ごあいさつ

私たち阪大生は、書評空間で書評ブログを書く書くことにしました。

本との出会いは一生のうちに何度もあります。
その出会いの中には、どうしても忘れられないものがきっと誰にでもあることでしょう。
私たちはそれに着目し、ライフステージごとに設定した5つのテーマについて大阪大学の学生や教職員から、本との出会いや思い出について紹介してもらいました。
誰かのアルバムの1ページをそっとめくるような、そんな気持ちでご覧ください。
大阪ならではの個性が光る「オモロイ」書評集が出来上がりました。

また、各テーマを順に見ていくと、ひとつの人生が浮かび上がってくる、という仕掛けにもなっています。
あなたの人生や、誰かの人生に思いを馳せながら、そのような視点からもお楽しみください。
本を紹介した誰かの人生だけでなく、あなたの人生にも彩りを加えてくれる、そんな1冊との出会いが、このページから生まれれば何より嬉しく思います。

大阪大学 「ショセキカ」プロジェクト一同

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2013年10月01日

わたくし率イン歯ー、または世界/川上未映子

わたくし率イン歯ー、または世界
川上未映子

⇒紀伊國屋書店ウェブストア
5/26/2013 1:00:38
理学部物理学科
2年生・男性

あなたが過去に読書感想文を書いた本で、印象に残っているものは何ですか?書名と著者をご記入ください。

わたくし率イン歯ー、または世界/川上未映子

その読書感想文はいつごろ書きましたか?

高校三年の夏休み直前

どんな内容の本ですか?簡単なあらすじや、設定等をお書きください。

「人間は脳味噌の中に自意識、いうなれば『わたくし』がつまってるらしいけど、自分だけは脳じゃなくて奥歯に『わたくし』がつまってるはずだ」という
訳の分からない妄想から話が始まります。
この小説の文章表現についてですが、
最初から最後の少し前まで主人公による関西弁の話し言葉のモノローグで話が進みます。(ただしめっちゃテンション高いし、いちいち語感が良いです)
またこの主人公は他人と接することがないので、作中で描写される情報は主人公の主観(的な現実世界)だけです。 なので、作中では上の妄想は妄想ではなく、真に正しいこととして扱われています。

話の最後は、主人公に話しかける他人が出現することでそれまでの描写、構築されてきた世界観が全部崩壊してチャンチャンという流れです。

なぜその本を、読書感想文に使ったのですか?

それまで読んだ小説の中で一番衝撃を受けたからです。他の誰かにこの小説絶対読んだほうがいいと伝える手段として感想文を書きました。

この小説は第1回早稲田文学新人賞受賞作で、そのレッテルからきっと格調高い「文学」なんだろうと気取り屋の僕は作者が誰かも知らないまま読みました。
いざ読むとギャグマンガみたいな訳分かんないことばっかり書いてるもんで、予想裏切られつつ吹き出しながら読んでたら
最後の最後に突然「自我」とか「主観」とか自分の目から自分が見えないことについて考えさせられる話題に、しかも鮮烈な展開になってド肝抜かれました。

読書感想文を書いてみていかがでしたか?難易度や、書く前後のエピソード、その本についての考えの変化、これから読書感想文を書く小中高生へのアドバイスなどもお書きください。

めちゃくちゃ素早く書き上げましたし完全燃焼の出来でした。文章考えるより先に指が動きました。
プロットに暗に盛り込まれてるテーマの読解・解釈は点数稼ぎのために入れましたけど、基本的には読んで感じたことをそのまま書きました。

小中高生へのアドバイス、というには当たり前過ぎることですが
読書感想文を書く難しさは読んだ本が面白かったかどうかによるもので、
多少背伸びが必要な難しい本でも内容が自分にとって面白ければ、なにか考えさせられれば感想文は自然と湧いて出てきます。
つまり、感想文の難しさと本の難しさは無関係なので、興味を惹かれた本は何でも臆さず背伸びしてでも読むことを勧めます。

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