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2012年04月09日

『Cadillac Jukebox』 James Lee Burke(Hyperion)

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「ご存知、刑事デイブ・ロビショーが活躍するエンタメ小説」

 アメリカの人気スリラー作家、ジェームス・リー・バークのインタビュー記事がニューヨーク・タイムズ紙に載った。

 刑事デイブ・ロビショーが活躍するディテクティブ・ストーリー・シリーズでお馴染みの作家だが、そのインタビューが面白かった。

 ジェームス・リー・バークはそれまでの長い作家活動のなかでライターズ・ブロック(作品が書けなくなってしまうこと)を経験したことがないという。特に興味を惹いたのは、物語を書く時、彼はふたつ、あるはみっつ先の場面しか見えておらず、構成が最後までできあがっているわけではないことだった。

 「私が書いてきた物語は、誰かの手によって私のなかにすでに刷り込まれていて、私はそれを辿っているだけです」とジェームス・リー・バークは語っている。

 ジェームス・リー・バークの作品は構成が凝っていて、どんでん返しなどもあるのでこの発言は驚きだった。

 ということで、今回はそのジェームス・リー・バークの作品『Cadilac Jukebox』の紹介。

 『Cadilac Jukebox』は刑事デイブ・ロビショー・シリーズのひとつだ。ルイジアナが舞台となっているので、アメリカ南部の風景描写がたっぷり読める楽しみもある。

 また、ビート作家ウィリアム・バロウズをモデルとした人物が脇役として登場してくる。ジェイムス・リー・バークとバロウズというのはなんとなくミスマッチのような気がするのだが、案外ふたりは知り合いだったのかもしれない。

 物語はルイジアナ州の町で起こる刑務所破りを発端として、政治家、マフィア、主人公の昔の恋人や家族、友人などが複雑にからみあい展開されていく。

 スリリングな物語のなかにもメランコリーな影があり、質の高いエンタテインメント小説を楽しみたいという人にお勧めの本だ。また、アメリカ南部が好きで、風の湿り気とあの熱さを感じたいと思う人にも最適な本だろう。


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