚である程度普通に戻ることができる。トランス状態にあることからは逃れられないが。

*****
先週はいつもの怒濤の1週間で、今日は今日でまた前回同様上原ひろみは30秒もしない内に売り切れて、人見記念講堂はガデス以来で、それも外れて、でも、その経験を活かして追加公演では天井桟敷の上から3番目をかろうじて確保したが、今朝も5〜10秒で売り切れた。
今日はスロバキアからポルトガルへ、アルディメオラとのセッションはあったのだろうか。

*****
毎日のほんの小さな違い、小さな選択の違いが、後に大きな違いになることは本当で、本当に早くその違いが観えなければなりませんが、大半はその小さな違いに気づかず、結局はどうにもならないという現実、それ以前にその自分に気がつかないという現実。時に観えて、観えると困ることもあって、でも、どう取り繕っても観えてしまって、何も言わず、何も言わず、いいんですか、と思いつつ、何も言わず、いいんでしょうね、と流してしまう。いいんでしょうね?
私の守護神は人一倍厳しくて、困難な条件設定を超え、視力を落とし、右耳を難聴にし、左奥歯を欠き、左足をひね、内臓にまで及ぶ。
要は選択を間違わないという、全くやる気がなくても、この30年間それだけの繰り返しで、自分は何をやってきたのか。

*****
大学に入り、バレー部に入り、初めての夏合宿で十和田湖に行きました。
初日も初日、合宿所に着いたその日の午後に、監督の先導で長距離ランニングに出ました。それも合宿所は山の上にあり、行けども行けども下りの道を1時間位は走っただろうか。長距離の苦手な私は一番後からやっとのことでついて行って、皆は既に終点に到着していて、私が一番遅れて到着し、膝に手を当て、あごをつたって地面に落ちる汗を見ながら肩で息をしていると「さあて行くか」と復路が始まりました。私は復路の半分にも満たないところから両足がつって、つった足を休めては、膝に手を当て地面にたまる汗を見ながら、そして見上げると仲間は遥か上を走り、そして走り出す、その繰り返し。5mもしない内に足がまたつり、何時間もかけて合宿所に戻りました。
その後、意識もうろうとした夜の練習も終り、新入生は2段ベットの上で、目の前の天井のシミとスピーカーを見ながら歯をくいしばって寝るという。そして毎朝6時には起床のアナウンスに続いて「若者たち」の曲が流れました。

君のゆく道は 果てしなく遠い
だのになぜ 歯をくいしばり
君はゆくのか そんなにしてまで

君のあの人は 今はもういない
だのになぜ なにを探して
君はゆくのか あてもないのに

朝起きる時も歯をくいしばり、5分位の内に400mトラックのグランドに集合して、人一倍やる気に満ちた状態にしなければやってられない歯をくいしばるランニングで始まる生活、これを知らないやつらには絶対に負けない、そう信じて歯をくいしばって今まで来た。
あれから30年、自分はあれから結局は何もやっていない。私は30年間、結局は何もやってこなかった、その罪悪感にさいなまれる毎日。

→bookwebで購入