ごあいさつ

私たち阪大生は、書評空間で書評ブログを書く書くことにしました。

本との出会いは一生のうちに何度もあります。
その出会いの中には、どうしても忘れられないものがきっと誰にでもあることでしょう。
私たちはそれに着目し、ライフステージごとに設定した5つのテーマについて大阪大学の学生や教職員から、本との出会いや思い出について紹介してもらいました。
誰かのアルバムの1ページをそっとめくるような、そんな気持ちでご覧ください。
大阪ならではの個性が光る「オモロイ」書評集が出来上がりました。

また、各テーマを順に見ていくと、ひとつの人生が浮かび上がってくる、という仕掛けにもなっています。
あなたの人生や、誰かの人生に思いを馳せながら、そのような視点からもお楽しみください。
本を紹介した誰かの人生だけでなく、あなたの人生にも彩りを加えてくれる、そんな1冊との出会いが、このページから生まれれば何より嬉しく思います。

大阪大学 「ショセキカ」プロジェクト一同

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2013年10月01日

ぼくのメジャースプーン/辻村深月

ぼくのメジャースプーン
辻村深月

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
5/26/2013 20:27:49
人間科学部人間科学科
1年生・女性

あなたが誰かに贈りたい本はありますか?その本の名前と著者名をお書きください。

ぼくのメジャースプーン/辻村深月

その本をどんな人に贈りたいですか?

ファンタジー小説は夢見がち、と思っている人

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定などをお書きください。

直木賞作家・辻村深月さんが自ら自信作と言い切る長編小説。
 小学校四年生の「ぼく」の学校で、飼育小屋のうさぎが殺され、発見者となった「ぼく」の幼馴染の少女はショックで言葉も感情も失くしてしまう。
普通なら、小学生の「ぼく」には何もできない。けれど「ぼく」には犯人に復讐することができる特別な能力があった・・・
主人公の能力は言葉を使って一回だけ相手の行動を縛る「条件ゲーム提示能力」というもの。これを使えば法律では大した罪にならない犯人にも少女を傷つけた罰を与えられます。
人の罪を裁くこと、ふさわしい罰、命の重さ、同じ能力を持つ親戚の教授を先生にして、主人公は悩みながら答えを探します。

あなたはその本と、どのようにして出会いましたか?

辻村さんの作品はすべてどこかしらリンクしているので、一冊読んではまったら絶対に次も読みたくなります。 そうやってたどり着いた一冊です。

その本を受け取った人に、どのように思ってほしいですか?

主人公の能力の設定は現実ではありえないため、この本を分類するならファンタジー小説になるのでしょう。
けれど、この作品の本質はおとぎ話のようなファンタジーではありません。人の弱さ、醜さ、どうしようもない悪意とそれを取り巻く社会の法律やメディア。
それでも確かに存在する誰かを想う気持ち。主人公と一緒に苦しみ、彼の決意を受け止めて自分自身について振り返ってほしいと思います。
ファンタジーはリアルじゃない、と思っている人にこそ一点のフィクションに支えられたこの物語の痛いほどの現実感を感じてほしいです。

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