ごあいさつ

私たち阪大生は、書評空間で書評ブログを書く書くことにしました。

本との出会いは一生のうちに何度もあります。
その出会いの中には、どうしても忘れられないものがきっと誰にでもあることでしょう。
私たちはそれに着目し、ライフステージごとに設定した5つのテーマについて大阪大学の学生や教職員から、本との出会いや思い出について紹介してもらいました。
誰かのアルバムの1ページをそっとめくるような、そんな気持ちでご覧ください。
大阪ならではの個性が光る「オモロイ」書評集が出来上がりました。

また、各テーマを順に見ていくと、ひとつの人生が浮かび上がってくる、という仕掛けにもなっています。
あなたの人生や、誰かの人生に思いを馳せながら、そのような視点からもお楽しみください。
本を紹介した誰かの人生だけでなく、あなたの人生にも彩りを加えてくれる、そんな1冊との出会いが、このページから生まれれば何より嬉しく思います。

大阪大学 「ショセキカ」プロジェクト一同

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2013年10月01日

キッチン/吉本ばなな

キッチン
吉本ばなな

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
5/26/2013 20:27:08
人間科学部人間科学科
1年生・女性

あなたが過去に読書感想文を書いた本で、印象に残っているものは何ですか?書名と著者をご記入ください。

キッチン/吉本ばなな

その読書感想文はいつごろ書きましたか?

高校入学前の春休み

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

言わずと知れた吉本ばななさんのデビュー作。
 たった一人の肉親だった祖母を亡くし呆然と喪失の中にいた主人公みかげは、同じ大学に通う雄一とその母(実際は父)のえり子の暮らす家に居候する
ことになる。どこか奇妙で、けれど優しく静かな毎日にみかげは安らぎを得ていくが・・・
派手な展開や意外性はなく、どこまでも穏やかに満たされていく物語です。もしみかげが雄一を好きになって立ち直るといった話ならばありきたりすぎてそこまで
興味はわかなかったでしょうが、恋ではなく、けれど確かで暖かな結びつきが生まれていくこの作品は喪失と再生の物語として違和感なくなじむ質感を持っています。
所収されている「キッチン」「キッチン2」「ムーンライト・シャドウ」の三編ともに大切な人との別れ、それでも生きていく残された側の毎日を描いています。

なぜその本を、読書感想文に使ったのですか?

課題図書のリストの中にあり、かつ古典名作よりも読みやすいと思ったから。
課題図書になる前から吉本ばななさんを読むなら「キッチン」からかな、となんとなく思っていました。

読書感想文を書いてみていかがでしたか?難易度や、書く前後のエピソード、その本についての考えの変化、これから読書感想文を書く小中高生へのアドバイスなどもお書きください。

前述したようにあらすじというあらすじはないため、自分が祖母を亡くした時の喪失感とそれからの日常をみかげと比較しながら書きました。
字数指定は比較的少なめだったので、それほど苦労はしなかったように記憶しています。ただ、作品の静かで暖かな質感を言葉で伝えきれないもどかしさは
ずっとありました。これはどんな読書感想文を書いても同じなのですが、伝えたい気持ちと自分の文章力が釣り合わなくていつも悔しい思いをします。
読書感想文という言葉自体に拒否反応を示す人もいますが、よく言うように読書感想文は「読書体験文」です。あらすじの説明に頼りすぎず、
自分にとってその作品がどんなものになったかを正直に伝えれば、それが読書感想文だと思います。

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