ごあいさつ

私たち阪大生は、書評空間で書評ブログを書く書くことにしました。

本との出会いは一生のうちに何度もあります。
その出会いの中には、どうしても忘れられないものがきっと誰にでもあることでしょう。
私たちはそれに着目し、ライフステージごとに設定した5つのテーマについて大阪大学の学生や教職員から、本との出会いや思い出について紹介してもらいました。
誰かのアルバムの1ページをそっとめくるような、そんな気持ちでご覧ください。
大阪ならではの個性が光る「オモロイ」書評集が出来上がりました。

また、各テーマを順に見ていくと、ひとつの人生が浮かび上がってくる、という仕掛けにもなっています。
あなたの人生や、誰かの人生に思いを馳せながら、そのような視点からもお楽しみください。
本を紹介した誰かの人生だけでなく、あなたの人生にも彩りを加えてくれる、そんな1冊との出会いが、このページから生まれれば何より嬉しく思います。

大阪大学 「ショセキカ」プロジェクト一同

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2013年10月01日

春琴抄/谷崎潤一郎

春琴抄
谷崎潤一郎

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
7/21/2013 3:07:14
理学部生物科学科
3年生・男性

その本の名前と、著者の名前を教えてください。

春琴抄/谷崎潤一郎

その本はいつ読みましたか?

大学2回生の冬

その本は、大阪とどのような関係がありますか?簡単なあらすじや設定等も含め、お答えください。

『春琴、ほんとうの名は鵙屋琴、大阪道修町の薬種商の生まれで歿年は明治一九年十月十四日、墓は市内下寺町の浄土宗の某寺にある。』
この一文で始まる物語は、盲目の美しき琴女春琴とその付き人温井佐助の愛を描いたものである。恋ではなく愛であり、極めて鬱屈した愛である。幼き頃より主従関係にあった二人はやがて事実上の夫婦となる。しかしそれを表立って認める事はなく、頑なに春琴は厳しい態度を貫き、佐助はそれに応え続ける。その中で春琴の顔が何者かに傷つけられる。そして佐助は永遠の闇の世界に自ら入るのである…

上に書いていただいた関係について、さらに薀蓄などがあればどうぞ(この問いは必須ではありません)

最後に、みなさんがいま通学している「大阪」という土地について、どう思われるかをお聞かせください(下宿の方は、自分の地元とどう違うか、など)。

作者である谷崎潤一郎は東京の出身であり、関東大震災を機に関西へ移り住んだ。私も東日本大震災の直後に関東から移り住んだので、奇妙な縁を感じる。コテコテの大阪観(道頓掘に通天閣)を持っていた私は、それがいかに観光客的発想であったのか下宿して思い知った。今や日本の何処も近代化されて、地方性とはある種の"幻想"となった。
谷崎が生きたのはその始まりの時代である。大阪に東京と同じくモダンな建造物が造られた時代である。関西に移住した彼は何を感じたのだろう。『春琴抄』は古文書を語り手が紐解く手法で描かれている。物語は"上方芸能"者の墓を訪れる場面より始まる。これは何かを意味するだろうか?

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