ごあいさつ

私たち阪大生は、書評空間で書評ブログを書く書くことにしました。

本との出会いは一生のうちに何度もあります。
その出会いの中には、どうしても忘れられないものがきっと誰にでもあることでしょう。
私たちはそれに着目し、ライフステージごとに設定した5つのテーマについて大阪大学の学生や教職員から、本との出会いや思い出について紹介してもらいました。
誰かのアルバムの1ページをそっとめくるような、そんな気持ちでご覧ください。
大阪ならではの個性が光る「オモロイ」書評集が出来上がりました。

また、各テーマを順に見ていくと、ひとつの人生が浮かび上がってくる、という仕掛けにもなっています。
あなたの人生や、誰かの人生に思いを馳せながら、そのような視点からもお楽しみください。
本を紹介した誰かの人生だけでなく、あなたの人生にも彩りを加えてくれる、そんな1冊との出会いが、このページから生まれれば何より嬉しく思います。

大阪大学 「ショセキカ」プロジェクト一同

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2013年10月01日

リバーズ・エッジ/岡崎京子

リバーズ・エッジ
岡崎京子

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
4/27/2013 1:19:55
文学部人文学科比較文学専修
3年生・男性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

リバーズ・エッジ/岡崎京子

その本はいつ読みましたか?

大学一年の夏

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

少年と少女たちはセイタカアワダチソウが生い茂っている河原で死体を見つけた。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

今、現在進行形で学んでいるのは、広い視野を持つこと。そして物事の裏側に気付く目を養うこと。そしてそれを文学の理解に生かすこと。
成長しているかどうかはまだ分からない。相変わらずペーペーなのは確かだ。ただ、それらが尽く必要であることだけは分かる。それらを手に入れたいとは思っている。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

岡崎京子は漫画家だ。『リバーズ・エッジ』は漫画だ。僕は文学部だ。少しズレている。ただ僕はその辺の小説よりはこの漫画の方がよっぽど文学作品だと思っているから構わない。
岡崎京子は九十年代と絡めてよく語られる。九十年代、冷戦終結とバブル崩壊と阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件とノストラダムスの大予言とエヴァンゲリオンがあった時代。幼いころの僕が何にも知らずに生きていた時代。その代表的作家として、岡崎京子とこの『リバーズ・エッジ』が上がってくる。
僕は出来るなら、幾らか新しい所を語ってみたいと思っている。古いのはずいぶんと語られつくしている気がするから、いっそのこと僕が生きている時代を語れたらと思っている。ただ、ゼロ年代以降の小説にはどうもしっくりとこなかった。半分趣味の延長から、九十年代の代表作と呼ばれる漫画を幾つか読んで、それらが物凄く多くのものを孕んでいるのを感じた。或いはゼロ年代自体も九十年代の延長なのかもしれない。新しいことを語る、その時に、九十年代という、抽象的に言うなら「歴史化された時代として最も新しい」時代を考えることはとても有意義じゃないだろうか。
だから、まず、出発点。九十年代を代表する漫画、『リバーズ・エッジ』から何かを学ぼうとすること。そこから手を広げ、九十年代を足掛かりにして、さらに新しい年代を考える。そういう無駄に大掛かりな計画を立てているのだけれど、待望叶うのはいつになることやら。コツコツと平坦な戦場を歩いて行こう。その内に高い所に出て広い展望が開けるかもしれん。

経済学を学ぶ/岩田規久男

経済学を学ぶ
岩田規久男

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
5/8/2013 10:43:24
経済学部経済・経営学科
1年生・女性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

経済学を学ぶ/岩田規久男

その本はいつ読みましたか?

大学一回生の春(入学直前)

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

高校までのカリキュラムは経済学的な要素が希薄なため、多くの人が「経済学とはどういう学問か」という問いに答えることが出来ない。しかし経済学の取り組む問題は、どれも私たちの日常生活と深い関わっており、これを学ぶことは私たちの生活を豊かにする。このような立場から、基本的な経済学的思考を、沢山の実例を挙げて解説している。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

経済学部で、ミクロ、マクロ経済学の基礎を勉強中。世界の捉え方の一つの尺度として、経済学的な見方を選択することはとても面白い、と毎回の講義から実感している。味気ない数式で私たちの行動様式が表されるのは、不快というよりむしろ、日々のトレードオフに何とも言えない緊張感を与えてくれる。
資源分配を考える経済学は、金儲けのために用いることもできるだろうが、それ以上に私は、人々の生活、ひいては人の命に責任を持つ学問だと考えている。実学、経済学の学びを通して、様々な社会問題へのソリューションを考えていきたい。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

直球の経済学の入門書。
経済学についてずっと疑問に思っていた、消費者は必ずしも合理的に行動はしないだろう、などといった問題に答えてくれた。この本を通して、経済学的なものの見方の基本が身についたと思う。筆者は経済学には「常識ある人の倫理観を逆なでするようなところがある」と書いており、私も最初何やら読みにくいものを感じたが、読み進むにつれてそれが面白さに変わっていった。

サードカルチャーキッズ 多文化の間で生きる子どもたち/デビッド・C.ポロック, ルース=ヴァン・リーケン

サードカルチャーキッズ 多文化の間で生きる子どもたち
デビッド・C.ポロック, ルース=ヴァン・リーケン

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
5/21/2013 0:15:39
外国語学部外国語学科日本語専攻
3年生・男性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

専攻を決めるきっかけになった本

その本の名前と著者をお答えください。

サードカルチャーキッズ 多文化の間で生きる子どもたち/デビッド・C.ポロック, ルース=ヴァン・リーケン

その本はいつ読みましたか?

大学1回生の夏

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

サードカルチャーキッズ・多文化間を移動する子どもたちについて書かれた本です。
いわゆる帰国子女と呼ばれる子供たちがどのように世界を巡り、その中で何を感じ
生きてきたのかが綴られています。なかでも外交官の子どものエピソードが特に
印象的でした。その子どもは親に連れられ、幼少期を東南アジアで過ごしましたが
任期が終わりアメリカに帰国することになりました。しかし、彼女にとってはアメリカは
親しみのある国ではなかったため、適応できずに東南アジアに単身で戻ります。
しかしその戻った先は、外交官の子女としての扱いを受けることはなく再び文化に
抵抗を感じてしまいます。そうして、自分は何人であるのかどの文化に属しているのか
を明確にすることが出来ず自分に不安感を感じてしまうというエピソードでした。
一見羨望の的にもなる帰国子女の内実に少し触れたような気がしました。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

今、学んでいるのは日本語を母語としない人に日本語を教えるということです。
特に最近では公立の小学校や中学校でもそういった子供たちが増加しています。
そこで、日本語教育やバイリンガル教育の知識を持った教員になれるように学んでいます。
まだまだ課題の多い分野であり、柔軟性が求められる分野なので、少しでも多くの経験を積めるように
努力していきたいと思います。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

その本を手に取ることがなければ、自分の教員になりたいという目標と日本語教育について学ぶということが
乖離したままだったのではと思います。しかし、この本を通して、日本語教育を通して世界とつながれる教員になれるのではないかという期待感や、日本人として日本を少しでも好きのなって欲しいという思いが湧いてきました。それは今でも学習の原動力になっています。

キヨミズ准教授の法学入門/木村草太

キヨミズ准教授の法学入門
木村草太

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
5/24/2013 0:27:20
法学部法学科
2年生・男性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

キヨミズ准教授の法学入門/木村草太

その本はいつ読みましたか?

大学1回生の冬

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

進路に迷う高校生の少年が、ある日近所の大学の法学科で教鞭を執る准教授と知り合い、法学の基礎について学んでいく。新書だが、会話体で進んでいくため大変読みやすい。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

法学部で、憲法や民法などを受講している。しかし、まだまだ「法律が私の専門だ!」というには程遠く、入り口に立ったばかりだ。最初は全く先生が何を言っているのかすらもわからなかったが、最近少しずつ理解できるようになり、おもしろくなってきた。これから深いところに進んでいくのが楽しみでならない!

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

タイトル通り、法学入門である。そのまんまだ。だがこの本はそれだけでなく、ほかの社会学、政治学についても簡単に書いているので、進路に迷った高校生にはぜひおすすめしたい。

一問一答 まる覚え倫理/奥村薫

一問一答 まる覚え倫理
奥村薫

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
5/24/2013 17:27:28
文学部人文学科美術史学専修
2年生・男性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

専攻を決めるきっかけになった本

その本の名前と著者をお答えください。

一問一答 まる覚え倫理/奥村薫

その本はいつ読みましたか?

高校2年の秋

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

センター倫理の問題集。一問一答形式で、ライトな文体や明快な解説が特徴。ならびに、挿絵の女の子が可愛い。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

文学部で、美術史学を学んでいる。関係性に乏しいと思われるかもしれないが、芸術と哲学は密接な関連性がある。広く捉えると、本著は私にとって、人文科学の扉を開いた名著とも言えよう。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

人文科学というつながり。ならびに、西洋の歴史への興味(オランダなど)や思想的な芸術解釈(プラトンの芸術否定論など)への関心が芽生えた。

それでもボクはやってない/周防正行

それでもボクはやってない
周防正行

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
5/27/2013 15:44:53
法学部法学科
2年生・男性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

専攻を決めるきっかけになった本

その本の名前と著者をお答えください。

それでもボクはやってない/周防正行

その本はいつ読みましたか?

高校1年生秋

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

著書と同名の映画の撮影に関する3年半の取材の中で、著者(監督)が感じた「裁判の謎」を
元裁判官木谷明氏に問うという本。映画自体に関して監督が振り返り様々な試行錯誤があったことを語っている。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

法学部法学科で民法や憲法等六法を中心に学んでいるが、六法の中ではやはりこの本の影響もあり
刑法に一番興味を持っている。まだまだ、知識がたりていないが熱意をもって勉強していきたい。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

六法の中の一つである刑法を学ぶモチベーションの一つとなっている。
この本を読み返すと勉強のやる気がわいてくる。

現代短歌の鑑賞101/小高賢

現代短歌の鑑賞101
小高賢

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
5/27/2013 17:43:03
文学部人文学科日本文学専修
2年生・男性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

現代短歌の鑑賞101/小高賢

その本はいつ読みましたか?

高校2年の8月

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

現代の主要101歌人のアンソロジーです。一人につき20首程度の代表作品が収録されています。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

文学部で、日本文学について勉強しています。高校入学時、僕は文学に一切興味がなかったのですが、友人に誘われて気楽に入った文芸部で文学のおもしろさに目覚めました。文学は表意記号の羅列であり、リズムであり、音楽であり、色彩であり、半永久の芸術であり、時代を超えるタイムマシンでもあります。僕ははるか昔から色あせることなく脈々と受け継がれてきた文学をもっと良く知り、未来へつながるような文学作品を作り出したい、という思いで文学を勉強しています。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

短歌は、顧問の先生に勧められて始めたのですが、それまでの僕は、短歌は古くて湿っぽい、「生きている化石」のような文学だと思っていたのであまり興味は惹かれませんでした。しかし、図書室でたまたま手に取ったこのアンソロジーでは、教科書で習ったようないかめしい短歌ではなく、新鮮で新しい短歌が数多く収録されていました。まさにいまの自分の感覚をこの57577のリズムに乗せることができるんだ、という発見は、いままでの自分の価値観がひっくり返されるような衝撃的なものでした。僕はこの本から文学の可能性というものを見出せましたし、文学の本質もうっすらと感じられたような気がします。

科学の横道/佐倉統

科学の横道
佐倉統

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
5/27/2013 20:20:29
情報科学研究科 バイオ情報工学専攻
博士2年生・女性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

科学の横道/佐倉統

その本はいつ読みましたか?

修士2年の5月

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

科学とは全く異なる分野の12人の専門家が、科学についてどう考えているのかを記述した本。
漫画家や作家、哲学者、新聞記者など、とてもユニークな顔ぶれが並ぶ。
科学者以外から見た科学は、やはり科学者とは全く切り口が違い、とても新鮮で新しい気付きを得られる内容である。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

私は進化生物学の研究を行なっている。それとともに、企業でサイエンスコミュニケーションに関するインターンシップを行い、さらに教職免許を取得するべく授業を受けている。
将来はサイエンスの面白さを世の中にもっと広く知ってもらうための活動をしたいと思っており、前述の活動はそのためのスキルや知識を養うために取り組んでいるものである。
科学は一般の人にとってはとっつきにくく、難しいものであるという認識を持たれがちであるが、科学を文化にしていきたいと思っている。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

この本を読んだ頃は、科学の面白さに関わることのできる仕事がしたいと思っていたが、具体的な職業については思いついていなかった。
この本では、科学をより一般の人に広めるためにどうすれば良いかという話も含まれており、サイエンス・コミュニケーションという言葉もこの本の中で初めて知った。
その存在を知ったとき、これこそが私のたりたいことであると確信したのを覚えている。
就職活動を終え、内定も頂いていたが、このまま就職しては後悔するだろうと思い、内定を辞退した。その翌年から大学院の博士課程の学生として学びはじめ、
教育免許取得にも取り掛かったのである。この本に出会わなかったら、全く違う人生を歩んでいただろう。

インド・アズ・ナンバーワン/榊原英資

インド・アズ・ナンバーワン
榊原英資

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
5/28/2013 11:42:27
法学部 国際公共政策学科
1年生・男性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

インド・アズ・ナンバーワン/榊原英資

その本はいつ読みましたか?

大学一回生の春

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

現在、中国に次いで、その勢いのある発展が注目されている国、インドについて240ページにわたり記述されている。
タイトルから大方の方は、今後のインドの未来予測、世界へのさらなる台頭の具体的な予想などがとりあげられているように感じるかもしれないが、そうではなく、主にインドの現状あるいは、インドの歴史的背景について丁寧に取り上げられている。インドという国の将来に考えを巡らせるためにも、過去を知っておく必要があるということであろう。現在のインドをご存じの方にとっても、インドを詳しく知らない方にとっても、とても良いインドという国についての入門書となることだと思われる。また、日本文化や日本人との比較による相違点、共通点についても少々触れらているので、インドに対するさらなる理解が深まることと思う。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

現在一回生の5月下旬であるので、まだまだ基礎の基礎しか学んではいない。しかし、自分の関心のある分野への好奇心のあまり、このような本を読んでいる。今後、専門的な学問を学んでいく上での豊かな教養、知識、思考力へとつながればと思っている。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

私は将来、外交あるいは開発援助の職に就きたいと思っている。そのためにも世界の国々に対する正確な理解、知識が必要である。そのため、これまでに今後さらに台頭してくる中国、インド、東部南部アフリカをはじめとする本を読んできた。例えば、この本ではインドにおける経済における強みと社会構造的問題点などを理解していく中で、理想的な社会や適した経済体制などへの思考力を高めればと、あるいは単純にインドという国そのもの、国風をつかめればと思い読んだ。

英語の発想/安西徹雄

英語の発想
安西徹雄

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6/1/2013 8:17:44
外国語学部外国語学科ポルトガル語専攻
1年生・男性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

専攻を決めるきっかけになった本

その本の名前と著者をお答えください。

英語の発想/安西徹雄

その本はいつ読みましたか?

予備校生のときの夏頃

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

英語で書かれた文学作品等とその和訳、または逆に日本語で書かれた文学作品等とその英訳の比較を通して、 英語の発想を明らかにしようとする本です。
また、英語との比較を通じて日本語の発想も自ずと浮き彫りになってきます。


例えばThe mere fact of looking so different causes disdain,suspicion and ridicule(本書の冒頭部より引用) は、「そんなにちがって見えるという単なる事実が、軽蔑、疑惑、そして嘲笑を生む」が直訳ですが、
「ただ外見がちがっているというだけで、人から馬鹿にされたり、怪しまれたり、嘲笑されたりしてしまうのである。」 と、訳した方がなんだか自然に聞こえませんか。
これは一体なぜなのでしょう。
ひとつには、日本語は名詞を用いた表現よりも動詞を用いた表現を好む傾向があるということが言えそうですが、
本書の考察はそれだけにとどまりません。英語の発想の本質にずんずん迫っていきます。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

外国語学部のポルトガル語専攻で、ポルトガル語の基礎を学んでいる。
英語と同じ西洋語であるが、英文法と似た面もある一方で、
主語の省略や動詞の活用など文法的な違いも多く、面白い。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

この本が外国語を学ぶことは、その国の人の考え方の類型を学ぶことでもあるということを教えてくれた。
今では、外国語を用いてその国の人と交流することだけでなく、
外国語学習そのものが自分の視野を広げる有効な手段だと思っている。

脳のなかの幽霊/ラマチャンドラン

脳のなかの幽霊
ラマチャンドラン

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
6/5/2013 20:41:59
基礎工学部システム科学科
4年生・男性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

脳のなかの幽霊/ラマチャンドラン

その本はいつ読みましたか?

大学4年の春

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

脳の血管障害(脳梗塞など)が原因で脳の損傷をもっている方など、さまざまな症状の見地から、脳の機能を解説した本です。著者のラマチャンドラン氏はアメリカの神経医、神経科学者です。ここで、印象的だった内容をひとつだけ引きます。脳の視覚野に損傷を受け、いわゆる盲人になってしまった方がいました。彼の目の前に怒った表情の写真を提示します。彼はそれが何であるのか、全く答えられないのに、「いま怖い感じがしますか?それとも楽しい感じがしますか?」と尋ねると、前者と答えることが出来るのです。彼は写真が何であるか、顔であるということさえも、言い当てることはできないのに、です。これには科学的な説明が既にあります。すなわち、人の視覚の処理の経路には2つの経路があり、ひとつはヒトの発生のはるか昔からあった経路と、ヒトが誕生すると同時に獲得した経路と、です。昔から持っていた経路では天敵がいたら逃げたり、異性を見つけたりするのに使われていた経路であり、いわゆる認識(ここでは物が何かを言い当てること)とは関係はないのです。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

脳の神経の回路を学んでいます。具体的には視覚系の研究をしています。たくさんの細胞のひとつひとつの活動を計測し、それを通じて全体のネットワークを理解しようとしています。現在はまだまだ分からないことばかりですが、脳というのは本当に不思議だということは、これまでの勉強によっても、先に揚げた本を読んでも、わかりました。脳は単位体積当たりの「わかっていないこと」はこの世の中でもっとも多いと、僕は考えています。それだけに勉強のし甲斐もあります。そして今僕の周りには、研究のためのツールもたくさん揃っています。たくさんの演算能力をもつコンピュータや、特定の細胞を染めることのできる色素、そして何より、素晴らしい先生方です。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

本では脳の「全体としての機能」についてのお話がたくさん述べられています。脳のダイナミックさ、不思議さを痛感できます。僕の研究は「ひとつの細胞」からのアプローチです。木か森かといえば、木、です。1本1本の木からその全貌を解明しようとすれば、迷子になったり途方にくれたりということが多々あります。この本は、そんな僕に俯瞰図を与えてくれ、勉強に対するモチベーションを与えてくれます。

世界の教科書でよむ〈宗教〉/藤原聖子

世界の教科書でよむ〈宗教〉
藤原聖子

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6/9/2013 18:56:07
外国語学部外国語学科アラビア語専攻
2年生・女性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

世界の教科書でよむ〈宗教〉/藤原聖子

その本はいつ読みましたか?

大学2年の春だったはず

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

世界で行われている宗教教育について、教科書という観点からいろいろなケースを比較・考察した本。
世界の宗教科の教科書を通し、宗教の姿を世界の人々がどう見ているのか洗い出してゆく。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

アラビア語を学んでいる。が、専門にしたいのは外国語教育であり、アラビア語を習得しようとしながら英語教育に携わっている。
言語を本当に習得するということはどういうことなのか、なぜ言語を学ぶのか、より良い語学の授業とはどのようなものなのか日々模索している。
外国語教育が異文化理解につながると信じ、まさに異文化理解につながるような語学の授業をしたい。
将来は、日本でほとんど研究されていないともいえるアラビア語教育の分野を開拓していけたら……と考えている。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

日本で異文化理解をもっとも阻んでいるのは言語と宗教ではなかろうか、というのが私の持論だ。
宗教はなかなかにデリケートなものである。気を付けないと他者の心の深い部分を刺激してしまう。
イスラム教というだけで「うさんくさい」「危ない」と思われがちだ。
そもそも、イスラム教はアラビア語専攻である私の専門領域と多少リンクするものではあるが、またそれは別の話。
違う宗教を信仰する隣人を知り、受け入れることが異文化理解につながるのではと考えており、宗教教育について非常に関心があったため、この本を読んだ。

生物のかたち/ダーシー・トムソン

生物のかたち
ダーシー・トムソン

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6/21/2013 20:20:32
基礎工学研究科機能創成専攻
修士2年生・男性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

生物のかたち/ダーシー・トムソン

その本はいつ読みましたか?

大学2回生頃

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

生物の持つ骨格や筋肉等の構造を、スケーリングの手法を用いて力学的な観点から分析する。生物に備わっているかたちの美しさを説いた、学術的にも非常に価値のある本。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

植物の構造に注目したバイオミメティクスの研究をしています。ダーシー・トムソンが100年以上前に得た、生物のかたちに対する観察眼を私自身得られるよう努力しています。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

スケーリングの観点はバイオミメティクスの基礎的な土台となっています。

自分の中に毒を持て/岡本太郎

自分の中に毒を持て
岡本太郎

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6/23/2013 20:01:53
工学研究科機械工学専攻
修士1年生・女性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

自分の中に毒を持て/岡本太郎

その本はいつ読みましたか?

大学3回生の冬

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

岡本太郎が若者に向けて自身の考えを基に叱咤激励する本。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

工学研究科で既存の技術では解決できない問題を解決するための新しい手法を開発する研究を行っている。将来、日本を支えるものづくり産業に大いに貢献できる技術者となるため、日々精進している。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

日本はものづくりにより発展してきた。ものづくり産業が苦境にたたされている現在、技術者には常に本気で仕事に取り組むことが求められる。ついつい楽な方に、今のままでも十分だという思いに流され、囚われてしまう思考に待ったをかけ、日々本気で生きるべきと説いてくれる、かなりアグレッシブなやる気スイッチとなる一冊である。

ゲーム理論トレーニング/逢沢明

ゲーム理論トレーニング
逢沢明

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
6/27/2013 14:23:31
工学研究科・地球総合工学専攻
修士2年生・男性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

ゲーム理論トレーニング/逢沢明

その本はいつ読みましたか?

大学3年

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

ゲーム理論を簡単な例題を用いてクイズやパズルの形で解説していく。非常にわかりやすく、分野を問わず誰もがゲーム理論の基礎を理解できる本。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

工学研究科で土砂崩れに関する研究を行っている。土砂崩れは人の命に係わる災害であり、予測や対策が非常に難しい現象でもある。この予測・監視システムを開発することによって多くの命を救えるのと同時に、高速道路等の災害時ライフラインの健全性を保つことができる。先の東北大震災でも港、空港、鉄道が使えなくなったとき、物資輸送に最も力を発揮したのがトラックを用いた長距離輸送である。微力ながらも、人々の命を守りたいと思い日々精進している。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

工学部なのにゲーム理論??という疑問が出てくるだろう。しかし、技術者だからこそこういったビジネスノウハウやビジネス的視点が必要だと感じた。技術を販売したり、海外に輸出する際、どのような戦略を立てるのか。また、相手はどのような戦略でくるのか。今の日本の技術者に欠けているのは、競争意識だと感じる。No.1の製品を作っただけでは売れない今の世の中で、技術力とビジネスを如何に両立するか。これが、日本を救う一つの策だと考える。

ミクロ経済学 静学的一般均衡理論からの出発/浦井憲・吉町昭彦

ミクロ経済学 静学的一般均衡理論からの出発
浦井憲・吉町昭彦

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
7/4/2013 14:50:09
経済学研究科経済学専攻
修士2年生・女性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

ミクロ経済学 静学的一般均衡理論からの出発/浦井憲・吉町昭彦

その本はいつ読みましたか?

修士1年の春

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

 文字通り「入門から上級まで」の内容が一冊に凝集している。類書にあまり例を見ない、特徴的な点として、思想的・哲学的・歴史的立場からの記述が多く含まれていることが挙げられる。経済学嫌いの方にこそぜひとも読んで欲しい。ミクロ経済学の教科書ではあるが、IS-LM分析などマクロ経済学の基礎的なトピックへの言及もあり、一般均衡理論に基づく経済学への入門書、と言った方が正確かもしれない。ミクロ経済学のみならず、経済学全体に対する包括的・俯瞰的な視点を示唆する教科書である。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

 大学院で経済学理論(一般均衡理論)を学んでいる。経済学は、市場を舞台として「需要と供給の一致」という形で社会の望ましい在り方を模索する学問である。とりわけ一般均衡理論は、パンの市場やトウモロコシの市場といった部分的な問題ではなく、あらゆる財・サービスを含んだ市場全体の在り方を問う研究分野と言える。私たちが「社会全体」について、何が望ましくて何が望ましくないのかを考えるためには、それを判断するための基準が必要ではないだろうか。その意味で、一般均衡理論は社会を考察するための強力な道具であり、社会全体について考える上での、私たちの思考の枠組みそのものと言えるだろう。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

 読みやすく平易なテキストは数多くあるが、「経済学とは何か」という問いにこれほど真正面から答えてくれる教科書は稀である。内容としては、専門的な部分にもかなり踏み込むが、その一方で、経済学の立場から現実の諸問題に対しても、真摯にご見解を述べられており、様々な角度から楽しむことができる。好悪の別を問わず、経済学にご興味をお持ちの方すべてに、迷わず本書をお薦めする。

この世で一番おもしろいミクロ経済学 : 誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講/ヨラム・バウマン

この世で一番おもしろいミクロ経済学 : 誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講
ヨラム・バウマン

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
7/4/2013 15:46:07
生命機能研究科
修士2年生・女性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

この世で一番おもしろいミクロ経済学 : 誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講/ヨラム・バウマン

その本はいつ読みましたか?

院生2年生の春

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

ミクロ経済についてマンガ仕立てで説明しているのでとっつきやすいです。経済学を全く学んだことのない人が、拒絶反応を起こさず読み進めることができました。ミクロ経済学、マクロ経済学の初歩を、マンガで解説しているという本です。日本の本ではありません。翻訳モノです。著者は世界で唯一の「経済学コメディアン」として活躍されている方だそうです。そして日本語訳は、これまたひとくせもふたくせもある、独特な語り口の訳が得意な山形浩生さん。
この本が、すごく良いです。

経済の周辺では、何を問題にしていて、どういう発想を使っているのか、広く浅く理解できます。
ノリが軽くてギャグ系の割には、専門用語も専門的な発想もあいまいにせずちゃんと取り扱っているように感じます。
それと、展開が退屈ではありません。
あと、散りばめられてるユーモアも、大味でアメリカンでときにはブラックですが、大人風味で悪くありません。
これ一冊でミクロ経済を理解するのは到底無理ですが、価格決定の仕組みなど経済を身近に思える説明も多いです。次の入門書や経済関係のニュースや解説を読むときには、以前より楽に読めるようになっているはずです。経済について、ざっくり大ざっぱな地図を把握したり、そこで使われる用語に慣れるには、とても良い本だと思います。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

今現在生命機能研究科に所属して、免疫学について学んでいます。学部時代は化学を学んでいたこともあり、まだまだ生物学に慣れるということは程遠いです。しかし、ようやく生物学実験のいろはを理解してきたところです。毎日無菌状態で、細胞を培養することに徹している傍らで、全くの異分野に触れて、まだまだ知らないことが世の中にはたくさんあるんだという実感を噛み締めています。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

学問的繋がりは全くありません。実際、理系と文系という分類でも分けられますし。
でも、将来的には社会では文理の分類は関係ないと考えていいるので、将来的には今の専門もこの本から学んだことも関連する自信はあります。

スタンフォードの自分を変える教室/ケリー・マクゴニガル

スタンフォードの自分を変える教室
ケリー・マクゴニガル

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
7/5/2013 4:13:13
理学部物理学科
2年生・男性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

スタンフォードの自分を変える教室/ケリー・マクゴニガル

その本はいつ読みましたか?

大学2回生の春

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

様々な場面で意思決定や選択をする際の人の行動に見られる傾向とその理由、またそれを打開するためのトレーニングなどが項目ごとに分けて書かれている。講義形式にまとめられていて各章ごとに目標が設定されている。全て科学的・統計的根拠に基づいて綴られているので、凄く説得力がある。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

僕は理学部なので、主に物理学(力学、電磁気学、などなど)を学んでいますが、個人的に市場経済や法律にも興味があり、少しそちらも勉強しています。まだまだどちらも極めた!と言うには程遠いレベルだが、いつかスペシャリストと呼ばれるに相応しい人材になりたいと思う。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

この本に関しては、特定の学問領域に対して特別つながりがあるわけではなく、全ての分野を学ぶ人にとって有益な書物だと思う。というのも、意思決定とは人の生活の根本的なものであるから。なので、より多くの人に読んでもらい、ぜひ実生活で役に立てていただきたい!と強く思います。

対話の場をデザインする―科学技術と社会のあいだをつなぐということ/八木絵香

対話の場をデザインする―科学技術と社会のあいだをつなぐということ
八木絵香

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
7/5/2013 11:16:24
大阪大学
OG・女性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

対話の場をデザインする―科学技術と社会のあいだをつなぐということ/八木絵香

その本はいつ読みましたか?

大学院2回生

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

専門家―市民の対立的構図を回避するための科学技術コミュニケーションに取り組む著者が、青森県六ケ所村や宮城県女川町で重ねてきた「対話フォーラム」の実践をまとめ、専門家が「伝える」ためのコミュニケーションではなく、市民の文脈から考える「聴くための」コミュニケーションについて、具体的な提案を行っている。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

科学技術コミュニケーション。震災以降はもっぱら原発関連の問題が取りざたされているけど、それに限らずいろいろな場面で「専門家と市民」の関係は考えていくべき課題になっていると思います。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

10年以上前から科学技術コミュニケーションに取り組んできた著者が出版した、初めての本。これまでの詳しい経緯や、著者が迷ったり感じたりしてきたことがリアルに伝わってくる。対話の場をコーディネートするというのは、単にイベントを企画したり、進行をうまくしたりする方法論だけでは語りきれない。いろんな立場の人が、いろんなしゃべり方をして集う場で、どうすれば実りのある対話を実現できるか。専門家の立場、コーディネーターの立場、市民の立場、それぞれの抱える「難しさ」を理解すること、想像しようとすることが、より豊かな対話の場をひらくことにつながっていく気がしました。

この空のまもり/芝村裕吏

この空のまもり
芝村裕吏

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
7/5/2013 15:24:52
情報科学研究科マルチメディア工学専攻
修士2年生・男性

お書きいただけるのは以下のどちらの本についてでしょうか。該当する方をチェックしてください。

いま学んでいることにまつわる本

その本の名前と著者をお答えください。

この空のまもり/芝村裕吏

その本はいつ読みましたか?

つい最近(修士2年)

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

スマートフォンのカメラを通して世界を覗きこむと、実際にそこにはないのに立体や映像があるように見える拡張現実(AR)の技術。頭に装着する形のディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)を利用して、コンピュータ上の世界や遠く離れた場所に、あたかも自分がいるかのようにする仮想現実(バーチャルリアリティ)の技術。この2つの技術が普及した近未来の日本が、小説の舞台です。これらの技術が普及した社会では、現実世界の実体として存在する物よりも、仮想世界上に存在する物の方が人々にとって価値を持つようになります。そして、現実世界の自分よりも、仮想世界の自分の方が社会的価値が大きくなったり、さらには仮想世界に作られた政府が現実世界の政府の影響力を超えてしまうことも十分にありえます。この本の主人公は、仮想世界に架空の政府を設立し、10万人の架空防衛大臣を指揮するニートの青年です。彼を始めとした、登場人物の現実世界と仮想世界でのギャップや、それぞれの人物の視点からばらばらに始まる物語が最後に一つの線になってつながっていく様が見どころだと思います。また、拡張現実・仮想現実が当たり前になった社会では、こんな些細な(だと思っていた)ことが社会問題に発展したり、たったこんなことで多くの人が影響されたりと、近未来の日本社会に起こりうる問題点が垣間見えて、とても興味深いです。

いま、あなたはどのようなことを学んでいますか?その学問に対する熱意などもあわせてお書きください。

私は今、情報科学研究科で、情報推薦システムに関する研究をしています。近年急速に発達した情報社会では、ニュース記事から個人のつぶやきまで、あらゆる情報がインターネットから利用可能になり、その情報の量は日々爆発的に増え続けています(このような現象は情報爆発と呼ばれます)。インターネットの利用者は、広大にあふれかえる情報の海の中から自分の目的に合った情報を見つけ出さなければなりません。ここで情報推薦システムは、その人が興味を持つ事柄に関連する情報を自動的にお勧めすることで、目的の情報を探し出す手間を削減したり、思いがけず有益な情報を発見する手助けする役割があります。そして、特に注目されてきているのが、最近急速に普及が進んでいるスマートフォンを始めとした携帯端末上での情報推薦です。携帯端末はいつでもどこでも持ち歩かれるので、利用者は生活の中の様々な場面で、その時々に合った情報を探します。このとき利用者がどんな情報を欲しがるのかを、場所、時間帯、利用者の年代、性別など、様々な手がかりを元にして推測を行えば、利用者の時と場合に応じて、有益な情報推薦が行えるのではないか、というのが私の研究分野で特に話題になっている事柄です。この研究が進めば、欲しい情報は向こうから勝手にやってくるので、わざわざ欲しい情報を探しに行くといった機会は減ることになるでしょう。しかしそれだけではなく、推薦システムが利用者の興味のアンテナを刺激して、知的好奇心の守備範囲を広げていく役割を担っていくべきだと、私は密かに期待しています。

その本とあなたの学問領域にどのようなつながりがありますか?

現在、携帯端末の利用者向けの情報推薦の手がかりとして使えるものは、場所、時間帯、利用者の年代、性別などの情報です。しかし、人がどんな情報を欲しいと思うかは、その時に一緒にいる人、気分や健康状態、周りから聞こえてくる騒音や話題、目に見えるものなど…、身の回りの状況に関する莫大な種類の要因が複雑にからみ合っていると考えることができます。しかし、現在では、このような状況に関する様々な情報が、電子化し、保存されるような仕組みはまだあまり出来ていません。つまり情報推薦の手がかりとしてはまだ利用できないのです。ところが、この本の中で描かれる世界では、身の回りのありとあらゆる情報が電子化され、利用できるようになっているのです。物語の中で登場人物たちは、自分の欲する情報を何不自由なく入手しています。これはおそらく、身の回りの情報を利用した理想的な情報推薦システムが完成しているからなのでしょう。しかし、それよりもずっととんでもないことを実現していることに私は驚きました。それは仮想世界上での人格の複製です。身の回りのありとあらゆる情報を電子化するということは、人物そのものを記録することに他なりません。つまり、その記録を十分に集積すれば、これまで集積した記録を手がかりに自分と全く同じ言動を行う人格(人工知能)を仮想世界上に複製可能だというのです。そんな新たな常識が生まれるかもしれない未来は、そう遠くないのではないかと私は期待しています。